2. 細骨材に関するアンケート調査結果
2.1 良質な天然砂の入手難易度
図-2.1は良質な天然砂の入手難易度について示す。
全国的に見ると、良質な天然砂の入手に関しては粗目砂及び細目砂とも「容易」との回答が50%以下となっており、粗骨材(「容易」との回答が60%程度)に比べ、入手に苦労していることが明らかとなった。
地区別に見ると、粗目砂については地区により入手の難易度に差があるが、北海道、北陸、九州地区では比較的入手が容易である一方、細目砂については全国的に入手し難く、特に中部及び近畿地区では入手に苦労していることが明らかとなった。
(1) 全国
(2) 地区別
図-2.1 良質な天然砂の入手難易度
2.2 良質な細骨材の入手に関して問題となっている品質項目
図-2.2は良質な細骨材の入手に関して問題となっている品質項目について地区別に集計したものである。
良質な細骨材の入手に関して問題となっている品質項目としては、粗目砂、細目砂ともに「粒度変動」及び「粒度組成が不適当」との粒度に関する回答が最も多く、良好な天然砂の入手に苦労していることが明らかとなった。また、粗目砂では「粗粒分破砕」との回答が多いが、細目砂では「シルト・粘土分の混入」との回答が多く、両者の粒度の違いが現れた結果となった。
図-2.2 良質な粗骨材の入手するために配慮している事項
なお、「その他」としての回答は、粗目砂、細目砂ともに、品質ではなく入手の困難さを記述したものが大半であり、良質な天然砂が枯渇している現状が明らかになった。
[参考]「その他」の回答内容
- 粗目砂
- 入手が困難 10件
- 石英質を含んでいる 2件
- 採取箇所が変動する 2件
- 吸水率が大きい 2件
- 細目砂
- 遠隔地より搬入 7件
- 生産量が少ない 6件
- 入手が困難 4件
- 含水比が高い 5件
- 石英質を含んでいる 2件
- 吸水率が大きい 1件
2.3 スクリーニングスの使用実態
図-2.3はスクリーニングスの使用実態を示したものである。全国的に見ると約6割強のアスファルトプラントでスクリーニングスを使用しているが、北海道、東北及び北陸地区では使用している例が少なく、地区的な偏りが見られた。
(1) 全国
(2) 地区別
図-2.3 スクリーニングスの使用実態
2.4 良質なスクリーニングスの入手難易度
図-2.4は良質なスクリーニングスの入手難易度を示したものである。全国的に見ると約55%のアスファルトプラントで入手が「容易」であると回答しており、天然砂に比べて入手しやすいことが明らかとなった。
図-2.4 良質なスクリーニングスの入手難易度
2.5 スクリーニングスの品質変動の実態
図-2.5はスクリーニングスの品質変動の実態を示したものである。約66%が「困っていない」との回答であり、天然砂に比べれば品質的に落ち着いている材料であることが明らかとなった。
図-2.5 スクリーニングスの品質変動の実態
スクリーニングスの品質変動で困っている項目(図-2.6)としては、「粒度変動」との回答が大半であり、砕石の細粒分であることから「シルト・粘土分」との回答は少ない。また、「その他」としては、含水比が高い、0.075mmふるい通過分が多い、比重が変動する、生産量が少ない等の回答があった。
図-2.6 スクリーニングスの品質変動で困っている項目
2.6 人工砂の使用実態
図-2.7はスクリーニングスを除く砕砂等の人工砂の使用実態示したものである。全国のアスファルトプラント中、」約3割が砕砂等の人工砂を「使用している」か、「使用したことがある」と回答しており、使用している理由は「天然砂の入手が困難」との回答が大半であった。
また、人工砂のほとんどが「砕砂」であり、砕砂は1プラントで細目砂として使用している以外は粗目砂としての使用であった。砕砂以外の人工砂を使用している例は2プラントで、「ニッケルスラグ」を細目砂として使用しているケースがあった。
図-2.7 人工砂の使用実態