(財)土木研究センター/刊行物/月刊誌土木技術資料抄録/平成16年
 
平成16年1月 報文抄録

【論説・企画趣旨】循環型社会における建設リサイクルの役割と技術開発の動向

三木博史

【報 文】建設発生土等の有効利用に関する行動計画 

前内永敷

<抄録> 国土交通省は、「建設発生土等の有効利用に関する行動計画」を平成15年10月3日付けで策定し、関係機関に通知した。この行動計画は、建設発生土等の不適正処理の問題も合めた有効利用に関する課題について、国土交通省における基本的な考え方、目標、目標を達成するための具体的な施策等をとりまとめたものである。本報では、この行動計画の策定の経緯と内容について紹介した。

<キーワード> 建設発生土、有効利用、公共工事土量調査、指定処分、工事間利用

【報 文】建設発生土リサイクル技術の適用用途拡大と技術向上の取り組み

森 啓年・古本一司・大野真希・小橋秀俊

<抄録> 土木研究所材料地盤研究グループ土質チームでは、「建設リサイクル推進計画97」以前より、利用が特に進まない低品質土の改良技術として、民間との共同研究による「ハイグレードソイル(混合補強土)」の取り組みを進め、建設発生土の有効利用率の向上を図っている。また、平成14年度からは本技術の普及と設計・施工に係わる技術資料の整備や改良・改善と用途拡大のための技術開発、本技術に係わる工業所有権の運営管理業務支援などを図る組織として「ハイグレードソイル研究コンソーシアム」が設立された。本報文では、ハイグレードソイルの近年の現場適用事例を紹介するとともに、新たな適用用途などの技術開発の成果について報告を行う。

<キーワード> 建設発生土、リサイクル、ハイグレードソイル、混合補強土

【報 文】建設汚泥リサイクルの現状とその取り組みについて

大下武志・提 祥一

<抄録> はじめに、建設汚泥のリサイクルに関しては、平成11年11月に「建設汚泥リサイクル指針」を刊行し、リサイクル率の向上に向け取り組んでいるものの、現状においてリサイクル率41%(平成12年度調査時点)と他の副産物に比べ低迷している状況にある。本稿は、指針の概要及び、技術開発の試み(高圧薄層脱水システムの開発)を紹介するとともに、現在又は、今後の取り組みとして、指針の改定を視野に入れた現状調査や新たなリサイクルの仕組みづくり、さらに阻害要因に応じた技術開発等の検討等の状況を報告する。

<キーワード> 建設汚泥、リサイクル、建設汚泥リサイクル指針、高圧薄層脱水システム、アンケート調査

【報 文】 コンクリート解体材のリサイクルの現状と課題

片平 博・河野広隆

<抄録> コンクリート解体材は、現在その大半が舗装の路盤材として再利用されている。循環型社会の実現にはコンクリート用骨材としての再利用も望まれるが、その実現には多くの課題が存在し、多くの研究もなされている。ここでは、これらの現状について報告するとともに、土木研究所で現在行っている再生骨材の品質と凍結融解耐久性との関連性についての研究も紹介する。

<キーワード> コンクリート解体材、リサイクル、再生骨材、凍結融解耐久性

【報 文】改質アスファルトのリサイクル技術に関する検討

新田払之・伊藤正秀

<抄録> 舗装に用いられる改質アスファルトの使用量が増加しているが、リサイクル方法についてはまだ確立しておらず、技術的課題となっている。そこで、本報では、改質アスファルトのリサイクル上の課題を整理した上で、再生骨材の性状把握に関する課題、排水性舗装の再生に関する課題について土木研究所で行った検討結果について報告した。

<キーワード> 舗装、改質アスファルト、リサイクル、再生骨材、排水性舗装

【報 文】 建設発生木材リサイクル実態調査と木材リサイクル促進方策について

大下武志・井谷雅司

<抄録> 建設発生木材のリサイクル率は38%(熱源利用含み83%)(平成12年建設副産物実態調査(センサス))と低迷しているのが現状であり、リサイクル率の向上が求められている。
 建設発生木材の不要物は、建設リサイクル法で特定建設資材廃築物として定められているが、ダイオキシン規制の強化等により、リサイクル材である燃料チップの需要が減退し、また処分方法として野焼きも制限されていることや、最終処分場不足等から、その行き場を失いつつあり、リサイクルが重要な課題となっているところである。そのためリサイクル方策の立案にあたっては、建設発生木材の排出等の実態について詳細に把握する必要があり、全国の土木工事を対象とした建設発生木材の種類別の排出・リサイクル状況や再資源化施設に関する実態調査を行ったものである。

<キーワード> 建設副産物、建設発生木材、リサイクル

【報 文】木質系廃棄物の爆砕による下水汚泥との混合・メタン発酵技術

落 修一,南山瑞彦・長沢英和・鈴木 譲・越智 祟

<抄録> 木質系廃棄物の資源化に寄与するために、木質を爆砕(蒸煮爆砕)処理したものと下水汚泥とを混合メタン発酵する実験を行った。その結果、爆砕した木質は容易にメタン発酵に資せるものであり、爆砕物を下水処理場の既設の嫌気性消化槽に導入するだけで有用なメタンガスが効果的に生産できることが判明した。

<キーワード> 木質材、爆砕、蒸煮爆砕、下水汚泥、メタン発酵

【報 文】 他産業リサイクル材の利用技術に関する研究

冨山禎仁・明嵐政司・萩原良二

<抄録> 他産業リサイクル材評価・利用技術マニェアル」の策定に向け、国、公団、都道府県等へのアンケートを実施し、各他産業リサイクル材の利用実績等について調査した。これらの結果に加え、技術の熱成度合いや環境安全性等も考慮し、リサイクル材・用途ごとに土木建設資材としての適用性を評価した。

<キーワード> 他産業リサイクル材、利用技術マニュアル、環境安全性、物理化学特性、適用性


平成16年2月 報文抄録

【論説・企画趣旨】土砂災害の現状と研究動向

西本晴男

【報 文】 噴火から2年が経過した三宅島における降雨流出・土砂流出の実態

山越隆雄・土井康弘・小山内信智

<抄録> 2000年噴火の後2年が経過した三宅島において降雨流出観測および渓流調査を行った結果以下のことが明らかになった。火山灰堆積厚が15cm以上の斜面では、植生被告が著しく、今もなお強雨に対して高い流出率で発生している。植生の被害状況が流出特性に深く関っている可能性がある。また、渓流の中には、降雨流出応答が遅く、特異な形態で上砂が流出している渓流がある。そのような渓流の渓床にはスコリアが堆積しており、これが流出の遅れをもたらし、特異な土砂流出の原因となっていると考えられる。

<キーワード> 三宅島、火山灰、スコリア、降雨流出、土砂流出

【報 文】沖縄島における赤土砂生産のメカニズムの解明と生産モデルの開発

桜井 亘・小山内信智・南 哲行・山田 孝

<抄録> 本報では、微細土砂(赤土砂)の流出により、深刻な社会・環境問題が生じている沖縄地方において、現地観測により、微細土砂の生産実態を把握し、その結果と人工降雨実験や模型実験により、微細土砂の生産機構を解明するとともに、微細土砂生産量の数値解析モデルを提案した。

<キーワード> 微細土砂、微細土砂流出予測手法、過飽和層、地被状態、二次元河床変動計算

【報 文】地すベリ地における現場透水試験結果の浸透流解析への適用性

檀上裕司・石井靖雄・藤澤和範・小山内信智

<抄録> 地すべり地における浸透流解析への現場透水試験結果の適用性を検討するため、現場での各種透水試験により求めた飽和透水係数と、観測地下水位を用いた浸透流解析により逆算した飽和透水係数を比較した。その結果、調査を実施した地すべり地においては、注水法による単孔式透水試験よりも揚水法による単孔式透水試験およびトレーサー試験が浸透流解析への適用性が高い結果を得ることが明らかとなった。

<キーワード> 地すベり、浸透流解析、飽和透水係数、現場透水試験

【報 文】 3Dレーザースキャナーによる地すベリ移動計測における誤差に関する検討

浅井健―・淺野広樹・藤澤和範・小山内信智

<抄録> 3Dレーザースキャナは迅速な三次元地形計測が可能なため、地すべりの移動量計測、滑動状況の面的把握に有望である。本報では、3Dレ―ザースキャナによる地すべり変位計測における誤差の原因とそれに対する対応策について検討を行った結果を報告する。

<キーワード> 地すべり、三次元地形計測、移動計測、3Dレーザースキャナ

【報 文】 光ファイバセンサの地すべり挙動調査への応用

丸山清輝・吉田克美・武士俊也

<抄録> 光ファイバセンサは、従来の電気式センサに比べて雷落による電磁誘導の影響を受けないことや、線的・面的な設置が可能であることから広域エリアを効率的に調査できるという利点がある。本報では、これらの利点を持つ光ファイバセンサを、積雪地域の地すべり挙動調査に応用するための現地試験を実施したので紹介する。

<キーワード> 地すべり、挙動調査、光ファイバセンサ

【報 文】 雪崩発生斜面における冬期の雪崩発生状況

秋山一弥・武士俊也

<抄録> 雪崩発生予測には、発生区に近い箇所での気象、積雪、雪崩発生情報が必要であるが、厳冬期にこれらが同時に得られる場所は非常に限定され、多くの推測をせざるを得ないのが現状である。また、雪崩は災害が発生した場合に初めて認識されることが多いため、雪崩発生斜面での毎冬の状況が把握されておらず、最近では暖冬傾向にあり、顕著な雪崩災害は減少している中で、雪崩形態の変化や多雪年での発生頻度等についても不明点が多い。このため、新潟試験所では過去に災害のあった新潟県能生町において、2000年度に雪崩の総合観測施設を整備し、毎冬の雪崩発生状況について継統観測を開始した。また、白馬村においても観測を行っている。本稿では、これらの観測データをもとに、気象状況、発生形態、発生原因等の研究成果について報告する。

<キーワード> 雪崩動態観測、雪崩形態、乾雪表層雪崩

【報 文】 流砂系を一貫して扱う地形変化推定モデルの開発と安倍川流砂系への適用

福嶋 彩・水野秀明・寺田秀樹

<抄録> 流砂系一貫として地形の変化を推定できる手法の開発が必要であることから、河床変動計算、等深線変化モデルを組合わせて流砂系一貫とした数値計算モデルを開発し、本モデルを安倍川、静岡 ・清水海岸に適用してその再現精度を検証した。

<キーワード> 流砂系、地形変化、土砂移動、河床変動計算、等深線変化モデル

【報 文】 下水汚泥の焼却にともなうAsおよびSeの挙動に関する実態調査

森田弘昭

<抄録> 本研究は、下水汚泥焼却灰中のAs,Se含有量を制御する方法を見出し、下水汚泥の有効利用を促進することを目的に行ったもので、わが国で広く普及している流動床炉を対象に、汚泥処理プロセス、灰捕集装置などが異なる処理場において、実態調査を行い、焼却過程におけるSeの挙助は、脱水時の助剤と灰捕集温度の影響が大きい等の知見を得た。

<キーワード> 汚泥処理プロセス、下水汚泥、焼却、セレン、ヒ素

【報 文】 極小移動床模型「マイクロモデル」による信玄堤の治水機能の考察合意形成ツールとしての国内での活用に向けて

和田一範

<抄録> マイクロモデルは、数千分〜数万分の1の縮尺の極小河川モデルであり、米国工兵隊は、河川事業の住民説明、他分野の研究者との協議における合意形成ツールとして用いている。本報告は、信玄堤周辺の歴史的治水施設の技術的評価を例に、国内河川でのマイクロモデルの活用とその可能性について検討した。

<キーワード> マイクロモデル、合意形成、模型実験、信玄堤、河川教育


平成16年3月 報文抄録

【論説・企画趣旨】ニーズとシーズの出会い

西川和廣

【報 文】 流砂系における土砂移動実態に関する研究

池田武司

<抄録> 本研究では自吸式ポンを用いた浮遊砂採取装置、金網式掃流砂採取器等を開発し、モデル流砂系で流砂量を観測した。その結果、例えば安倍川では、海への流出土砂量のうち2/3程度が河口の底質材料の主な粒径成分であることが分かつた。また、安倍川の過去20年間の地形変化を再現したところ、その傾向が概ね再現できた。

<キーワード> 流砂系、観測機器、土砂移動モニタリング、土砂移動実態、土砂移動追跡モデル

【報 文】幹線道路における交通安全対策に関する研究

池田武司

<抄録> 交通安全に関する成果目標と達成のために講じる施策を記述した業績計画書について報告するとともに、個別の交通安全対策事業、事故多発地点対策事業の結果得られた知見を踏まえて、今後の交通安全対策の進め方、交通安全目標達成の道筋について論じた。

<キーワード> 交通安全対策、事故危険箇所対策、業績計画書、事故対策評価マニュアル、幹線道路

【報 文】災害時における情報提供手法について

江州秀人

<抄録> 本研究は昨年、今年の二箇年に亘って行ったものである。昨年度は、主に情報提供者の立場から、防災情報提供を行う各メディアの分析やウェブサイトをはじめとする様々な提供手法の検討を行った。今年度は、新たにユーザビリテイという視点を導入し、この視点から防災情報提供のあり方を論じた後、住民の視点から見て、どのような提供手法があり得るかについて検討し、新技術を用いた防災情報提供システムを提案した。

<キーワード> 災害、防災情報、ユーザビリティ、地上波デジタル放送、CG

【報 文】工事の実施による大気環境に係わる環境影響評価に関する研究

吉永弘志

<抄録> 環境影響評価法に対応した「工事の実施」による環境影響評価について予測用データの合理的な収集方法と環境保全措置の定量評価について検討した。予測用データの充実は予測精度を確保するために重要であることを確認するとともにデータ収集方法の改善案を提案した。また、環境保全措置として低騒音型建設機械の使用やダンプトラックの速度制限の効果等を確認した。

<キーワード> 環境影響評価、工事の実施、建設施工、大気環境、騒音、振動、粉じん

【報 文】電子納品情報を活用した業務改善に関する研究の概要

奥谷 正・有冨孝一

<抄録> 本研究は平成14年度〜平成16年度の3ヵ年で国土技術研究会指定課題として実施する、電子納品情報を活用した国土交通行政の業務改善の研究である。平成14年度は、日常業務の問題点、また現在実施されているCALS/EC、電子納品の問題点を明確にし、平成15年度は問題点を改善するための具体的な取り組み事例を中心とした研究を実施した。

<キーワード> CALS/EC、電子納品、情報共有、業務改善、基準の見直し

【報 文】河床変動の特性把握と予測に関する研究

日下部隆昭

<抄録> 研究2年目にあたる今年度は、河床変動についての分類、課題の抽出および予測手法の検討結果に基づき、河床変動の特性把握と予測手法の確立を目指した。特に洪水中の河床変動について、実際に洪水中の河床変動を測定した事例は極めて少ないため、洪水中の河床変動モニタリングについて充実を図った。

<キーワード> 河床変動、モニタリング、砂面計、特性把握、予測計算

【報 文】 漂砂系における流砂量モニタリングに関する調査

山本幸次

<抄録> 「流砂系の総合的な土砂管理」のもとで、改正「海岸法」の理念の実現に向けた海岸保全を推進するために、国土交通省国土技術研究会の指定課題として「漂砂系における流砂量モニタリングに関する調査」を行っている。本報では各漂砂系において平成15年に行った調査結果の概要を紹介する。

<キーワード> 漂砂系、流砂量、河口域、土砂動態、モニタリング

【報 文】 ITS技術を活用した道路管理の効率化

喜安和秀

<抄録> これまで技術的に困難であった道路管理に必要な情報収集が、ITの活用により実現しつつある。また、近年の光ファイバ綱の整備促進で、各道路管理者での情報共有による面的な道路管理が可能になりつつある。本稿では、道路管理の効率化の観点から情報の活用について検討し、その効果の評価結果を報告する。

<キーワード> ITS、道路管理、効率化、CCTV、センサ、AHS

【報 文】河川事業における環境影響分析手法の高度化に関する研究

萱場祐―・大石哲也

<抄録> 本研究は、河川事業を人為的インパクトと捉え、生態系へのインパクトを予測・評価する手法を確立しするため、平成14年度まで実施してきた事例研究をベースとしながら、環境影響分析方法の高度化に資する検討を行う。事業実施段階における影響を高い精度で予測する方法の開発が目標であり、本報は昨年度から行ってきた事例研究と今年度から新たに行う3つの個別課題研究についての概要を説明する。

<キーワード> インパクト、レスポンス、環境影響分析、捷水路、河床低下、ヨシ原

【報 文】汚泥中AsおよびSeの熱化学特性

森田弘昭

<抄録> 本研究は、下水汚泥焼却灰中のAs、Se合有量を制御する方法を見出し、下水汚泥の有効利用を促進することを目的に行ったもので、わが国で広く普及している流動床炉におけるAs、Seの気化および焼却灰等への移行について、その温度特性、共存物質の影響等に着目して校討を行い、焼却過程におけるSeの挙動は、脱水時の助剤と灰捕集温度の影響が大きいことなどの知見を得た。

<キーワード> 下水汚泥、温度特性、ヒ素、セレン

【報 文】ダイオキシン類底質対策に用いる簡易測定技術の適用可能性

八十島誠・小森行也・田中宏明

<抄録> 底質中ダイオキシン類対策に適用できる可能性のある簡易測定法の現況を整理し、実際の底質を用いて公定法と簡易測定法の双方で測定を実施した結果を整理した。公定法と簡易測定法の結果を比較すると、やや低いながら相関が認められる場合もあったが、TEFを持たない物質との交差反応が示唆されるなど課題があることも明らかとなった。

<キーワード> ダイオキシン類、底質、簡易測定技術


平成16年4月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 物流交通の諸問題とその取組の方向 

大西博文

<抄録> 日本の物流交通は効率が低く、交通渋滞や環境問題の原因になっている。この物流交通問題への取組として、物流拠点の整備や共同輸配送といった交通対策として扱うだけでなく、物流過程の上流にある商取引の段階、例えば送り込み型納品のようなサプライチェーンマネジメントによる在庫管理などに取り組むことが、効率的にこの問題に対処するには重要である。

<キーワード> 物流、貨物輸送、サプライチェーンマネジメント、生産者渡し価格、メニュープライシング

【報 文】 物流交通対策の現状と課題

河野辰男・長谷川金二

<抄録> 本稿では、物流交通問題の取り組み状況を体系的に整理し、国民や企業の視点から望まれている物流の形態とそれを実現するための課題・施策を示すとともに、物流交通対策の実施に際しての考え方と候補となる施策を示した。

<キーワード> 物流、物流システム、物流交通、物流対策

【報 文】 物流施設の整備計画プロセス

河野辰男・長谷川金二

<抄録> 本稿では、無秩序な物流施設の立地による周辺道路環境の悪化や都市内の荷捌き車両の路上駐車問題への対応策の具体化に向けて、道路管理者が積極的に取り組むべきと考える広域物流拠点と荷捌き駐車場の整備の枠組みと計画論について検討し、整備計画プロセスの提案を行った。

<キーワード> 物流、物流拠点、物流対策、荷捌き駐車場、路上荷捌き

【報 文】 鉄道貨物輸送の改善策と効果―インターモーダル輸送の推進に向けて一

・ 国権

<抄録> 社会経済に相応しい物流システムの形成に、鉄道・自動車の各モードの特性を考慮し、荷主ニーズに応じたインターモーダル貨物輸送システムの構築が必要である。そこで、結節点としての鉄道駅を如何に改良し整備するかが、鉄道の輸送効率に影響するだけでなく、他の輸送機関との協力及び協調にも影響する。本報告では、既存鉄道駅等のインフラによる鉄道貨物輸送の問題点を考察した上で、鉄道貨物輸送の各種改善策を分析した。それにより鉄道輸送と道路輸送との効率的連携が可能なインターモーダル貨物輸送システムの構築を鉄道貨物輸送の改善策として検討した。また、この改善策についての効果評価を試みた。

<キーワード> インターモーダルシステム、貨物輸送、駅施設の改良、輸送体系、効果分析

【報 文】 既存交通施設を活用した新たな物流システムの可能性

浜田誠也・横須賀達博

<抄録> 沿道環境の改善や交通の円滑化等に寄与する効率的な物流を実現するため、道路、鉄道等の既存の交通施設を活用した物流システムとして、東京湾岸地区における3連トレーラーによるコンテナ輸送及び、都市内における地下鉄を活用した宅配輸送について導入の可能性を評価した。

<キーワード> 物流システム、既存交通施設、地下鉄、宅配便、都市内物流

【報 文】 環境時代にふさわしい総合的な都市圏物流施策評価システムの開発

家田 仁・佐野可寸志

<抄録> 企業の行動原理を明示的に取り込んだ非集計ベースの物流政策評価システムを開発し、東京都市圏に適用した。環状道路や物流拠点の整備、時間帯別大型貨物車流入規制やロードプライシングが、物流行動に与える影響を分析し、貨物車交通量やNox排出量に与える影響を定量的に評価した。

<キーワード> 都市内物流、貨物車交通、マイクロシミュレーション、政策評価システム、環境評価

【報 文】 ITの進歩が物流に及ぼす影響

谷口栄一

<抄録> 本論文は、ITの進歩が物流に及ぼす影響について考察している。ITを活用することによって、配車配送計画や運行管理を高度化し、物流を効率化できる反面、e−コマースの普及によって、個別配送が増えることが予想される。このようを複雑な影響を評価するパフォーマンス指標、モデル化について述べる。

<キーワード> 物流、情報技術、e−コマース、パフォーマンス指標、シミュレーションモデル

【報 文】 コンクリート中の塩化物イオン濃度分布簡易分析シートを用いた塩害劣化予測の実用性検証

古賀裕久・河野広隆

<抄録> 塩害による鋼材腐食は、コンクリート構造物に与える影響が大きく、劣化が表面化する前に対策を検討する必要がある。本報では、土研ホームページで公開した「コンクリート中の塩化物イオン濃度分布簡易分析シート」を用いて、塩害の原因となるコンクリート中への塩化物イオン侵入の将来予測を行う方法の妥当性を検証した。

<キーワード> コンクリート構造物、塩害、将来予測、塩化物イオン、拡散係数

【報 文】 ナノろ過膜による下水処理水中の内分泌かく乱物質阻上

金 時浚・鈴木 穣

<抄録> 塩阻止率および膜素材の異なるNTR7410、NTR7450、NTR7250およびNTR729の4種のナノろ過膜を用い、下水処理水中の内分泌かく乱物質阻止を検討した。ナノろ過膜は逆浸透膜に比べ、低圧0.5MPa)操作により内分泌かく乱物質のような有害物質が阻止でき、透過フラックスの低下率が低いことから、下水処理水の水資源としての価値を高めるために、下水処理水再利用に適したナノろ過膜であると思われる。

<キーワード> 下水処理水、内分泌かく乱物賀、ナノろ過膜


平成16年5月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 「河川環境」に関する一考祭

佐合純造

【報 文】 「自然再生事業の進め方」

宮武晃司

<抄録> 自然再生事業が平成14年度に創設されたが、この事業による自然再生の取り組みが24の河川で進められている。いずれも取り組みは緒についたばかりで試行的段階である。このため、現段階で自然再生事業に関する計画や評価の方法について整理するとともに、いくつかの事例にスポットライトを当て、自然再生事業の進め方を考察する。

<キーワード> 自然再生、東境目標、住民参加、順応的管理、流域管理

【報 文】 河川環境評価における流域特性や河川地形からの視点と新技術の適用

天野邦彦・傳田正利・時岡利和・対馬孝治

<抄録> 河川生態系を保全するために把握すべき物理的な河川環境評価の視点として、(質移動の観点からは流域特性評価、∪限城の物理的環境や、流量変動の影響特性把握の観点からは河川地形評価や流動解析が重要な項目としてあげられる。本稿では、これらの河川環境評価を行うための新技術適用の試みについて千曲川を対象とした事例を紹介する。

<キーワード> 河川地形、GIS、流域特性評価、生息域、リモートセンシング

【報 文】 河川植生の生育場を評価するための現場調査方法とその適用

大石哲也・天野邦彦

<抄録> 本研究は、佐賀県の牛津川で、2002年9月に出水を経験し、現在、新たな自然環境が変遷しつつあり、出水時の河道の形成や植物の発達についてベルトトランセクト調査法により、河川に立地している植物の地理空間と生物空間の調査を行った。調査では、植生の発達が抑制された原因として、〆拯嚇攤修梁論僂ない河床表層に未風化の土丹の分布2肋欧頻繁に変動があげられたことや、河床高からの河川水位に対する比高差が植物の生育できる範囲を決める1つの要因である可能性が示された。

<キーワード> ベルトトランセクト、河川環境調査、植生、エコトープ

【報 文】 河川・水田地域の形態や歴史的変遷からみた魚類生息場の評価

野間優子・村岡敬子・大石哲也・天野邦彦

<抄録> 水田地域は魚類の生息 生育の場として重要な場であり、水田地域を再生産の場として一時的に利用する魚種も少なくない。近年の河川・水田地域における整備は水域ネットワークを分断させそこに生息する魚類等に大きな影響を与えている。本報文では、魚類の生息・生育場の視点から河川・水田地域の歴史的な変遷を整理すると共に、魚類の生息量・動向を用いて水域の連続性の重要性について明らかにした。

<キーワード> 水域ネットワーク、魚類生息環境、一時的水域、水田、氾濫原

【報 文】 水質からみた河川環境の評価一下水処理水放流後の水質環境と水生生物一

宮島 潔・ 田中宏明・東谷 忠・山下尚之・中田典秀

<抄録> 下水道の普及により都市部の河川においては、下水処理水の占める割合が大きくなっている。そのため、下水処理水の合流による水質の変化及び底性動物への影響について検討した。調査の結果、下水処理水の塩素消毒、放流先河川との水温差が底性動物の出現種、出現数に関係することが示唆された。

<キーワード> 下水処理水、水質、消毒、水温、底性動物

【報 文】 河川水辺の国勢調査を用いた全国河川の魚類相の評価

佐合純造

<抄録> 河川生態系を保全するために把握すべき物理的な河川環境評価の視点として、(質移動の観点からは流域特性評価、∪限域の物理的環境や、流量変動の影響特性把握の観点からは河川地形評価や流動解析が重要な項目としてあげられる。本稿では、これらの河川環境評価を行うための新技術適用の試みについて千曲川を対象とした事例を紹介する。

<キーワード> :河川地形、GIS、流域特性評価、生息域、リモートセンシング

【報 文】 トンネル建設工事における粉じん対策実験(中間報告)

大下武志・波田光敬・井谷雅司・尾花誠太郎

<抄録> トンネル建設工事によるじん肺症等の紡じん障害は重大な社会問題になっており,粉じん濃度レベル3 mg/m3を目標として作業環境の改善に努力している。このため土木研究所では,トンネル建設工事のコンクリート吹付け作業に着目し,実験施設を建設するとともに,官民で粉じん対策技術開発の共同研究を開始している。本稿では最新の粉じん対策技術および15年度に実施した粉じん抑制剤,液体急結剤,新方式吹付け,局所集じん等の実験結果の速報を紹介する。

<キーワード> :粉じん対策、コンクリート吹付け、NATM工法、局所集じん、急結剤

【報 文】 デジタル写真による鋼橋塗膜診断システムの開発

守屋 進・山崎 孝・遠藤正彦・志賀さおり

<抄録> 鋼橋塗膜のデジタル写真を画像処理して塗膜の劣化面積率を求め、塗膜の劣化程度を診断して塗替え時期の判定及び塗換え塗装仕様を選定する鋼橋塗膜診断システムを開発した。このシステムを適用することによって、鋼橋塗膜データベースが構築され、塗膜劣化程度に応じて合理的に塗普えを行うことができる。

<キーワード> デジタル写真、塗膜劣化程度、塗膜診断システム


平成16年6月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 環境に配慮した河道計画・設計

中村 昭・猪股 純

【報 文】 多摩川永田地区における“河原を維持する仕組み”復元の試み

服部 敦・福島雅紀・瀬崎智之・末次忠司

<抄録> 多摩川において、低水路の拡幅及び玉石の投入により河床を上昇させ、洪水撹乱が起こりやすくすることにより、自然環境の復元を図るプロジュクトを実施している。本報では、環境管理で目指すもの、将来的な川の姿の予測、プロジェクト実施による河床変動結果(GPS測量)について報告する。

<キーワード> 河原、修復、攪乱頻度、埴生の破壊、システム

【報 文】 環境保全型護岸ブロックの水理特性評価

川口広司・日下部隆昭・未次忠司

<抄録> 環境保全型ブロックの水理特性試験として連結・かみ合わせ効果を検討した。既往の作用・反作用力により護岸ブロックに作用するカを解析する方法により、連結・かみ合わせ効果を把握することが可能であること、上流端ブロックの転道めくれ破壊に対する連結・かみ合わせ効果は比較的大きいことがわかった。ただし、流体力の評価に課題を残した。今後、他の様々な環境保全型護岸の水理特性評価手法を検討し、環境に配慮した護岸の計画・設計の推進に寄与していく予定である。

<キーワード> 環境保全型ブロック、水理特性評価、連結・かみ合わせ効果、流体力、作用・反作用力

【報 文】 治水環境横能から見た水制の計画・設計

山本晃−

<抄録> 環境機能向上の観点から水制が多用されているが、被災している事例も多い。本報では水制の機能と設置目的を明確にし、自然堤防帯を流れる河川における河岸線防御水制と根固め水制の計画・設計の流れと考え方を解説している。そこでは必要な治水環境機能を確保するためのポイントが記されている。

<キーワード> 河岸線防御水制、根固め水制、計画・設計、河岸のランク付け、自然堤防帯

【報 文】 河川におけるハビタットの空間スケールと河道計画への利用

萱場祐−・天野邦彦

<抄録> 瀬・淵構造の空間スケールを河道内微地形測量結果から把握し,瀬・淵構造が水面幅程度のスケールで縦断方向に変化することを示した。また,直線河道において川幅水深比が増加すると縦断方向の流速と水深の分布域が拡大することを示し,河道計画の中でハビタットを合理的に扱う方法について,基本的な考え方を示した。

<キーワード> 河道計画,ハビタット,河川、瀬と淵,空間スケール

【報 文】 治水・環境のための草本管理

狩野晋−・五道仁実

<抄録> 治水・環境の調和の取れた草本管理に資するため、従来の粗度係数設定方法に用いられたデータに、その後の実験データやフィールド調査データを加え、倒伏状況、水深・草丈比、水面勾配と粗度係数の関係から、河道内での草本域の倒伏判定や粗度係数の推定方法を整理、提案するものである。

<キーワード> 草本管理、粗度係数、高茎草本、倒伏、水面勾配

【報 文】 環境に配慮した災害復旧工法の追跡調査

勝田隆治・森 伊佐男

<抄録> 環境に配慮した災害復旧工法について知見を集積するため、本省防災課・土木研究所、関係3団体、ならびに概ね6県ほどの参画県で構成する「環境に配慮した災害復旧工法検討委員会」を設立し、平成3年度より具体の災害復旧箇所をケーススタディとして、委員会形式で工法の検討を実施して来ている。その数は、平成15年度までに370ケース程の復旧工法を検討した。これに基づき施工された災害復旧箇所について追跡調査を行い、環境機能の特質の一端を把握したので、これまでの追跡調査結果について報告する。

<キーワード> 災害復旧工法検討委員会、地域における最適な災害復旧工法、新工法・新技術、復旧後の追跡調査、情報発信

【報 文】 防護柵連続基礎の設計方法に関する検討

安藤和彦・森 望

<抄録> 本論文では、これまで明確でなかったガードレールなどの車両用防護柵を設置するコンクリート製連続基礎の設計方法について、実際の衝突挙動に則した合理的な方法について検討し、提案を行った。また、具体の構造寸法を例示した。

<キーワード> 車両用防護柵、連続基礎、設計方法、衝突荷重、防護柵基準

平成16年7月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 環境とGIS

中村敏一

【報 文】 GIS、流域水物質循環モデルを活用した水政策検討

藤田光・伊藤弘之・小路剛志・安間智之

<抄録> 本研究では、現在構築中のGISをベースとした水物質循環モデルを使用して、流域の視点から見た霞ヶ浦の水質汚濁過程の理解や、水質改善施策の評価及びこれら施策の実施による実現可能な湖沼・流域再生像の提示を行った。さらに、この検討を通じて、政策検討におけるモデル活用の意義や留意点について論じた。

<キーワード> 水物質循環モデル、政策検討、水質汚濁過程、霞ヶ浦、流域再生、GIS

【報 文】 GISを活用した道路交通騒音の面的評価ツール

森 悌司

<抄録> 環境基準の改定に対応して、道路交通騒音を面的に評価するソールを開発した。その最も重要なデータである建物立地状況について東京都GISデータを活用するなど、簡便かつ現実的なツールとした。これにより、効率的な騒音対策の実施が期待される。

<キーワード> GIS、道路交通騒音、面的評価、環境基準、要請限度

【報 文】 国総研版騒音・振動シミュレーターGISと連携した希少猛禽類への建設事業影響予測評価システム

百瀬 浩・松永忠久・飯塚康雄・藤原宣夫

<抄録> 各種建設事業に伴い発生する騒音・振動が野生生物に与える影響を予測・評価するためのシステムとして、国総研版騒音・振動シミュレーターを開発した。このシステムは、工事の騒音・振動が周辺地域に伝搬する状況を計算して表示する無償のソフトウェアである。本システムにより、例えば事業計画区域内の猛禽類の営巣地付近における騒音・振動レベルを、事業の実施前に定量的かつ視党的に把握することができる。本稿では、このシステムの概要と活用法について述べる。

<キーワード> 環境影響評価、希少猛禽類、騒音・振動の予測計算、地理情報システム

【報 文】生態ネットワーク計画のためのGAP分析

飯塚康雄・佐伯 緑・藤原宣夫

<抄録> 生態ネットワーク計画の立案手法を確立するために、GIS (地型情報システム)を利用した効率的な方法を検討した。水戸市周辺を事例研究地としたGAP分析により、野生生物保護に対する現在の対策との隔たり(ギャップ)を把握し、今後のハビタットを保全・創出していくことが重要となる候補地を抽出することができた。

<キーワード> 生態ネットワーク計画、GAP分析、GIS、野生生物、ハビタット

【報 文】 新しい野生動物研究技術一MTSとGISの連携の可能性と今後の展開一

傳田正利・天野邦彦

<抄録> 河川環境の保全、特に野生動物のハビタット(生物生息空間)の保全には、野生動物の行動を追跡し、その生活に重要なハビタットを保全する必要がある。また、ハビタットと野生動物の行動の因果関係の把握には、GISを用いた空間統計が強力なツールとなる。
 野生動物の行動追跡の有効なツールとしては、テレメリ手法(野生動物に電波発信機を装着し行動を追跡する手法、以下テレメ)がある。しかしテレメは人力に頼る部分が多く、長期間の高精度調査には適切でないという大きな問題があった。土木研究所では、この問題を解決するため、MTS(マルチテレメトリシステム)を開発した。本報では、(1) MTSの実用性の検証、(2) MTSを用いて得られた河川改修時の野生動物の行動変化、(3) MTSとGISの連携等、今後の可能性について報告する。

<キーワード> テレメトリ、野生動物行動、河川改修工事、騒音、振動、GIS

【報 文】 河川水辺の国勢調査データのGIS化とデータセット

小川鶴蔵

<抄録> 国土交通省が平成2年度から継続実施している「河川水辺の国勢調査」の調査データについて、これを電子化、GIS化し、データの品質管理、履歴管理から公開に至る一連の流れをシステム化し「河川環境情報システム」が平成15年度末に完成した。本報告では、一連のシステム化の概要のうち、データの品質確保に関する部分を中心に報告する。

<キーワード> 水辺の国勢調査、GIS、河川環境、情報システム、データベース

【報 文】 大型車の振動特性が橋梁に及ぼす動的影響に関する調査

中洲啓太・石尾真理・玉越隆史・中谷昌―

<抄録> 近年、物流効率化の観点から、車両の大型化に対する要請が高まっている。これを受け、橋梁研究室は、大型貨物車を用いた走行試験等を行い、サスペンションの振動特性と橋梁各部に及はす動的影響の関係について、基礎的な特性およびその評価方法を明らかにした。そして、ISO規格の国際海上コンテナを搭載したセミトレーラを牽引するトラクタの駆動軸を対象として、軸重緩和の条件および認証試験方法を提示した。

<キーワード> 動的影響、大型車、エアサスベンション、振動

平成16年8月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 国土管理におけるGIS研究の現状と動向

川口真司

【報 文】 GISを用いた国土管理情報基盤の整備手法

青山憲明・奥谷 正

<抄録> 土マネジメントに関する情報の収集・作成には多大なコストが生じるために、整備のためのコストの重複投資を避けて、一度作成された情報はできるだけ多くの利用者が利用できるようにすることが望まれている。このため、特定のGISソフトに依存しないデータの整備方法と、国土管理基盤情報を相互流通、共有化とするための情報基盤や運用方法について、研究成果を報告する。

<キーワード> GIS、国土管理、情報基盤、標準化、データスキーマ

【報 文】 岐阜地区における国と地方自治体とのGISデータ共有・連携実証実験

青山憲明・奥谷 正

<抄録> 国・地方自治体や民間のGISデータを統合し、建設事業でGISデータの連帯活用効果を具 体的に検証する実験を中部地方整備局、岐阜県、大垣市の協力を得て岐阜県大垣地区で実施した。本報では実証実験の実施内容及びその評価と課題について報告する。

<キーワード> GIS、情報連携活用、内水氾濫、通行規制、ネットワーク

【報 文】 道路事業におけるGISデータの整備と利活用方法

関本義秀

<抄録> e-Japan重点計画やGISアクシヨンプログラムではGISの活用が重点政策として位置づけられているものの、国や地方自治体の日常業務での円滑な導入はそれほど進んでいない。従って本研究では一般に陥りがちなデータ整備、システム構築、業務への利活用など一連のフェイズを総合的にとらえ、問題点や有効に進めていくための手法などについて整理を行う。

<キーワード> データ利活用、データ整備、データ更新、データ運用

【報 文】 3次元地形・設計データを用いた情報化施工 ―丁張り、出来形計測を中心に―

有冨孝―・松岡謙介・奥谷 正

<抄録> 本論文では、平成13年より進めてきた当研究室における「情報化施工」の研究成果の概要をしめす。本研究により、3次元の地形、設計情報をXML形式等による電子情報を用いて交換し、情報化施工における適用の有効性を、丁張り・出来形計測を中心に実証実験で検証できた。
 また、3次元情報の標準化、3次元に対応した出来形管理基準の策定について、基本的概念を示すものである。

<キーワード> 情報化施工、 3次元、XML、丁張り、出来形

【報 文】道路維持管理の効率化のための情報基盤

白鳥一也・奥谷 正

<抄録> 本研究は道路維持管理の効率化とを目的として、道路管理データ活用システム(MICHIシステム)を活用し、GIS機能を利用したMICHIシステムと関連する動的データシステムとの連携手法についての調査、検討を行うものである。

<キーワード> 道路維持管理、GIS、情報システム、システム間のデータ連携

【報 文】 セメント系新堤体材CSGの材料特性に関する実験的考察

川崎秀明・平山大輔・服部 敦・佐藤耕治

<抄録> 新しい堤体材料として期待を集めているCSGは、無分級無洗浄の河床砂礫や掘削ズリなどに少量のセメントと水を混合して低コストを実現した材料である。本稿では、CSGの加工管理(温度条件、放置時間、減水混合)が、フレッシュ性状や圧縮強度などCSG特性に及ぼす影響について明らかにした。

<キーワード> CSG、微粒分、温度条件、放置時間、減水混合

【報 文】 造成アバットメントエによるダムの新しい端部処理

川崎秀明・平山大輔・吉岡英貴

<抄録> 地形地質的に恵まれないダムサイトが多い昨今、堤体端部の切土法面を大幅にかつ安全に縮小する手法として採用例が急増している造成アバットメントエを紹介し、設計法として整理と体系化を行った。

<キーワード> 端部処理、法面縮小、コスト縮減、造成アバットメント工

【報 文】 四万十川水質浄化実験プロジェクトの取り組みと成果

和田―範

<抄録> 論文は四万十川水質浄化実験プロジェクトとして実施された水質浄化の検証実験の総括であり、四万十川流域の小集落を対象として、高効率な水質浄化技術を開発することを目的として流域市町村に実験施設を設置して検証実験を行ったものの報告である。

<キーワード> 四万十川、水質浄化、実験、集落排水、清流

平成16年9月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 今後の社会資本整備を考える上での視点

中村俊行

【報 文】 今後の社会資本整備を取り巻く社会経済環境

川原俊太郎・中村俊行

<抄録> 今後の社会資本整備を取り巻く社会経済環境について、人口、経済、財政、くらし、環境、災害リスクそして社会資本ストック管理に分けて整理するとともに、社会資本整備の視点、重点として、人口減少に対応した地域構造の再編、産業の国際競争と分業への対応、財政事情の改善に資する成長の基盤整備、高齢者や女性の社会参加の支援等を提言する。

<キーワード> 人口構造、国際分業の進展、財政赤字と経済成長、多参画社会の形成、地球環境問題

【報 文】 新たな公共事業評価の視点〜事業リスクヘの対応と課題〜

山口真司・後藤忠博・荒井竜司・小林元彦

<抄録> 本稿では、事業評価の高度化のみならず、現場でのプロジェクト管理や地域とのコミュニケーション醸成のためにも必要となる不確実性を考慮した公共事業評価手法について、現状における課題を整理するとともに主に事業リスクの評価に着目することにより今後の事業評価の方向性について考察した。

<キーワード> 不確実性、リスク、事業評価、柔軟性、比較リスク

【報 文】 ユニットプライス型積算方式の構築・試行に向けた取り組み

溝口宏樹・梶田洋規

<抄録> ユニットプライス型積算方式は、工事目的物を工種単位のユニットに括った施工単価方式であり、ユニットの適用条件を明確化し、受発注者間の取引単価を収集して積算に用いることで、価格の透明性・説明性の向上、契約上の双務性の向上、出来高の明確化、受注者が創意工夫しやすい環境設備、積算の省力化を図るものである。

<キーワード> 積算、ユニットプライス、コスト構造改革、施工単価方式、単価合意

【報 文】 社会資本の管理に会計的視点を取り込んだインフラ会計の構築に関する研究

益山高幸・溝口宏樹・竹内恭一

<抄録> 公共事業の実施にあたり、透明性や説明責任の確保が求められている。これらに応えるために、社会資本の管理に会計的視点を取り込んだ「インフラ会計」の概念を提示し、その活用方法と構築に向けた課題を示す。

<キーワード> インフラ会計、土木施設維持管理、公共事業評価法、資産評価、投資計画

【報 文】住宅・社会資本の戦略的マネジメント

栗原真行

<抄録> 長期間にわたり建設された社会資本及び建築物の蓄積とそれらの高齢化により、その維持管理・更新が大きな課題になっている。本稿においては、住宅・社会資本ストックをとりまく社会的背景及び戦略的マネジメント手法についての技術開発の概要を紹介する。あわせて土木構造物を対象とするマクロとミクロの視点によるマネジメントの大枠を示すとともに、構造物単体及び構造物群に対して戦略的マネジメントを適用した際の維持補修費の軽減、健全度の確保等の効果に関して実際の構造物データに基づくシミュレーションを行うことによりその有効性を示す。

<キーワード> 社会資本マネジメント、社会資本ストック、維持管理、アセットマネジメント、マネジメントシステム

【報 文】 土木インフラPFIにおける適切なリスク分担に向けて

小路泰広

<抄録> PFIでは、設計から運営までの一括発注や性能規定化等により民間事業者が多くのリスクを負担すること技術力や創意工夫を引き出そうとする。そこで本稿では、PFIにおけるリスクとその分担について考え方を整理するとともに、具体的なリスクについてその分担のあり方について検討した。

<キーワード> PFI、リスク分担、需要リスク、不可抗カリスク

【報 文】 透水性の空間分布を考慮したダム基礎の浸透特性の検討

佐藤弘行・山口嘉一

<抄録> ダム基礎となる岩盤の透水性にはばらつきが存在する。ダム基礎岩盤の止水処理を効率的に行うためには、ダム基礎岩盤における透水性の空間的なばらつきがダム基礎岩盤の浸透特性に及ぼす影響を定量的に検討する必要がある。本研究ではそのための基礎的な研究として、地球統計学のシミュレーション手法を用いて空間的な相関を考慮した透水係数の空間分布を発生させることにより岩盤の透水係数分布をモデル化し、二次元浸透流解析のモンテカルロシミュレーションを行った。

<キーワード> ダム、浸透、透水係数、ばらつき

平成16年10月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 土木構造物の耐震補強技術の動向

松尾 修

【報 文】 道路橋の耐震補強優先度の実用的設定法 特集

日下部毅明・中尾吉宏

<抄録> 道路震災対策事業を減災効果の観点から効率的に実施するために、合理的な基準で優先順位付けを支援する実用的な手法の研究を紹介する。具体的には優先付けのために地震ハザード、地震によって損傷が発生する危険性、個々の道路施設の防災上の重要性を考慮するための研究成果について示した。

<キーワード> 地震、防災事業、優先度、重要性、ネットワーク解析

【報 文】 既設道路橋の耐震性に及ぼす橋台の変位拘束効果の影響

小林 寛・運上茂樹・小倉裕介

<抄録> 橋台パラペットと上部構造桁端部間の遊間が小さい既設橋梁は、大規模地震時には桁端部と橋台が接触して、桁の橋軸方向の変位が拘束されることが想定される。
本文は、個々の橋脚の補強を不要にし、橋全体構造系を考慮した耐震性評価法及び耐震補強工法の開発を目的として、両端に橋台を有する橋梁を対象に、橋台及び背面土の挙動特性を解析的に検討し、橋梁全体の変形拘束に及ぼす影響について検討した結果をまとめたものである。

<キーワード> 既設橋梁、耐震補強、橋台、遊間、変位拘束効果

【報 文】 繰り返し荷重を受けるRCディープビームのせん断耐力に関する実験的検討

小林 寛・運上茂樹

<抄録> せん断支間比の小さい壁式橋脚の面内方向のせん断耐力に対して、どの程度の塑性変形の範囲であれば、ディープビーム効果を見込むことができるか、また、正負交番の繰返し載荷によるせん断耐力の低下の影響を明らかにすることにより、より合理的な評価が可能になると考えられる。
本文は、せん断支間比が小さい壁式橋脚が面内方向に交番載荷を受ける場合のせん断耐力におけるディープビームの効果を明らかにすることを目的に実施した模型載荷実験について報告するものである。

<キーワード> ディープビーム、RC壁式橋脚、正負交番載荷試験、せん断耐力

【報 文】 既設パイルベント橋脚の耐震補強事例特集

福井次郎・天野 明・村瀬廣恭

<抄録> 官民共同研究で開発した既設パイルベント橋脚の耐震補強技術について、その特徴、適用範囲および設計法を述べた。また、施工事例を用いて具体的な施工状況について紹介するとともに、在来工法との比較検討を行った。その結果、工期が大幅に短縮され、工費に関しても縮減できることが明らかとなった。

<キーワード> 橋梁、橋脚、耐震補強、技術開発、施工性

【報 文】地震時変形を考慮した河川堤防の液状化対策工設計法

石原雅規・岡村未対・田村敬一・杉田秀樹

<抄録> 本報では、液状化地盤上の堤防の耐震対策として施工事例の多い固結工法及び締固め工法を法尻直下地盤に施した場合の天端沈下量予測法と同予測法を用いた耐震対策工設計法について概要を示す。予測法は簡易動的解析であり、実務を考慮し設定パラメータが少なく短時間に解が得られるものである。

<キーワード> 液状化、河川堤防、残留沈下、簡易動的解析、固結工法、締固め工法

【報 文】 矢板締切り工法を施した地中構造物の浮上り変位量予測法

佐々木哲也・石原雅規・田村敬一・杉田秀樹

<抄録> 動的遠心模型実験を行い、液状化対策としての矢板締切り工法を施した地中構造物の浮上り挙動について検討した。その結果、矢板締切り対策を施した地中構造物の浮上がり変位予測手法を提案し、これにより、遠心模型実験による浮上り変位を概ね予測できることを示した。

<キーワード> 地中構造物、浮上り、動的遠心模型実験、液状化、変位量予測

【報 文】 鋼床版用薄層舗装の開発

新田弘之・伊藤正秀・宮下知治

<抄録> 地域の連携による効率的な暮らしの向上のために、低コストの長大橋建設技術が求められているが、低コスト化の一つの方策として、橋面舗装による死荷重の軽減化が考えられる。本研究では、死荷重の軽減化のため、鋼床版上の舗装の薄層化技術の開発を行ったものであり、薄層用に適したアスファルト混合物、床版との接着性向上技術、舗装端部の防水性向上技術などを検討したものである。
その結果、アスファルト混合物としてはSMA混合物がよく、確実な接着のためには、シート系や塗膜系の接着層が必要なことが分かった。また、端部には予め形成目地材を設ける必要があることも分かった。さらに舗装の薄層化により舗装重量が最大47%程度まで軽量化できることも分かった。

<キーワード> 橋面舗装、SMA、加圧透水試験、繰り返し剪断試験、防水性

【報 文】工事騒音の予測手法

吉永弘志・林  輝・吉田 正

<抄録> 工事騒音の予測に関し、騒音の時間変動特性の扱い、音源の広がり、音源の周波数特性、回折効果、地表面効果を検討し、標準予測手法としてとりまとめるとともに予測精度の検証、予測用の騒音源データの整備を行った。

<キーワード> 建設工事騒音、等価騒音レベル、実効騒音レベル、時間率騒音レベル、地表面効果、回折効果

【報 文】地域特性を考慮した新しい道路構造基準

桐山孝晴・保久原 均

<抄録> 道路整備効果の早期発現や整備コストの縮減を図ることを目的として、地域特性を考慮した新しい道路構造基準の策定を行った。その内容は、都市部の渋滞対策に適用することを想定して道路断面を必要最小限とした乗用車専用道路と、地方部の高規格幹線道路等に適用することを想定した分離2車線道路である。

<キーワード> 道路構造、地域特性、乗用車専用道路、分離2車線道路、道路構造令

平成16年11月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 橋梁の耐久性を向上させる技術

佐藤弘史

【報 文】 道路橋資産管理に関する最近の施策動向と取り組み

玉越隆史・中洲啓太・石尾真理・武田達也

<抄録> 我が国においては、膨大な数に及ぶ道路橋資産を効率的に保全していくため、データに基づく科学的な道路橋資産管理を行い、将来の道路橋資産の維持・更新にかかる負担の平準化および低減を図っていくことが重要な課題となっている。本稿では、我が国の道路橋資産の現状といくつか将来予測を紹介するとともに、我が国の道路橋資産管理に関する施策動向や研究開発への取り組みについて報告する。

<キーワード> 道路橋、資産管理、耐久性向上策、ライフサイクルコスト

【報 文】 東京都における鋼橋の耐久性向上技術とマネジメント

睫收藺析

<抄録> 東京都建設局の管理する橋梁、トンネルなどの更新ピークは十数年後と予測され、経済状況から、最悪の場合、通行止めも危惧される状況である。このような事態を回避するには、莫大な更新費や更新工事によって多大な社会的影響が発生する箇所の橋梁に対し、長寿命化対策を効果的に実施し、更新の平準化を行なわなければならない。建設局は、更新ピークを平準化し、対症療法型管理から予防保全型管理に転換する、道路アセットマネジメントを導入することとした。
本報告は、鋼道路橋の損傷実態と具体的な対策、現在取り組んでいる道路アセットマネジメントについて概要を紹介するものである。

<キーワード> 腐食、疲労、変形、対策、アセットマネジメント、便益、収益還元法

【報 文】 鋼床版の疲労亀裂に対する超音波探傷法の適用性に関する基礎検討

村越 潤・有馬敬育・藤木 修

<抄録> 近年、鋼床版橋梁で走行路面であるデッキプレートを貫通する亀裂が確認されている。この亀裂は、密閉縦リブ内で発生し、デッキプレート内部へ進展するため、目視点検で亀裂の状態を直接確認することは困難である。ここでは、この亀裂を対象に、小型試験体および実橋で超音波探傷を行い、検出方法としての適用性を検討した。

<キーワード> 鋼床版、デッキプレート進展亀裂、超音波探傷、表面SH波、クリーピング波

【報 文】 脱塩工法におけるコンクリート中の電位分布と塩分除去効果

椎名貴快・久田 真・松塚忠政・渡辺博志

<抄録> 本報では、脱塩工法の通電時におけるコンクリート内部での電位分布の把握および塩分除去効果を実験で確認した。実験では、軸方向鉄筋量やかぶり、電流密度を実験変数に、電位分布、脱塩率、自然電位を説明変数としてまとめた。この他、電解質溶液中のCl−濃度の測定による脱塩状況のモニタリングに関しても検討した。

<キーワード> 脱塩工法、塩化物イオン、電位分布、脱塩率、電解質溶液

【報 文】新設コンクリート橋の電気防食による耐久性向上に関する研究

守屋 進

<抄録> 塩害の影響が激しい環境(道路橋示方書の対策区分S)などに建設されるコンクリート橋の塩害対策として、新設時に電位防食工法を適用するための長期間の電気防食効果の検証と、防食LCCを各種防食工法と比較検討した。その結果、新設時に電気防食工法を適用することによって、コンクリート橋の防食LCCは大幅に削減することが可能となることが判明した。

<キーワード> 塩害、塩害対策、電気防食、新設コンクリート橋、防食LCC

【報 文】 既設基礎の耐震補強の施工性に関する検討

梅原 剛・福井次郎・竹口昌弘・相良昌男・青柳 守

<抄録> 平成11年度から13年度まで、桁下の空頭制限のある作業環境での施工を可能とする既設基礎の耐震補強技術を共同研究で開発した。その後、いくつかの現場で開発した技術が適用された。ここでは、これらの施工事例を基に、開発した補強技術の施工性の良否、改善すべき点等について検討した結果を報告する。

<キーワード> 耐震補強、施工性、高耐力マイクロパイル工法、Kui Taishin-SSP工法

【報 文】 平成15年十勝沖地震を踏まえた震後対応に関わる今後の課題

日下部毅明

<抄録> 平成15年9月26日に発生した十勝沖地震について、地震の約1カ月後に地震防災研究室が北海道開発局に対して実施したヒアリングに基づき震後対応上の教訓・課題をまとめた。さらにこれを類型化し、今後の震後対応に関して一般的に解決すべき課題を抽出した。

<キーワード> 十勝沖地震、聞き取り調査、危機管理、震後対応、情報伝達

【報 文】残留間隙水圧推定時の透水係数設定に関する調査

鈴木将之・江田充志・石井靖雄・藤澤和範

<抄録> 浸透流解析等を用いた、貯水池周辺斜面の残留間隙水圧算定手法の提案を目的とする調査を行い、現場透水試験によって得られた透水係数値を用いて地下水位の予測はある程度の精度で可能であるが、水収支の仮定の精度も十分なものとする必要があるとの結論を得た。

<キーワード> 飽和−不飽和浸透流解析、現場透水試験、残留間隙水圧、斜面地盤

平成16年12月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 道路舗装・トンネルの維持管理、補修・補強技術

萩原良二

【報 文】 舗装マネジメントシステムの構築

藪 雅行・伊藤正秀

<抄録> 道路のアセットマネジメントシステムの一翼を担う舗装マネジメントシステムについて、その構築に向けた土木研究所における取り組みとこれまでの研究成果を紹介する。

<キーワード> アセットマネジメント、舗装マネジメントシステム、ライフサイクルコスト、健全度評価、管理目標

【報 文】 舗装の管理目標―欧米諸国における実態を中心として―

谷口 聡・伊藤正秀

<抄録> 欧米諸国の舗装の管理目標やその根拠、路面性状の把握方法等に関する実態を把握するための調査を実施した。その結果、欧州では、路面性状を構造評価とサービス評価を明確に分けて評価し、管理目標値として警告値、限界値を示している一方、北米では現場における管理目標値に対する意識は相対的に低いことがわかった。

<キーワード> 舗装の管理目標、舗装マネジメント、路面性状、維持修繕

【報 文】 冬期道路における雪氷路面管理指標の検討

小嶋伸一・小林一治・樋口徳男・武士俊也

<抄録> 本州では降雪深等を基に経験的な判断により、除雪等の道路管理が行われている。しかし、同一路線でも路面状態が異なる場合があり、安全で効率的な冬期道路ネットワークの確保には共通した管理指標の作成が必要である。
 本報告では、冬期道路における管理指標として雪氷路面のすべり易さに着目し、路面状況や気象状況等と雪氷路面のすべり摩擦係数の現地計測結果から、道路管理をする上で観測が必要な要因や路面すべり摩擦係数の推定手法の検討を行った。

<キーワード> 雪氷路面、すべり摩擦係数、道路管理、雪氷路面分類

【報 文】 変状が生じたトンネルの内面補強工法

箱石安彦・石村利明・真下英人

<抄録> ひび割れ等の損傷を受けた覆工コンクリートの内面に補強工を施した場合の、補強工による耐荷力の向上効果や補強メカニズムについて、二車線道路トンネル断面を想定した実大規模の覆工載荷実験を実施し、検討を加えた。実験対象とした補強工は、内巻きコンクリート工および炭素繊維シート接着工の2ケースである。

<キーワード> トンネル、覆工、変状、補強、内巻きコンクリート工、炭素繊維シート接着工

【報 文】トンネル覆工コンクリートはく落防止工法

箱石安彦・石村利明・真下英人

<抄録> 既設トンネルにおける覆工コンクリート片はく落防止対策工のうち、現在一般的に用いられている炭素繊維シート接着工、鋼板接着工、形鋼による当板工、ひび割れ注入工ついて、覆工内面からコンクリート片がはく落することを想定した押抜き載荷試験を実施し、耐力の決まる力学的な破壊形態を調べ、各設計の考え方を整理した。

<キーワード> トンネル、覆工、コンクリート片はく落、補修、押抜き載荷試験

【報 文】 有料道路の料金施策に係る社会実験の結果に関する分析

松田和香・塚田幸広

<抄録> 多様で弾力的な有料道路に関する施策として、平成15年度に実施された地方からの提案型社会実験全22件について、一般道の渋滞等課題の改善効果および料金弾性値の特徴の分析に加え、実験の広報活動に関する分析を行った。これらの結果、平成16年度以降の有料道路料金施策の検討にあたっての有益な知見を獲得した。

<キーワード> 有料道路、社会実験、地域の課題解決、料金弾性値、広報活動

【報 文】 英国における道路構造物の維持管理とITを活用したシステムの運用

渡辺博志

<抄録> 平本報告は、英国道路庁における道路構造物の維持管理方法の概略を紹介したものである。英国道路庁では、ITツールを活用した各種データベースシステムを運用しており、これにより道路庁と維持管理の実務を請け負う民間企業との連携を確保しつつ、業務効率の向上を図っている。

<キーワード> HighwaysAgency、維持管理、データベースシステム、技術認証