(一財)土木研究センター/道路研究部の研究内容

道路研究部の研究内容(1)

 

 道路研究部では、道路に係わる研究・調査・試験を行う部所として優秀なスタッフをそろえ、これまで各種路面のすべり特性や路面性状に関する調査研究業務、防護柵、緩衝施設や区画線等の道路付属施設に関する評価研究業務などを中心に、舗装、交通安全、交通環境、施工技術など道路に関連する業務を広範にわたって行っております。

主な業務内容

特許等

発表論文等

主な業務内容

1.道路の安全性に関する実験、調査、評価

 道路走行の安全性評価、各種道路付属施設(防護柵、緩衝施設、区画線、視線誘導施設、道路標識等)の機能検証など、道路の安全性に関わる課題や開発品の性能について実験、調査、評価を行います。

1.1 道路付属施設の性能評価

(1) 防護柵に関する実験解析

 国土技術政策総合研究所が所有する衝突実験施設において、道路に設置されるガードレールなどの車両用防護柵の性能確認実験を行います。この実験施設は、防護柵の性能を正式に実験計測できる国内唯一の施設であり、この施設において基準(防護柵の設置基準)に準拠した衝突実験を行い、基準の性能を満足することを検証・証明します。

(2) 区画線の性能評価

 表面に凹凸を加え視認性を高めた高視認性区画線など、技術開発された新たな区画線について視認性、振動特性、すべり特性などを実験調査し性能の評価を行います。

(3) その他道路付属施設の性能評価

 視線誘導施設の設置方法と視認効果、分流部に設置される緩衝施設の緩衝効果、道路標識の視認性評価など、各種道路付属施設の性能を実験調査および評価します。

1.2 走行の安全性調査

 段差舗装や特殊路面での走行安全性や狭幅員での走行安定性等、種々の道路・走行条件における車両の走行安全性、快適性を把握するため、二輪車、乗用車、大型車等を用いて車両挙動計測、フィーリング調査などを行います。また調査結果を基に、実験した道路条件の走行安全性評価などを行います。

 

2.路面性状等に関する調査、評価

 新材料を用いた舗装や特殊な舗装などについて、すべり特性、騒音特性、路面性状などを計測、評価し、適正な維持管理に向けた検討を行います。

2.1 路面のすべり抵抗に関する調査

 道路の設計や交通安全上重要な因子となるすべり摩擦係数については、試験的に舗装された道路や実際の道路などで、すべり摩擦係数を計測するために開発された特殊なすべり測定車を用いて計測し、一般路面、特殊路面、雪氷路面など各種路面状況に応じて評価を行います。

2.2 騒音調査

 国土技術政策総合研究所道路交通研究部道路環境研究室のご指導のもとに製作した環境騒音測定車を用い、排水性舗装などの騒音の評価を行います。

2.3 その他の路面性状調査

 路面の凹凸、ひび割れ等路面性状に関する各種調査を行い、路面状態の評価を行います。

2.4 各種測定装置の性能評価

 各種路面性状を評価するために製作、使用されている路面性状自動測定装置やすべり測定車の性能確認、評価を行います。

(1) 路面性状測定装置の性能確認試験

 路面の凹凸やひび割れなどを走行中に自動計測する路面性状測定装置について、当該装置を搭載している試験車が所定路面を走行したときの計測結果をもとに性能評価を行います。

(2)すべり測定車の合同比較試験

 路面のすべり摩擦係数を計測する全国のすべり測定車が一同に会し、国土技術政策総合研究所道路交通研究部道路研究室のご指導のもと、当研究室が所有するすべり測定車の測定値を標準として、測定値の性能確認、補正を行います。

 

3.各種舗装の性能調査

 国立研究開発法人土木研究所が所有する舗装走行実験場において、新たに技術開発された各種舗装材料等の耐久性を調査します。
 性能調査においては、無人で自動走行する荷重車(大型トラック)が繰り返し走行した舗装の従横断プロフィル、ひび割れ、透水性(排水性・透水性舗装)、圧縮強度等を調査します。

4.各種施設の設計・開発

 種々の路面性状などを評価する各種実験施設について、施設の設計・開発を行います。
 これまでの実績としては、国立研究開発法人土木研究所が所有する舗装走行実験場で使用する荷重車およびその周辺装置、同研究所が所有するリサイクル舗装材料耐久性試験施設、国土技術政策総合研究所が所有するすべり測定車の設計・開発を行いました。

5.技術開発

5.1 橋梁用グレーチング路面

 橋梁の走行面にグレーチングを用いることで、橋梁の荷重軽減や積雪地域の除雪軽減に効果があると考えられます。グレーチングは、材料がスチールであるため湿潤時のすべり摩擦係数がかなり低下することから、グレーチング面に各種の型状を施工することにより、車両の安全な走行が可能となるグレーチング路面の開発を行いました。

5.2 多孔質弾性舗装

 ゴムチップで形成される多孔質版の吸音特性や保水特性に着目し、騒音対策、凍結防止対策、ヒートアイランド抑制対策など、道路が抱える様々な問題に適応する機能性の高い多孔質弾性舗装について、研究開発を行っております。この多孔質弾性舗装の材料としては、古タイヤを用いることで資源の再利用にも寄与する技術になっています。

特許等

平成 9年度 

管渠取替え方法およびそのための推進装置 千田昌平他10名

平成 9年度

地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法 千田昌平他10名

平成 9年度

地下埋設管の更新方法およびそのための掘進装置 千田昌平他10名

平成 9年度

地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法 千田昌平他10名

平成 9年度

既設埋設管路更新用掘削機ならびに既設埋設管路更新時における掘進方法 千田昌平他10名

平成 9年度

既設埋設管路更新用掘進機 千田昌平他9名

平成 9年度

管の接続位置特定方法、および地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法 千田昌平他9名

平成14年度

凍結抑制舗装および凍結抑制方法 小野田光之他5名

平成14年度

蓄熱抑制舗装および蓄熱抑制方法 小野田光之他5名

小野田、渡辺、村山:繊維系材料の表層への適用、舗装 Vol.36, No.6、2001

小野田光之:路面の評価、舗装 Vol.36, No.10,2001

市原・小野田:道路設計における摩擦係数、トライポロジストVol.47, No.4、 2002

小野田光之:路面のすべり、アスファルト Vol.46 No.214,2003

中村亮:管渠拡大更新工法(PERS工法)の開発と施工報告、非開発技術、No.43、2003

中村・高畠:管渠拡大更新工法―パイプリニューアルシステム工法―、月刊推進、Vol.17 No.9,2003

佐々木・小野田・黒川:多孔質弾性材による凍結抑制舗装の検討、第19回北陸雪氷技術シンポジウム、2005
伊藤・武市・小野田・黒川:多孔質弾性舗装の工学的特性と凍結抑制効果に関する研究、土木学会第60回年次学術講演会、2005
安藤・佐藤・井上・高頭:暗視下における蓄光式標示材料の視認性に関する検討、土木学会 第62回年次学術講演会、第4部門No.183、2006


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