アスファルト混合物骨材調査
1. はじめに
1990年代にかけて、アスファルト混合物用骨材の品質低下が問題となる一方で、排水性舗装など、より高品質の骨材の需要が生じたことから、平成9年3~4月に全国148箇所のアスファルトプラントを対象として「アスファルト混合物用骨材アンケート調査」が実施された。本ページではアンケート結果を基に、骨材の入手の難易度、骨材の品質に係わる問題等といった、当時課題となった骨材事情について紹介する。
2. 調査の概要
調査の目的
以下の項目に関する資料収集を目的にアンケート調査を実施した。
- 良質な骨材の入手の難易度
- 現在問題となっている骨材品質
- 骨材品質の現状
調査方法
つくば舗装技術交流会(TPT)に参加している舗装会社15社の定置式アスファルトプラント449箇所(60t/h以上の製造能力)の中から、図-1に示す地区から148箇所選定し、アンケート調査を行った結果、146箇所のプラントから回答があった。
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図-1 調査プラント数と回答プラント数
3. 調査対象の骨材の種類
粗骨材
- 5号砕石:JIS A 5001で規定される粒度範囲が20mm~13mmの砕石(写真-1)
- 6号砕石:JIS A 5001で規定される粒度範囲が13mm~5mmの砕石(写真-2)
- 7号砕石:JIS A 5001で規定される粒度範囲が5mm~2.5mmの砕石(写真-3)
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写真-1 5号砕石
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写真-2 6号砕石
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写真-3 7号砕石
細骨材
- 粗目砂:JIS A 1204で規定される粒度範囲が2mm~0.850mmの天然砂(写真-4)
- 細目砂:JIS A 1204で規定される粒度範囲が0.250mm~0.075mmの天然砂(写真-5)
- スクリーニングス:砕石、玉砕を製造する際に発生する2.36mm以下の細かい部分(写真-6)
- 人工砂:砕砂(天然の岩石を破砕機・粉砕機等で人工的に小さく砕いてできた砂、写真-7)、スラグ等、人工的に生成される砂
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写真-4 粗目砂
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写真-5 細目砂
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写真-6 スクリーニングス
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写真-7 砕砂
4. 調査結果
5. 研究成果の反映先
アスファルト混合物骨材調査は、その後も本アンケート調査に基づき、平成17年に日本道路協会設計施工小委員会において、平成22年に土木研究所において実施され、骨材事情変化の実態解明につながっている。
参考文献
- 海老澤秀治、向後憲一、坂本浩行:「アスファルトプラントアンケート調査による混合物用骨材の実態」『舗装』第42巻第8号、2007
- 川上篤史、寺田剛、久保和幸:「アスファルト舗装用骨材に関する実態調査について」『第29回日本道路会議』ポスターセッション、2011