舗装の健全性等を把握するための非破壊調査・試験に関する文献調査
1. はじめに
道路は社会生活において最も基本的な社会資本の一つであり、昭和29年から本格始動した道路整備は現在全道路延長として120万kmに達し、膨大な道路ストックを形成された。特に昭和40〜50年代に集中的に整備されてきた道路は車社会の進展に伴い、大型車両の増加や事故防止のための舗装管理の高まりより、舗装の長寿命化、ライフサイクルコストの削減など効率的な管理の実施が求められている。そのような中、平成28年に「舗装点検要領」が策定された。舗装点検要領では「表層や基層の適宜修繕による路盤以下の保護等を通じ長寿命化に向けた舗装の効率的な修繕の実施を目的とした舗装の点検」について定められており、路盤以下の層も含めた舗装構造の健全性に着目した管理の重要性が示されてきた。そのため、路面のみではなく路盤以下の健全性を適切に評価することが求められている。また、近年では建設ICTやDX等のデジタル技術の発展も著しく、調査・施工分野においても非破壊での舗装の評価手法が数多く報告されており、今後非破壊調査・試験が調査・施工の主流になっていくものと考える。
そのため、本WGにおいては舗装に関する非破壊調査・試験について、各手法の特徴・適用条件等についてまとめる事が有用な資料になりうると考え、今回文献調査を実施した。
2. 収集資料
今回収集した非破壊調査・試験の資料は、WG内で検討を実施し、舗装の現象・状態を確認するのにどのような非破壊測定技術等が該当するのかを検索できるイメージで以下の項目に分類し、整理を実施した。
- 舗装種別【As・Co】
- 大分類 【調査対象(路面・As混合物・路盤・路床・Co版等)】
- 中分類 【現象・状態(ポットホール・層間剥離・たわみ・舗装厚等)】
- 小分類 【非破壊測定技術等】
収集した資料をこちらに示す。
3. おわりに
今回紹介した非破壊測定技術等は、舗装の現象・状態を迅速に確認することが可能な手法である。舗装マネジメントの分野においては「舗装点検要領」に示されている舗装の点検・診断の効率的な管理を実施するための技術、舗装の品質管理の分野においては省人化、面的・リアルタイムな管理を実施するための技術として期待される。
現状、今回紹介した非破壊測定技術等の内、基準化・実用化されている技術はあるものの特定的であり、更なる技術向上・新規開発の余地は高いものと考える。
本報告が、今後の舗装管理ツールの開発の一助となる事を期待する。