(財)土木研究センター/刊行物/月刊誌土木技術資料抄録/平成20年
 
平成20年1月 報文抄録

【報文】美しく安全で活力ある国土を目指して−創設7年目に入った国総研−

猪股 純

【報文】持続可能な社会の実現に向けた環境研究の推進

高柳淳二

<抄録> 持続可能な社会の基盤となる環境と調和した持続可能な国土の実現に向けて、国土技術政策総合研究所環境研究部が重点的に取り組んでいる研究の概要と今後の研究の進め方について紹介する。

<キーワード> 持続可能な社会、持続可能な国土、流域圏、地球温暖化

【報文】下水道管渠のアセットマネジメント

藤木 修

<抄録> 国内外で関心が高まっている下水道管渠のアセットマネジメントについて、その必要性を概説するとともに、国総研で開発された改築需要予測の方法について紹介する。改築工法については、今後の需要拡大を見越して、世界各国で技術開発競争が行われており、国際的な基準・規格づくりも活発となりつつある。

<キーワード> 改築 国際規格 需要予測 技術開発

【報文】河川・海岸管理の高度化・効率化に資する技術

大平一典

<抄録> 国土技術政策総合研究所河川研究部が河川・海岸管理の高度化・効率化を図るために行っている技術開発として、「水・物質循環解析ソフトウェア共通基盤」、「水中・土中構造物変状検知センサー」及び「GISを活用した堤防管理システム」の紹介を行った。

<キーワード> 水理・水文モデル、センサー、変状、GIS、海岸堤防

【報文】 新たな社会システムの構築に向けた研究

佐藤 浩

<抄録> 新たな社会システム構築に向けた3研究を報告する。実現に向けてのポイントは、万人の社会参画を支える自律移動支援プロジェクトではベストエフォート型サービスとしての認知、地域防災力向上に向けた地域中小企業BCP策定支援では行政側からの働きかけ、道路ネットワーク最適管理では部分最適から全体最適への転換、である。

<キーワード> 社会システム、自律移動支援プロジェクト、事業継続計画、BCP、ネットワーク管理

【報文】インハウスエンジニアのモデルチェンジ

西川和廣

<抄録> 公共事業は「造る」時代から「調達して活用する」時代へと転換し、仕事の内容も大きく変質した。それにもかかわらずインハウスエンジニアの心の中は直営時代の名残から抜けきれず、現在の仕事と保持すべきとされる能力のギャップに苦しんでいるように見える。今、思い切って自らをモデルチェンジするときである。

<キーワード> インハウスエンジニア、モデルチェンジ、技術力、「造る」から「調達して活用する」

【報文】 ICTを活かし、効率的な行政と新たなサービスの提供を目指して

山田篤司

<抄録> 「IT化の恩恵を国民が享受する社会を作り上げる」との理念のもとに策定された「IT新改革戦略」において示された「世界一安全な道路交通社会」「世界一便利で効率的な電子行政」実現に向けた取り組みの状況と国総研の役割について報告。

<キーワード> IT新改革戦略、情報基盤、CALS/EC、ITS、スマートウェイ

【報文】危機管理技術研究センターの主な研究課題

古賀省三

<抄録> 本報文は、危機管理技術研究センターで実施している自然災害の防除・軽減に関する対策技術の開発・高度化、及び予防防災から災害発生時、災害復興に至る総合的な防災対策の計画策定に関する技術開発の概要を紹介するものである。

<キーワード> 自然災害、土砂災害、水害、地震災害、危機管理、防災

【報文】社会の要請に的確に応える土木技術研究 〜第二期中期計画の折り返し点に立って

藤本 聡

【報文】新しい技術が現場を変える

見波 潔

<抄録> 正しい「志」を持って技術開発や新技術の活用に挑むことが、現場を変え、土木技術を発展させ、ひいては社会貢献につながる。本稿では、土木研究所技術推進本部の業務を取り上げ、新技術の活用促進に向けた取組みを紹介するとともに、技術開発への取組みの視点や最新の動向を述べる。

<キーワード> 技術開発、新技術の活用、IT施工システム、統合物理探査、構造物マネジメント

【報文】材料地盤研究夢物語

脇坂安彦

<抄録> 材料地盤研究グループにおける研究について、循環型社会形成、環境保全・生態系保全、土木構造物の老朽化対策、関係機関との連携との観点から、現在実施中の研究および将来の研究計画について述べた。

<キーワード> リサイクル、バイオガス、ゲオトープ、維持管理、老朽化

【報文】地震災害に対して強い良質な社会資本の整備をめざして

松尾 修

<抄録> 土木構造物の耐震技術に関して主に土木研究所で実施している技術開発研究の現状を紹介するとともに、今後めざすべき研究開発分野についての考えを述べた。

<キーワード> 土木構造物、耐震技術、研究開発

【報文】水生生態系の保全・再生技術の開発

中村 敏一

<抄録> 持続可能な社会を実現するためには、人間活動等のインパクトをいかにコントロールして、生態系の保全・再生を図るか重要である。本稿では重点プロジェクト研究「水生生態系の保全・再生技術の開発」を中心に水環境研究グループが取り組んでいる研究課題の一端を紹介する。

<キーワード> 水生生態系、多自然川づくり、湖沼環境、水質リスク、野生生物自動追跡システム

【報文】自然環境を保全するダム技術の開発

吉田 等

<抄録> 土木研究所が取り組んでいる自然環境を保全するダム技術の開発について、2つの具体的な事例を紹介する。川が連続するダムは、治水専用ダムに河川環境保全の目的を新たに付加したダムである。シート排砂技術は、堆砂が進行したダムを対象に、貯水したままの状態で、貯水池とダム下流の水位差を利用して排砂できる技術として開発を進めている。

<キーワード> 河川環境、穴あきダム、治水専用ダム、川が連続するダム、ダム堆砂、シート排砂

【報文】土砂災害の防止・軽減を目指して

寺田 秀樹

<抄録> 激甚な土砂災害の頻発に対し、被害の防止軽減のために、土木研究所土砂管理研究グループで実施している、危険箇所の把握による対策実施の効率化を支援する技術、確実な避難を支援する技術、発災後の被害拡大を防止軽減するための技術、豪雪時の雪崩による被害を防止軽減するための技術開発の概要を紹介する。

<キーワード> 土砂災害、雪崩災害、危険箇所抽出手法、崩壊検知手法、遠隔監視手法

【報文】新たな社会の期待を担う道路技術研究

瀬尾卓也

<抄録> 道路技術研究グループにおいて取り組んでいる舗装・トンネルを中心とした合理的な設計・性能評価技術の開発、既存ストックの機能を保持・更新するための技術の開発、更に、地域の環境や防災に寄与するための技術研究開発について紹介する。

<キーワード> 舗装、構造設計、性能評価、トンネル、換気、支保構造、マネジメント

【報文】道路橋を評価する

福井次郎

<抄録> 道路橋の技術基準、技術開発、施工、維持管理に関して、構造物研究グループのこれまでの取り組みと今後の展望について述べた。今後の展望については、「評価」を共通のキーワードとして取り上げ、早急に取り組む必要のある項目について考察した。

<キーワード> 道路橋、評価、技術基準、技術開発、施工、維持管理

【報文】世界の水関連災害の防止・軽減への貢献 −ICHARMの活動概要−

寺川 陽

<抄録> ICHARMは、2006年3月の設立後1年10ヶ月を経過し、研究、研修、情報ネットワーキング活動を本格化させつつある。「世界の水関連災害の防止・軽減に貢献する」という初期の目的達成に向けて、今後とも国内外の関連機関等との連携を推進することとしている。

<キーワード> ICHARM、水関連災害、リスクマネジメント、ユネスコ、国際連携、科学技術外交

【報文】積雪寒冷地からの技術発信

西川純一

【報文】苛酷環境に挑む土木技術

熊谷守晃

<抄録> 寒地基礎技術研究グループは、気象条件、地形・地質条件的に苛酷な環境下における土木技術について、構造、材料、土質、基礎、地質
の各分野で研究開発を進めています。

<キーワード> 積雪寒冷地、高炉スラグ微粉末、ビーライト系セメント、衝撃実験、三層緩衝構造

【報文】寒いところの水域や水辺の研究も楽しいぞ!

吉井 厚志

<抄録> 寒地土木研究所の寒地水圏研究グループでは、北海道を主なフィールドとして、海から川から山の斜面、火山まで、現場における地道な調査に基づく研究を進めている。水文学的、水理学的、海岸工学的、水産土木学的、生態学的手法を駆使して、現場や地域の方々のためになる研究を目指している。

<キーワード> 水圏、水辺、海域、研究概要

【報文】安全・快適な北の道を目指して

小笠原 章

<抄録> 積雪寒冷地では、自動車交通への依存が高い地域が多く、路面凍結や吹雪対策などは大変重要な課題である。寒地道路研究グループではこれらの課題解決に向け、冬期の安全・円滑・快適な道路交通の確保に関する研究などを行っている。
ここでは、北海道の冬道の課題と研究の取り組みなどを紹介したい。

<キーワード> 冬道、路面凍結、視程障害、吹雪対策、交通安全

【報文】環境保全とコスト縮減を目指す農業基盤整備の研究

秀島 好昭

<抄録> 農業・農村には4つの資源−施設資源、農地資源、環境資源、有機性資源−があり、これら資源を対象に、それぞれ老朽施設の更新工法の開発、環境にも優しい農地の機能の回復・改善の実証的研究や農地域からの負荷物質の流出抑制技術の開発、そして、バイオガス化処理による地域有機排泄物の循環的利用システム等の革新的な取り組みを報じた。

<キーワード> バイオマス、水素・燃料電池、農地排水、水質解析、施設更新


平成20年2月 報文抄録

【報文】舗装の管理目標設定の考え方

藪雅行・石田樹・久保和幸・田高淳

<抄録> 効率的な舗装マネジメントを実践していくためには、舗装の状態を的確に把握し予測するとともに、どのタイミングでどのような管理行為を実施するのかを的確に判断していくことが必要となる。このため、土木研究所では舗装の管理目標の考え方や過去の文献資料や新たな実験を通じた道路利用者の舗装状態の評価に関する知見の収集等を行ってきており、本文において、これらに関する主な成果について報告する。

<キーワード> 舗装管理、舗装マネジメント、管理目標、わだち掘れ、平たん性

【報文】運転者からの視認性を向上させる交差点照明の考え方

金子 正洋・池原 圭一・ 蓑島 治

<抄録> 夜間交通安全対策の一つである交差点照明について、利用者の視点から必要な照度や、適切な灯具配置の考え方を検討した。検討にあたっては、実大交差点を用いた評価実験を実施し、運転者からの歩行者の視認性や、運転者が交差点通過時に受ける印象について調べた。その結果、周辺に運転者の視界を阻害するような光が無い環境であっても交差点内の平均路面照度10Lxを確保することが望ましいことなどを把握したので報告する。

<キーワード> 交通事故、交通安全対策、交差点照明、評価実験、道路照明施設設置基準

【報文】走りやすさマップとドライバーの走行性に関する主観的評価

奥谷正・橋本浩良・井坪慎二

<抄録> 道路構造評価ランクにおける要因と道路利用者の走行性に関する主観的評価の関係を分析するために実走行調査を行った。この結果から、道路構造要因が走行性に関する主観的評価に影響を与えていること及び「走りやすさマップ」で用いられている道路構造評価ランクが実際のドライバーの感覚と概ね合致していることが確認された。

<キーワード> 走りやすさマップ、道路構造評価ランク

【報文】 排水性舗装の騒音低減効果とさらなる機能向上を目指して

並河良治・吉永弘志・山本裕一郎・久保和幸・加納孝志

<抄録> 道路交通騒音に占めるタイヤ/路面音の割合は乗用車では特に大きく、タイヤ/路面音を低減できる排水性アスファルト舗装は、騒音対策の主流である。現在、技術基準・指針の整備、骨材の細粒化による騒音低減効果の向上、再生利用(リユース)等の調査研究が行われている。

<キーワード> 排水性舗装、排水性舗装技術指針(案)、舗装の構造に関する技術基準、タイヤ/路面音、空隙率、骨材粒径、整粒化

【報文】ITS車載器のヒューマン・マシン・インタフェース

平井節生・畠中秀人・平沢隆之・山崎勲・重田良二

<抄録> 官民共同研究等の成果を踏まえてまもなく市販されるITS車載器は、大容量・高速の双方向通信の特性を活かした次世代道路サービスを提供する。スマートウェイ2007デモの紹介を通じて、次世代道路サービスで今後展開されるさまざまな路車協調型走行支援サービスにおけるヒューマンインタフェースの要件について紹介する。

<キーワード> スマートウェイ、次世代道路サービス、ITS車載器、走行支援道路システム

【報文】 ユーザーインターフェース向上を目指した冬期路面管理

浅野基樹・高橋尚人・徳永ロベルト・久保和幸・寺田 剛

<抄録> 冬期路面状態は、冬期道路のユーザーインターフェースを決定付ける代表的要素である。本報文では、このユーザーインターフェースの向上に資する技術開発として土木研究所で取り組んでいる、路面凍結予測手法、連続すべり抵抗値による冬期路面評価、および塩分濃度を指標とした凍結防止剤の散布方法等について紹介する。

<キーワード> 冬期路面管理、スパイクタイヤ規制、路面凍結予測、連続すべり抵抗値、塩分濃度

【報文】道づくりに関わる地域との協働とコミュニケーション

小川智弘

<抄録> 静岡国道事務所では、道路整備を取り巻く社会情勢の変化に対応すると同時に、地域住民と直接関わりながら進めていく道路インフラ整備や管理の方法についていろいろなとりくみを行っているものである。様々な取り組みをしていく中で、地域住民自ら直接企画、立案作業にかかわることできる仕組みができつつある。この仕組みを通じ、道路整備の必要性の再認識をしていただき、地域住民自らが「道づくり」「地域づくり」を能動的にとりくむという道路行政と地域の新たなパートナーシップの関係を構築していくものである。

<キーワード> 地域住民、協働、道づくり、地域づくり、コミュニケーション

【土研センター】プレキャストブロック式RC擁壁の構造耐力

了戒公利、森二三人

<抄録> 施工の省力化や工期短縮と景観配慮のために開発されたプレキャストブロック式のRC擁壁(ハイティーウォール)の実大試験体による構造耐力実験を実施した。その結果、現場打ち鉄筋コンクリート擁壁と同じ設計手法で設計されたハイティーウォールは擁壁工指針で想定される荷重条件に対して十分な構造耐力を有していることが確認された。

<キーワード> RC擁壁、プレキャスト、実大実験、ひび割れ


平成20年3月 報文抄録

【特集報文】防災教育モデルの構築

鳥居謙一・松本美紀・矢田部龍一

<抄録> 大学と地域との連携を念頭においた防災教育システムモデルを2006年台風災害の被災地である愛媛県新居浜市多喜浜地区で構築した。大学−地域は学校を媒介に連携し、大学−学校は、共生的協働関係、学校−地域は子どもを媒介とした有機的協働関係とする、住民・行政・大学一体型の防災教育モデルを提言した。

<キーワード> 防災教育、連携、地域住民、学校、大学、行政

【特集報文】CCTVカメラを活用した地震時における災害状況把握システムの開発

長屋和宏・小路泰広・真田晃宏

<抄録> 地震時における道路施設の状況把握は、路線踏破による巡視点検を基本としており、概略的な被害状況把握に多くの時間を要している。そこで、CCTVカメラを活用した地震時の状況把握に関する仕組みを提案するとともに、これを自動化するCCTVカメラ道路状況把握システムを構築した。本仕組み・システムについては、防災訓練を通じた試用を行い、効果の検証および課題の抽出を行った。

<キーワード> 情報空白期、未確認情報、CCTVカメラ、災害状況把握

【特集報文】バングラデシュにおけるサイクロン災害要因に関する事例研究

竹本典道・吉谷純一

<抄録> バングラデシュ国ハティア島における1991年サイクロン被害に関する要因分析を行った。文献調査、国内ヒアリングから4つの防災カルテを作成し、ハティア島の被災状況に関して仮説を設定し、防災カルテ及び現地調査結果から仮説の検証を試みた。

<キーワード> サイクロン被害、ケーススタディ、現地調査、防災カルテ

【特集報文】 地すべり抑止杭工の杭間隔の新しい決定方法

田中 尚・藤澤和範・藤平 大・石井靖雄

<抄録> FEM解析及びDEM解析により杭間隔や地すべり土塊の物性値が中抜け発生に与える影響を検討した。その結果、くさび杭の条件では中抜けの発生は想定されないが、抑え杭の条件では中抜け発生の可能性があり、杭間隔や地すべり土塊の物性値に応じた杭間隔を設定する必要があることを示した。

<キーワード> 地すべり、杭工、杭間隔、有限要素法、個別要素法

【特集報文】水害による事業所被害の実態に関する調査

山岸陽介・飯野光則・大森嘉郎

<抄録> 水害による事業所の営業停止停滞が周辺地域へは波及する被害の定量的評価手法の確立に向けては、事業所被害の実態及び周辺地域への影響を詳細に把握し、被害データを蓄積する必要がある。そこで、本調査では、平成16年7月の新潟・福島豪雨災害による三条市の事業所被害及び地域に与えた経済的影響に関して調査を行った。

<キーワード> 水害実態調査、治水経済、経済波及被害、被害推定

【報文】 プレストレストコンクリート部材の断面修復による補修の検討

古賀裕久・渡辺博志・北野勇一・中村定明

<抄録> プレストレストコンクリート部材に対して断面修復による補修を適用する場合には,はつりの影響で部材の性能を損なうおそれがあるので,補修の範囲や補修方法を適切に計画する必要がある。これらの具体的な方法として,土木研究所と社団法人プレストレスト・コンクリート建設業協会で実施した検討結果を紹介した。

<キーワード> プレストレストコンクリート,塩害,補修,断面修復,外ケーブル工法

【報文】統計的手法による下水管渠の耐用年数及び将来改築量の推計

藤生和也

<抄録> 下水管渠について、全国、2005年度の改築延長及び供用延長のデータを収集し、これをワイブル分布で近似して耐用年数確率分布を推計した。また、その近似式を用い、将来改築量を推計した。平均耐用年数は83〜93年、将来改築量のピークは2093年、4,653kmと推計された。また、同近似式の推計値は歴史的管渠の残存率及び過年度の新築延長のデータと照らして近いことが確かめられた。

<キーワード> 耐用年数、将来改築量、ストックマネジメント、ワイブル分布、下水管渠

【報文】車道透水性舗装の実用化を目指して

綾部孝之・久保和幸

<抄録> 道路における雨水流出抑制対策の1つとして期待されている車道透水性舗装の耐久性及び雨水流出抑制性能について検討を実施した。本報文では、これまでに実施した検討の結果を報告する。

<キーワード> 車道透水性舗装、雨水流出抑制性能、耐久性、特定都市河川浸水被害対策法

【土研センター】静岡海岸におけるsand bodyの発達と移動

宇多高明、石川仁憲

<抄録> sand bodyの移動について、等深線変化モデルを用いてその発達と移動のモデル化を行った。

<キーワード> sand body、清水海岸、離岸堤、等深線変化モデル


平成20年4月 報文抄録

【特集報文】公共工事の調達における企業評価のあり方

溝口宏樹・堤 達也・山口行一・毛利淳二

<抄録> 透明性・競争性の高い調達制度を前提に、一般競争下において良い仕事をした企業が受注機会を拡大する等報われるように企業の実績や努力が受注者選定に適切に反映される仕組み(良い循環)を構築するため、国土交通省直轄工事において2年に1回の頻度で行っている定期の競争参加資格審査の改善の方向性を提案した。

<キーワード> 公共調達、企業評価、競争参加資格審査

【特集報文】公共工事における総合評価方式のさらなる改善に向けて
〜実施状況の分析とより適切な運用に向けての考え方〜

溝口宏樹・堤 達也・毛利淳二

<抄録> 近年大幅に適用を拡大している国土交通省の公共工事における総合評価方式の実施状況について、平成18年度のデータを中心に全体的な視点から分析した。また、これまでの実施状況を踏まえ、総合評価方式をより適切に運用していくための主な検討課題と、今後の適用の考え方を提示した。

<キーワード> 総合評価方式、公共工事、入札・契約、技術提案、品質確保

【特集報文】調査・設計業務の品質確保方策 〜総合評価方式による入札の導入〜

重高浩一・溝口宏樹・毛利淳二

<抄録> 調査・設計業務の発注にあたって、試行的な導入が進んでいる総合評価方式による入札結果を用いた分析を行った。その結果、より技術力を重視する必要がある場合、すなわち高い知識又は構想力・応用力を評価することで質の高い成果が得られる可能性がより高い場合は、価格点と技術点との比率を1:2あるいは1:3とすることが望ましいことを明らかにした。

<キーワード> 調査・設計業務、品質確保、総合評価方式、加算方式、価格点と技術点との比率

【特集報文】 施工プロセスを通じた検査への転換

山室 久・佐近裕之・相沢 興

<抄録> 建設業界を取り巻く環境が大きく変化し、施工不良や設計ミス等による工事等の品質低下が懸念されるなか、受発注者がそれぞれの責任を適切に担うことにより、効率的かつ効果的に工事の品質確保を図る新たな検査体制を構築するため、国土交通省において試行を始めた「施工プロセスを通じた検査」について報告するものである。

<キーワード> 工事品質、監督・検査、施工プロセス

【特集報文】工事成績の評価と活用

中村義人・佐近裕之・相沢 興・山室 久

<抄録> 建設生産システムの抜本的な見直しが検討されているなか、企業が自ら品質確保に努めるインセンティブや企業の技術力等を重視した調達において工事成績は重要な役割を担っている。国土交通省における現行の工事成績評定結果の分析や、今後の工事成績の評価と活用について報告するものである。

<キーワード> 工事成績評定、品質確保、企業評価、資格審査、入札・契約

【特集報文】 平成19年新潟県中越沖地震における地元建設関連企業の貢献

溝口宏樹・堤 達也・毛利淳二・矢田 弘・田中良彰

<抄録> 新潟県中越沖地震において、建設関連企業による支援活動の実態を調査した結果、「人材の派遣」、「建設機械の提供」などの支援や、迅速な初動対応等が行われており、これら企業の果たした役割、特に被災県内に本社・本店がある地元建設関連企業の貢献が大きかったことが明らかになった。

<キーワード> 災害復旧活動、初動対応、地元建設関連企業、地域貢献、地域貢献の評価

【報文】那珂川における魚類群集の多様性を支える物理環境と流域特性の関係

竹下邦明・傳田正利・村岡敬子・天野邦彦

<抄録> 河川において魚類群集の多様性を保全するためには、水域の物理環境が多様に存在することが重要である。本研究では魚類群集の多様性、水域の物理環境、流域特性の関係性を解析した結果、魚類群集の多様性を保全するためには、当該水域が属する流域特性を把握した上で水域の物理環境を保全・整備することが重要と考えられた。

<キーワード> 魚類群集の多様性、水域の物理環境、流域特性、水域の連続性

【報文】3次元FEM解析による地すべり抑止杭工の設計方法

田中 尚・藤澤和範・藤平 大・石井靖雄

<抄録> 3次元FEM解析を用いた地すべり抑止杭工の設計方法を検討した。3次元FEM解析を用いることで、杭1本毎の応力度を照査でき、負担力を考慮して杭諸元の低減を図ることができる。その結果、本検討の条件において既往の設計手法に対して4割強のコスト削減を見込めた。

<キーワード> 地すべり、杭工、有限要素法、設計

【土研センター】バンコクにおける道路試験盛土への気泡混合土の適用

土橋聖賢・大久保泰宏・平野孝行

<抄録> 気泡混合土は、現地盤表層の掘削土に、水、セメントおよび気泡を混合して作製する軽量土で、地盤への負荷を低減するとともに、外部からの盛土材の搬入を極力、抑えて盛土を造ることが可能な工法である。平成16年〜18年度に共同研究の一環としてタイ・バンコクで現地発生土を用いて実施した気泡混合土の試験盛土の結果と、その成果を道路盛土に適用した事例を紹介した。

<キーワード> 気泡混合土、道路盛土、事例紹介


平成20年5月 報文抄録

【報文】既設橋梁の架替実態調査結果

市川明広・武田達也・玉越隆史

<抄録> 本調査は、平成8年7月1日から平成18年6月30日までの10年間を対象期間として、架替え工事に着手された、一般国道、主要地方道、一般都道府県道の橋梁のうち、橋長15m以上の橋梁を対象に、その架替え理由や供用年数等についてとりまとめたものである。

<キーワード> 橋梁、架替、撤去、架替理由、供用年数

【報文】短いあと施工アンカーボルトによる落橋防止構造の載荷試験

玉越隆史・小林 寛・川間重一・平塚慶達

<抄録> 既設コンクリート橋脚に、あと施工アンカーで落橋防止構造を設置する際、削孔時に鉄筋に干渉することがあり問題となっている。本研究では、鉄筋位置が検出できる深さ程度の削孔長で固定できるアンカーを提案し、実物大供試体に対し載荷試験を行った。その結果、アンカーが短くてもせん断耐荷力に相当する抵抗が期待できることが分かった。

<キーワード> あと施工、短いアンカー、せん断、落橋防止構造、既設鉄筋

【報文】橋梁に対するダンパーの制震効果に関する振動台実験と解析的研究

岡田太賀雄・運上茂樹

<抄録> 近年、橋梁においても既設橋の耐震補強に対して地震時の応答変位の低減を目的とした制震構造が採用される事例も出てきている。しかしながら、確立した設計法はまだなく、振動台実験等による効果や設計モデルの検証データも少ないのが実状である。本文では、土木研究所で実施しているダンパーを用いた制震構造の設計法の開発に関する研究の一環として行った橋梁模型の振動台実験とそのシミュレーション解析結果について報告する。

<キーワード> ダンパー、制震効果、振動台実験、シミュレーション解析

【報文】 弱層せん断強度評価のための模型を用いた一面せん断試験

矢島良紀・寳谷 周・佐々木靖人

<抄録> ダム基礎となる岩盤には、断層や節理のような弱層が存在することがあり、効率的な建設を行う上で問題となることがある。これは弱層のせん断強度には体系的な評価手法が確立されておらず、設計強度の決定が難しいためである。そこで、せん断強度推定に用いるモデル作成のための基礎試験として、弱層模型を用いた一面せん断試験を実施した。本報告では得られた試験結果ならびに今後の課題について報告する。

<キーワード> 弱層、岩盤不連続面、一面せん断試験、せん断強度、ダム基礎

【報文】排水機場の吸込水槽の性能評価へのCFD解析の適用性

山元 弘・石松 豊・河北憲治

<抄録> 排水機場の新設、主ポンプの更新、内水排除計画の見直し等において、対象の吸込水槽で可能な最大ポンプ流量と最低運転水位が、事前検討できると都合がよい。これを渦法によるCFD解析を用いて算出可能とする手法を提案する。

<キーワード> 排水機場、更新、内水排除、CFD、渦法

【報文】 琵琶湖の保全と再生に向けた河川管理の取り組み
〜瀬田川洗堰の試行操作と湖岸域の修復〜

津森ジュン

<抄録> 琵琶湖総合開発に伴う水位管理がコイ・フナ類といった魚類の産卵・成育環境に影響を与えているとの指摘がある。近畿地方整備局が平成15年より実施している瀬田川洗堰の試行操作と湖岸域の修復の取り組みについて報告する。

<キーワード> 琵琶湖、瀬田川洗堰、水位操作、水陸移行帯、湖岸修復

【土研センター】トラス橋床版埋設部材の調査報告

安波博道・中島和俊

<抄録> 本調査は、埋設部材周りの床版コンクリートをはつり、鋼材を露出させ、腐食減耗量を直接計測し、健全性の評価を行うものである。

<キーワード> 下路式トラス橋、床版埋設部材、腐食減耗量


平成20年6月 報文抄録

【特集報文】 道路橋部材の新技術評価

七澤利明・玉越隆史・小澤敦夫

<抄録> 新技術評価の具体的な事例として、国道17号の亀泉高架橋における鋼コンクリート合成床版の評価に関して、(1)合成床版の設計基準と検証方針、(2)上部構造の耐久性、(3)上部構造の耐震性、(4)維持管理、(5)床版の品質管理および(6)上部工の出来高管理の観点での具体的な検証内容を示した。

<キーワード> 道路橋、亀泉高架橋、鋼コンクリート合成床版、新技術評価

【特集報文】 道路橋下部構造の新技術開発と評価の課題

中谷昌一・竹口昌弘

<抄録> 道路橋下部構造における技術開発として,維持管理上の弱点となりやすい伸縮装置や支承を省略したインテグラルアバット橋,地盤改良を活用して基礎本体のスリム化をねらった複合地盤基礎などを例に取り上げ,それらの技術開発と評価の現状と課題について述べる。

<キーワード> 下部構造,維持管理軽減,耐震性向上,インテグラルアバット,複合地盤基礎

【特集報文】 橋梁の新耐震技術の性能検証のための標準実験手法の提案

運上茂樹

<抄録> 性能規定化を背景として、新技術の性能検証においては、それが所定の性能を満足しているかどうかをどのように評価するかが重要となる。本文では、新技術開発の性能検証を行うために提案する1つの標準実験法の要点を示すとともに、鉄筋コンクリート橋脚を対象とした新技術開発について実験的に検討を行った事例を示す。

<キーワード> 新技術、耐震技術、性能検証、標準実験手法

【特集報文】 道路橋の新技術評価の現状と課題

玉越隆史・七澤利明

<抄録> 道路橋の設計・施工等を例に、新技術として扱われるものの考え方や着目点、新技術評価の背景について示すとともに、(1)提案の自由度と評価体制・期間の不整合、(2)技術の複雑性および(3)知見や技術の不足の観点から、新技術評価にあたっての課題と対応の方向性について考察する。

<キーワード> 道路橋、新技術評価、逸脱、性能規定、技術審査

【特集報文】建設技術審査証明事業における回転杭工法の技術審査の現状

鶴飼貴昭

<抄録> 建設技術審査証明協議会では、「建設技術審査証明事業」における技術審査を公平かつ中立な視点で実施するために、関係する会員間で審査水準の整合を図っている。ここでは、土木分野の基礎杭工法において、近年、本事業の依頼が多い回転杭工法を例として、協議会における技術審査の現状について紹介する。

<キーワード> 建設技術審査証明事業、回転杭工法、技術審査、審査水準

【報文】 過給式(加圧)流動炉の開発

落 修一・岩井良博・寺腰和由・鈴木善三・大庭賀夫

<抄録> 循環型社会の創造や地球温暖化対策に寄与する新しい技術が求められている。下水汚泥等の有機性スラリーや緑地等の管理から発生する草木材を対象として、従来のエネルギー消費型の焼却炉に替わる新しい省・創エネルギー型の燃焼炉「過給式(加圧)流動炉」を開発したので報告する。

<キーワード> 焼却炉、加圧流動炉、過給機、下水汚泥、バイオマス、エネルギー

【報文】 地域社会における構造変化に関する考察

鈴木 学・川崎秀明・大橋幸子

<抄録> 近年の産業構造等の変化に伴い、人口減少が進む中山間地域等の地域社会の構造が変化し、国土保全上の機能の低下が起きていると考えられる。そこで、地域社会の担っている機能について分析した。その結果、地域社会の担う国土保全上の価値が大きいものであり、地域社会の持続が国土管理上も重要であることが明らかになった。

<キーワード> 人口減少、中山間地域、地域構造、国土保全、ソーシャル・キャピタル

【土研センター】 歩道用凍結抑制弾性舗装の実道への適用に向けて

小野田光之、倉持智明、樫野誠、森嶋洋幸、稗田満

<抄録> 歩道利用者の安全性や快適性を向上させるため、熱伝導率が低くかつ凍結抑制剤を含浸できるゴム製の弾性舗装(廃タイヤをひじき状にしたゴムチップを配合したプレキャストタイプの弾性舗装版)を歩道に用いる方法について検討を行ったものである。

歩道用凍結抑制弾性舗装

<キーワード> 弾性舗装、歩道、ゴム版、凍結抑制

 

 


平成20年7月 報文抄録

【一般報文】 韓国の行政中心複合都市―世宗市―建設事業に関する報告

 京禄・川崎秀明

<抄録> 韓国の行政中心複合都市−世宗市−建設事業に関して、2007年10月に行った現地訪問により得られた資料等を参考に報告を行った。その内容は、行政中心複合都市の成立過程、建設の根拠法である行政中心複合都市建設特別法での規定、さらに承認された都市基本計画、開発計画の内容についてまとめた。

<キーワード> 韓国、行政中心複合都市、首都移転、世宗市、国土均衡発展

【一般報文】 マレイシアにおける首都圏整備及び首都機能移転の現状

川崎秀明

<抄録> 90年代前半はマレイシア国の経済発展の骨格を成す首都圏の整備計画が矢継ぎ早に打ち出された時である。本稿では、当国首都機能移転を軸とした首都圏整備について今日までの経済発展期における首都圏再編成の過程を追うことで、社会資本整備の役割を現時点なりに検証することを試みた。

<キーワード> 首都機能移転、社会資本整備、経済発展、社会構造変化、民営化

【一般報文】 硫化水素腐食に係るコンクリートの統計的耐用年数の算出事例

藤生和也

<抄録> 東京都区部の下水処理場1,105施設の改修データにワイブル分布を適用し、硫化水素の腐食環境分類ごとの耐用年数確率分布を算出した。その結果、平均耐用年数は砧38年、粁60年と算出された。これらを用いて将来各年度の改修施設数を予測した。

<キーワード> 硫化水素腐食、耐用年数、ワイブル分布、ストックマネジメント

【一般報文】 改良土の品質管理に関する取り組み

堤 祥一・小橋秀俊・宮武裕昭・澤松俊寿・小林悟史

<抄録> 近年、大量に発生する建設発生土や不良土に対し、セメント改良を行なうことで、盛土や擁壁の裏込め土としての積極的な利用が求められている。しかしながら、現状の品質管理方法では、現場と室内試験との締固め密度の違いによる現場/室内強度比や、混合の度合いによる施工のバラツキを考慮できず、現場の改良土の品質を正確に把握できないことが問題となっている。そこで、伊豆縦貫道の塚原IC建設工事における改良土盛土の現場を対象として、現場/室内強度比や施工のバラツキを考慮できる、新しい品質管理方法の提案並びに有効性の検討を行った。

<キーワード> 改良土、品質管理、不攪乱試料、重錘落下試験、施工のバラツキ

【一般報文】排水性舗装の適用条件に関する研究

久保和幸・坂本康文・加納孝志

<抄録> 本研究では,これまで施工された排水性舗装について,設置箇所の実態(沿道条件等)を明らかにし,騒音低減機能,供用性,費用対効果などの観点から排水性舗装を設置することが望ましい適用箇所の条件を整理した。その結果,騒音低減機能,機能の持続性などの観点から,排水性舗装の設置に適した条件などが明らかになった。

<キーワード> 排水性舗装,騒音低減効果,機能の持続性,供用性,沿道条件,地域,施工時期

【一般報文】 舗装構造の理論的設計法のためのアスファルト混合物の弾性係数設定の考え方

久保和幸・井上 直

<抄録> 実際の交通状況を踏まえたアスファルト混合物の弾性係数を設定するために、弾性係数試験に影響を与える要因である載荷時間について検討を行った。検討の結果、交通荷重が舗装に影響を与える時間は交通荷重の速度とアスファルト混合物層の厚さが関係することが確認された。この結果を受けて弾性係数の設定法を整理した。

<キーワード> 理論的設計法、弾性係数、ポアソン比、レジリエントモデュラス試験、荷重影響時間

【一般報文】 豊川河口域に生息する貝類の分布と地形などの物理環境との関係

尾嶋百合香・天野邦彦・中西 哲

<抄録> 近年、生息場としての河川物理環境と、そこに棲む生物との関係を適切に評価し環境や生態に配慮した保全、再生の技術提案が求められている。本研究では河川環境の影響を直接受けやすい貝類に着目して、地形や水質・底質等の生息環境と貝類の量・種を把握することで、河口域における貝類の生息環境特徴を整理し関連性を評価した。

<キーワード> 河口域、汽水、アサリ、ヤマトシジミ

【一般報文】 アザメの瀬自然再生事業地における自然解説モデルの提案

吉冨友恭

<抄録> 河川の自然再生事業地における環境学習の展開においては、対象地の特性に即した独自の自然解説の方法論が必要となる。本稿では佐賀県松浦川流域で実施されているアザメの瀬自然再生事業地を対象に、再生された氾濫原的湿地環境の解説方法の一つとして、モジュール型自然解説モデルを提案する。

<キーワード> 自然再生、自然解説、環境学習、氾濫原、モジュール型プログラム

 

【土研センター】海岸の見方 ‐湘南海岸の例‐

宇多高明、石川仁憲

<抄録> ここでは、2008年5月19日に実施した湘南海岸の現地踏査時の観察結果をもとに、海岸の理解を促進する海岸の見方について簡単に述べる。

<キーワード> 現地踏査、湘南海岸、導流堤、飛砂

 

 


平成20年8月 報文抄録

【特集報文】 地球温暖化に対する治水分野での適応検討

柏井条介

<抄録> 地球温暖化によるわが国の極端降雨量の増加について、気象庁・気象研究所が開発した気候モデルの計算結果を用いた解析方法と予測結果を概説する。併せて、降雨量増加に対応するための治水対策検討の方向性について考察する。

<キーワード> 地球温暖化、気候モデル、極端降雨、適応策、治水計画

【特集報文】 運輸部門からの温室効果ガス排出抑制施策

並河良治・曽根真理・下田潤一

<抄録> 本稿は、運輸部門における温室効果ガス排出削減施策に関するJTRCでの研究の中間成果を報告するものである。経済的な成長を遂げつつ運輸部門における温室効果ガスの排出抑制に向けた施策のあり方を検討するための分析を行い、これまでの実績からそれが実現可能であることを示した。

<キーワード> 温室効果ガス、二酸化炭素、地球温暖化、環境施策、国際研究

【特集報文】 舗装工事におけるCO排出量削減技術の取り組み

寺田 剛・川上篤史・久保和幸

<抄録> 全国レベルでCO排出量削減が取り組まれているが、舗装分野においてもCO排出量の算定手法やCO排出量削減のための技術開発が進められている。土木研究所では各素材の原単位から維持修繕までのライフサイクルで検討できるように算定手法を提案し、道路協会より刊行された「舗装性能評価法別冊」に反映しているので、本報では、その概要を示すとともに、アスファルトプラントでの材料の加熱温度を低くすることで、製造時のCO排出量を10%以上低減させる中温化技術やCO排出量削減に効果があるといわれている舗装再生工法についてその技術の概要とCO排出量試算結果を紹介する。

<キーワード> 舗装、CO排出量、性能評価法、中温化技術、舗装再生工法

【特集報文】 都市緑化樹木のCO固定量把握手法に関する検討

長靈撚陝松江正彦

<抄録> 京都議定書で掲げられた温室効果ガスの削減目標を達成するため、CO吸収源対策の一つとして都市緑化を推進することが求められている。しかし、CO吸収量を把握するための既存知見が十分ではなく、調査・研究を進めることが課題となっている。そこで本研究では、都市緑化樹木によるCO吸収量を適確に把握するための手法を検討した。

<キーワード> 京都議定書、吸収源対策、都市緑化樹木、CO固定、樹幹解析

【特集報文】公共事業由来バイオマスの資源化・利用技術の開発

落 修一・岡本誠一郎

<抄録> 本研究では、公共事業に由来する刈草や剪定木材等のバイオマスを資源として管理するためのインベントリーシステムの開発と、その利用技術として混合メタン発酵、過給式流動炉等の開発を行った。引き続き、大量炭化技術やバイオガスエンジンの開発等を実施しているところである。

<キーワード> バイオマス、インベントリーシステム、爆砕、混合メタン発酵、過給式流動炉

【特集報文】自然エネルギーを活用したロードヒーティングについて

小林晃市・渡辺克也・大城 智

<抄録> 一般国道138号の籠坂峠は、冬期の気象条件が厳しいため、路面凍結等による事故対策として、太陽エネルギーを活用したロードヒーティング設備が設置された。設置当初の籠坂峠の状況や太陽光発電システムの選定、設備の概要や機器の仕様を紹介するとともに、設備設置後のロードヒーティングとしての効果や太陽光発電の効果について現在の状況を踏まえ報告する。

<キーワード> 太陽光発電、ロードヒーティング、ヒートポンプ、事故対策、CO2削減

【報文】大流域に影響を与えた火山噴火事例

田村圭司・山越隆雄

<抄録> 流域の規模が大きく、上流部の火山が大規模噴火した河川の場合、下流域は相当の影響を受けると考えられるが、我が国では近年そのような噴火の経験が無いため、過去の国内の事例や海外の事例について、どのような影響が生じるのか精査した。その結果、下流域への影響については、噴火の規模が確かに影響していることが明らかであるものの、降灰等の降下火砕物の場合と火砕流等の流下火砕物の場合で、その堆積に伴う影響が異なることや、河床勾配等の違いも影響することが示唆された。

<キーワード> 火山噴火、火砕流、降灰、土石なだれ、泥流

【報文】 下水道コンクリートの硫化水素腐食深さの予測方法

藤生和也

<抄録> 下水道のコンクリート製施設では硫酸による腐食劣化が顕著である。この硫酸は下水から放散される硫化水素ガスが微生物により酸化されて生成する。現場腐食環境は変動・ばらつきが非常に大きいので、それよりも腐食深さの経年推移の方に着目し、既往文献データから腐食深さの予測式を考案した。

<キーワード> コンクリート、硫化水素腐食、下水道、ストックマネジメント

 

【土研センター】 建設技術審査証明事業−土木系材料・製品・技術−の紹介
〜(財)土木研究センターの実施方針〜

荒川勢起子、柴田辰正

<抄録> (財)土木研究センターが実施する「建設技術審査証明事業」の紹介

<キーワード> 建設技術審査証明事業、審査証明書、NETIS

 

 


平成20年9月 報文抄録

【報文】 既設トンネルのひび割れの進展と維持管理のあり方

角湯克典・真下英人

<抄録> 「ひび割れ密度」を指標としてその進展とはく落対策工の実施方法の違いによる総対策費の変化について検討を行った。結果、温度応力等によるひび割れ密度は、当初5年程度経過後はほとんど進展しないことがわかった。また、総対策費の変化等から維持管理スキームとしては、定期点検とはく離箇所等の対策の組合せが望ましいと考えられた。

<キーワード> ひび割れ密度、ひび割れ進展、温度応力、乾燥収縮、外力、トンネル維持管理スキーム

【報文】 レーザープロファイラデータを用いた初生地すべりの計測評価

笠井美青・池田 学・藤澤和範

<抄録> レーザープロファイラデータ起源のDEMを用いて2地区で地形解析を行い、初生地すべりを計測評価した。その結果、初生地すべりの地形的特徴を現地調査で地表の様相とともに明らかに出来れば、その様相を表す固有値比や斜面勾配の空間分布を地すべり判読の際の指標として活用できる可能性を示すことが出来た。

<キーワード> レーザープロファイラ、DEM解析、初生地すべり、斜面勾配、固有値比

【報文】 簡易かつ長期間計測を目標とした斜面崩壊検知センサーの開発(その2)

柳町年輝・内田太郎・田村圭司・伊藤洋輔

<抄録> 土砂災害を軽減する為には土砂災害発生の情報を時間遅れなく行政、住民に伝達する必要がある。土砂災害発生の情報を観測する機器として、安価で、容易に設置可能かつ長期間計測を目標とした崩壊検知センサーを開発し、前報に引き続き、通信機能等の性能の検証を行った。

<キーワード> 斜面崩壊検知センサー、土砂災害、無線通信

【報文】 表層崩壊に起因する簡易な土石流発生危険度調査・評価手法

内田太郎・盛 伸行・田村圭司

<抄録> 詳細な現地調査に基づきモデルの入力条件を設定し、水文過程は定常状態を仮定した簡易な物理モデルを用い、表層崩壊に起因する土石流の発生危険度評価する手法を検討し、その有効性を確認した。この検討結果に基づき、表層崩壊に起因する土石流危険度評価手法を提案した。

<キーワード> 表層崩壊、土石流、土層厚、水文観測、物理モデル

【報文】 非破壊・微破壊試験によるコンクリート構造物の品質検査方法の検討

森濱和正

<抄録> 非破壊・微破壊試験による新設コンクリート構造物の検査方法の確立を目的に共同研究を行なった結果を報告する。報告内容は、研究全体の概要と、土研が主体となって実施したレーダによるかぶり厚さ測定、小径コアによる強度試験に関する研究成果の概要をとりまとめている。

<キーワード> コンクリート構造物、非破壊検査、かぶり厚さ、レーダ法、コンクリート強度、小径コア

【報文】 震災を受けた道路橋の応急復旧工法の提案と振動台加震実験による性能検証

堺 淳一・運上茂樹

<抄録> 震災を受けた橋梁構造物の機能回復を迅速かつ合理的に図るための応急復旧技術を開発するために,柱基部で曲げ破壊する鉄筋コンクリート橋脚を対象として,被災後の余震の影響を調べるとともに,即効性のある応急復旧工法を提案し,その効果を検証するための振動台加震実験を行った。

<キーワード> RC橋脚、震災、余震、応急復旧工法、振動台加震実験

【報文】 下水管に起因する道路陥没の特性と予防保全に向けた取り組み

福田康雄・松宮洋介・深谷 渉・西尾称英

<抄録> 近年、下水管起因の道路陥没が発生している。本研究は、実態調査により陥没特性を把握し、予防保全に向けた調査・改築等の優先度決定手法を検討している。本稿では、陥没発生頻度と経過年数が指数関数的になると把握できた。今後、「陥没による社会的影響」を定量的に把握することで、手法の確立が可能になると考えている。

<キーワード> 下水管、道路陥没、改築、予防保全、優先度決定手法

【報文】 富山県下新川海岸における海岸保全と平成20年高波災害

福濱方哉・奥澤清勝

<抄録> 平成20年2月24日に富山県下新川海岸において発生した高波災害をふまえ、下新川海岸の特性と実施されている海岸保全事業、来襲した高波の特徴、高波に対する海岸保全施設の効果、高波による海岸保全施設の被災と復旧、今後の海岸保全の方向について報告する。

<キーワード> 富山県下新川海岸、平成20年 高波災害、寄り回り波、海岸保全、海岸侵食

【土研センター】日韓ジオテキスタイル補強土工法技術交流会開催報告

中根 淳、間 昭徳

<抄録> 土木研究センター・ジオテキスタイル補強土工法普及委員会は、隣国である韓国の技術者と、互いの情報交換を行いながら、双方が抱える技術検討課題について議論し合える、日韓ジオテキスタイル補強土工法技術交流会を2004年から3回実施してきた。本報告は、これまでの技術交流会における技術発表会の内容と、ジオテキスタイルを用いた工事現場の視察状況について整理したものである。

<キーワード> 日韓技術交流会、ジオテキスタイル補強土工法、現地視察


平成20年10月 報文抄録

【特集報文】 ダム貯水池排砂技術の開発

櫻井寿之・箱石憲昭・泉谷隆志

<抄録> 水系を流下する土砂の連続性を確保し、河床の環境問題の改善やダムの堆砂を軽減するため、ダム貯水池からの排砂技術が求められている。そこで、土木研究所では比較的少量の土砂を制御しながら経済的に排出する新しい技術の開発を行っており、その概要と開発状況を報告する。

<キーワード> 貯水池堆砂、土砂供給、排砂技術、シート排砂、エアーバルブ排砂

【特集報文】 ダム下流河川の土砂動態数値シミュレーション

吉川泰弘・渡邊康玄・安田浩保・島田友典

<抄録> 中流域にダムが存在する河川において、水系一貫した土砂輸送を維持するためのダムからの土砂放流を行う場合には、放流に伴う土砂の挙動を事前に予測しておくことが求められる。本報告では、準2次元非定常解析に基づく混合粒径河床変動計算モデルの適用事例について報告し、本計算モデルにおいて、上流端の土砂供給、下層の河床材料、河岸崩落、空隙率を適切に考慮することの重要性を示した。また、出水中の河床材料の経時変化を交換層の平均粒径を指標として可視化を行い、出水中の交換層(表層)の洗掘および堆積の経時変化の把握が可能性であることを示した。

<キーワード> 河床変動計算、ダム下流、河床材料、SS、栄養塩類、沙流川

【特集報文】 流水型ダムの放流口規模の解析的検討

佐々木晋・岩下友也・山口嘉一・黒目 剛

<抄録> 近年、利水の需要低下もあり、洪水調節専用目的のダムの計画が増加しつつある。このようなダムでは、ダムの放流設備を河床標高付近に設置し、洪水時以外は自然な河川の流れのままとする型式として計画される。本稿では、ダム堤体の河床標高付近に設置される放流管の設置可能規模について解析的手法により検討を行った結果を報告する。

<キーワード> コンクリートダム、流水型ダム、放流管、3次元FEM解析、2次元FEM解析

【特集報文】 土砂供給量の変化が底生動物相に及ぼす影響
〜矢作第2ダム下流域の底生動物相の調査結果から〜

萱場祐一・皆川朋子

<抄録> 土砂供給量の変化が底生動物相に及ぼす影響について、土砂供給が遮断されているダム下流、支川合流によって土砂供給量が増加する支川合流後、及び支川の底質、掃流砂等の環境要因、底生動物相を比較することにより示した。矢作第2ダム下流では、土砂供給の遮断によって砂、小礫の抜けおち、巨礫の割合の増加(粗粒化)が生じ、大きな礫に生息するタクサが優占したが、支川合流後は、支川から供給された土砂によって底質の改善と底生動物相が回復する傾向がみられた。

<キーワード> 土砂供給、粗粒化、河床材料、ダム、底生動物

【特集報文】河口域における海浜変形評価手法

山田浩次

<抄録> 海岸侵食の根本的対策として、総合土砂管理の取り組みが有効であるが、その前提として河川から海に流出した土砂のうち、どれくらいの量がどのくらいの速度で海岸に供給されていくのかを把握することが必要である。本研究では、洪水による砂州フラッシュ時に形成される河口テラスの発達と消失、さらには砂州の復元過程を、粒径を考慮して予測するモデルを開発する。

<キーワード> 海浜変形、等深線変化モデル、河口テラス、河口砂州、フラッシュ

【特集報文】宮崎県鰐塚山崩壊の流出土砂モニタリング

水野秀明・稲村貴志・小山内信智

<抄録> 大規模な崩壊後の流出土砂量の経年的な変化を把握するため、宮崎県宮崎市田野を流れる別府田野川において流出土砂の観測を実施した。現時点までの計測結果を分析すると、流出土砂量は経年的に減少傾向にあると推定できた。

<キーワード> 別府田野川、鰐塚山、大規模崩壊、土砂移動モニタリング、監視

【特集報文】美和ダム恒久堆砂対策の概要と効果

鈴木 勝

<抄録> 日本国内の多目的ダムでは初の恒久堆砂対策施設である洪水バイパス施設(排砂バイパス)について、その概要と平成17年に施設完成後の試験運用結果について、土砂収支、施設の機能、下流河川への影響についての調査モニタリングについての評価を報告する。

<キーワード> 貯水池堆砂、貯水池堆砂対策、土砂バイパス、ウォッシュロード

【報文】 平成20年岩手・宮城内陸地震によって発生した土砂災害の特徴

国土交通省 国土技術政策総合研究所 危機管理技術研究センター
独立行政法人土木研究所つくば中央研究所土砂管理研究グループ

<抄録> 平成20年6月14日に発生した最大震度6強の地震は、岩手・宮城県境付近を中心に多くの山腹崩壊等の土砂災害が発生した。このため、国土技術政策総合研究所危機管理技術センター及び土木研究所土砂管理研究グループが現地調査等を行ったのでその概要を報告する。

<キーワード> 平成20年度岩手・宮城内陸地震、災害調査、土砂災害、天然ダム、地すべり、土石流

【報文】 「公共事業コスト構造改善プログラム」の策定

佐近裕之・中津井邦喜・駒田達広

<抄録> 平成20年3月31日に標記「公共事業コスト構造改善プログラム」の策定が行われた。当報文では、これまでのコスト縮減政策の流れと、当改善プログラムの位置づけ、また、その主要施策の概要とフォローアップ方法について紹介するものである。

<キーワード> コスト縮減、コスト構造改善、工事コスト

【土研センター】河口部での土砂移動を安倍川河口に見る

宇多高明、石川仁憲

<抄録> 静岡県の急流河川である安倍川を具体例として、その実態を明らかにしつつ地形変化予測モデルの背景について概念的整理を試みる。

<キーワード> 安倍川、土砂移動、底質粒径、海浜縦断形、平衡勾配


平成20年11月 報文抄録

【報文】 信号交差点近傍における交通騒音の予測手法の検討

吉永弘志・山本裕一郎・並河良治

<抄録> 信号交差点近傍における道路交通騒音について、実務的な予測計算方法を検討した。車両ごとの減速、停止、加速の騒音エネルギーを合成する準精密法および交差点近傍を定常走行区間と非定常走行区間に分け各区間から到来する騒音エネルギーを合成する簡便法1の2種類の計算法を新たに提案した。

<キーワード> 信号交差点、道路交通騒音、パワーレベル、ユニットパターン、定常走行、非定常走行、等価騒音レベル

【報文】 道路トンネルの換気施設設計に用いる諸定数

石村利明・真下英人・角湯克典

<抄録> 本研究は、供用中の道路トンネルにおける実態調査により自動車の排出量の推移を把握するとともに、排出ガス規制を考慮した今後の排出量の予測を行い、換気施設の設計に用いる自動車1台あたりの排出量を検討した。また、近年の排出ガス規制車を対象に台上試験を実施し、各排出ガス規制適合車の割合を考慮した速度勾配補正係数の検討を行った。

<キーワード> トンネル換気、実態調査、台上試験、煤煙排出量、速度勾配補正係数

【報文】 道路橋桁端部における腐食環境の評価と改善方法に関する検討

田中良樹・村越 潤

<抄録> 道路橋桁端部の腐食環境を定量的に把握する試みとして、路面からの排水や桁端部における堆積土中の塩化物イオン量を測定した。また、堆積土中塩化物イオンのコンクリートへの浸透について室内試験を実施した。本文ではそれらの結果を示すとともに、桁端部の腐食環境改善に向けた検討例を紹介する。

<キーワード> 腐食、塩害、土中塩分量、凍結防止剤、簡易排水装置

【報文】 能登半島地震による能登有料道路の被災と復旧

松田洋一郎

<抄録> 平成19年3月25日に発生した能登半島地震により大きな被害を受けた能登半島地域の大動脈「能登有料道路」の被災概要、応急復旧、本復旧について報告するとともに、創造的復興に向けての取り組みを報告する。

<キーワード> 能登半島地震、能登有料道路、盛土部大崩壊、ジオテキスタイル、創造的復興

【報文】 津波及び高潮の橋梁への影響に関する水路実験

杉本 健・薄井稔弘・運上茂樹

<抄録> 津波及び高潮による橋梁の流失被害メカニズムを解明するため、実際の津波及び高潮による被災橋梁を対象に橋梁模型を製作し水路実験を実施した。実験の結果、津波又は高潮による高波が衝突したときに橋梁に作用する外力の特性を把握するとともに、外力と被災状況との関係を整理した。

<キーワード> 津波、高潮、抗力、揚力、橋梁被害

【報文】 雨水浸透施設の浸透能力経年変化

遠藤 淳・田本典秀

<抄録> 雨水浸透施設の浸透能力経年変化については不明な点が多く、施設導入が進まない一因となっていることから、大都市を対象に、既存調査データの収集・分析を行った。その結果、データは大きくばらつくものの、浸透能力の低下傾向を把握するとともに、維持管理(清掃)の重要性が指摘された。

<キーワード> 雨水浸透施設、経年変化、維持管理、下水道

【報文】 河川ポンプ設備の経済性と信頼性を考慮したマネジメント手法

田中義光・山元 弘

<抄録> 河川ポンプ設備の老朽化に伴い、信頼性の確保と増大する維持管理費の縮減が大きな課題になっている。本研究は、これまでの点検や修理に関するデータを基に、河川ポンプ設備の信頼性と経済性を解析し、その結果を合理的に維持管理手法へ反映させる手法を提案するものである。

<キーワード> ポンプ設備、FMEA、FTA、信頼性、維持管理

【報文】 氾濫原の冠水パターンの変化とその生態的な影響
〜淡水性二枚貝の生息状況の観点から〜

根岸淳二郎・萱場祐一・佐川志朗

<抄録> 氾濫原水域に依存するイシガイ類を指標として、氾濫原生態系の変遷とその要因について分析した。木曽川中流域に見られるワンドやたまりでは、洪水頻度によりイシガイ類の生息状況が規定されていた。また、河床低下が大きな原因のひとつとなり、イシガイ類の生息適地は過去45年の間に約60%減少していることが示された。

<キーワード> 河床低下、氾濫パターン、淡水二枚貝、生息場所保全、河川管理

【土研センター】ワッペン式暴露試験によるニッケル系高耐候性鋼の適用性評価

安波博道、金井浩一、中島和俊

<抄録> 海水流路上に建設される瀬戸中央橋を対象として、建設地点近傍において本橋梁の腐食環境を模擬した百葉箱内でのワッペン式暴露試験を実施し、ニッケル系高耐候性鋼の適用性を評価した。

<キーワード> 橋梁、ワッペン式暴露試験、ニッケル系高耐候性鋼、腐食減耗量


平成20年12月 報文抄録

【特集報文】 水関連災害の防止 軽減に関する国際的な潮流とICHARMの役割

三宅且仁

<抄録> 水問題に関して国際的な潮流となっている統合水管理(IWRM)のコンセプトのもとでの洪水管理(統合的な洪水管理:IFM)の進展、また国際機関が連携したそれへの取り組みとICHARMとして可能な今後の取り組みについて概説する。

<キーワード> 水災害防止・軽減、国際貢献、統合水管理(IWRM)、統合的な洪水管理(IFM)、国際洪水イニシアティブ

【特集報文】 発展途上国向け治水技術の移転方策 〜土石流減勢工を例として〜

吉谷純一・野呂智之・渡辺正幸・Adikari Yoganath・Ali Chavoshian

<抄録> 日本で開発されたものの広く普及するに至らなかった土石流減勢工について、発展途上国では有望な技術であることを紹介すると共に、低建設費用や維持管理の容易さ等から設置適地の基準作成が普及のための最も重要な課題であることを示した

<キーワード> 土石流減勢工、焼岳、維持管理、技術基準

特集報文】 地上水文情報が十分でない流域における衛星雨量情報を活用した洪水予測システムの開発と普及

深見和彦・杉浦友宣・馬籠 純

<抄録> ICHARMでは、地上水文情報が十分に確保できない発展途上国等の河川流域においても、効率的に洪水予警報システムの構築が可能となるよう人工衛星によって観測された雨量情報を利用した基盤的なシステム(IFAS)を民間企業との共同研究により開発した。本報では、その概要と普及活動について紹介する。

<キーワード> 衛星観測雨量、地上観測雨量、GIS、洪水予測、トレーニング

【特集報文】 課題解決能力の向上のための研修活動

田中茂信・栗林大輔

<抄録> ICHARMでは、「洪水ハザードマップ作成研修」・「修士課程 防災政策プログラム 水災害リスクマネジメントコース」・「UN/ISDR総合津波防災研修」・「総合的な河川及びダム管理研修」の4つの研修の企画・運営に係わっており、組織としての対応能力向上を目的とした『課題解決型研修』を実施している。

<キーワード> 水災害、途上国、研修、課題解決型、フォローアップ

特集報文】 石狩川の発展過程の分析に基づくアジアモンスーン地域の洪水氾濫原管理へのアプローチ

吉井厚志・平井康幸

<抄録> 石狩川の氾濫原の発展過程と治水対策、農業基盤整備について概観し、空間的な議論の必要性を強調し、流域の安全性や環境保全の可能性を水辺緩衝空間という考え方で表すことを提案した。そして、この氾濫原管理の議論をアジア各国の沖積平野にも適用すべく、マレイシアにおける共同研究を提案している。

<キーワード> 石狩川、氾濫原管理、水辺緩衝空間、共同研究

【特集報文】 メコン河委員会の現状

國枝達郎

<抄録> 近年、急激な成長を遂げているメコン地域において、メコン河の水力発電開発を中心にメコン河委員会をとりまく状況について報告する。併せて、2008年8月にビエンチャンで発生したメコン河の洪水についても記述する。

<キーワード> メコン河委員会、水力発電、流域開発計画、熱帯低気圧Kammuri

【特集報文】 アジア開発銀行の水関連災害への取り組み

小林嘉章

<抄録> 水関連災害(特に洪水)対策のための、アジア開発銀行の政策、融資・無償事業、技術協力、日本の機関(水資源機構、日本水フォーラム、ICHARM)との連携やそれらの機関が実施している活動(NARBO、世界水フォーラム、アジア・太平洋水フォーラム・サミット等)への参加、等について紹介している。

<キーワード> アジア開発銀行、水関連災害、洪水、Flood Management、Nonstructural Measures

【報文】 インドネシア国におけるバンジールバンダン災害対策支援

神野忠広・野呂智之

<抄録> インドネシアでは、近年バンジールバンダン(Banjir-Bandang)と呼ばれるフラッシュフラッド・土石流等に相当する災害現象が確認されている。この災害に対処するため、主に警戒避難体制の充実を目的とするJICAプロジェクトが今後はじまる。本稿では契機となった複数のバンジールバンダン災害事例とプロジェクトの内容を紹介する

<キーワード> インドネシア、バンジールバンダン、フラッシュフラッド、警戒避難体制、JICA

【土研センター】 我が国における木製車両用防護柵の開発状況

安藤和彦

<抄録> 道路の路側や歩道と車道の境界に設置されるガードレール等の車両用防護柵について、ビームに木材を用いた防護柵が利用されるようになってきている。ここでは、木製防護柵の開発状況や構造について整理するとともに、木製防護柵を普及させるための課題について報告する。

木製車両用防護柵

<キーワード> 車両用防護柵、木製防護柵、開発状況、課題