(財)土木研究センター/刊行物/月刊誌土木技術資料抄録/平成17年
 
平成17年1月 報文抄録

【論説・企画趣旨】「ストック・メンテナンス世紀」への対応

北川 明

【報文】下水道管路施設の効率的な維持管理手法の現状

岡本辰生・吉田綾子・山田和弘・行方 馨・森田弘昭・藤生和也

<抄録> 下水道管路施設における硫化水素の発生は、コンクリート腐食を引き起こし、管路破損による道路陥没などの重大な事故につながる可能性がある。本稿では、下水道管路施設での硫化水素の生成とコンクリート腐食のメカニズムについて概説するとともに、管路施設の効率的な維持管理手法の現状を述べる。

<キーワード> 下水道、硫化水素、コンクリート腐食、下水性状予測

【報文】道路橋資産管理の現状と課題

玉越隆史・中洲啓太

<抄録> 我が国においては、膨大な数に及ぶ道路橋資産を効率的に保全していくため、データに基づく科学的な道路橋資産管理を行い、将来の道路橋資産の維持・更新にかかる負担の平準化および低減を図っていくことが重要な課題となっている。本稿では、我が国の平成16年度より導入された道路橋資産管理システムの現状と課題とともに、中長期的な管理システムの高度化に向けた研究開発の最新動向について報告する。

<キーワード> 道路橋、資産管理、橋梁点検、ライフサイクルコスト

【報文】社会資本ストックの健全度評価・補修技術に関する重点プロジェクト研究の概要

三木博史

<抄録> 膨大な社会資本ストックを丈夫で長持ちさせるために実施している重点プロジェクト研究の概要を紹介する。 内容は、1)構造物の健全度診断技術、2)各種補修工法の選定法や効果を明らかにした補修技術、3)社会資本ストックの効率的活用に貢献するための戦略的維持管理手法に関するものである。

<キーワード> 社会資本ストック、健全度診断、補修、マネジメント、橋梁、トンネル、アンカー、コンクリート、舗装、塗装

【報文】 重力式コンクリートダムの揚圧力計測による安全管理の合理化に関する検討

冨田尚樹・山口嘉一・佐々木 隆・小堀俊秀

<抄録> 完成後数十年以上経過したコンクリートダムでは、基礎排水孔の目詰まり事例が散見される。本研究では、堤体安定性検討において重要な荷重である揚圧力に着目し、その計測設備である基礎排水孔の状態と揚圧力値および堤体安定性に及ぼす影響について三次元浸透流解析を用いて検討するとともに、揚圧力計測の合理化について考察した。

<キーワード> コンクリートダム、揚圧力、基礎排水孔、浸透流解析、安全管理

【報文】堆砂対策によるダム貯水池の持続的利用

柏井条介

<抄録> ダム貯水池の寿命を左右する堆砂について、わが国の現状を概観し、問題の緊急性を確認した。また、やがて多くのダムが堆砂問題に直面するとの認識のもと、堆砂対策技術の現状を整理しつつ将来の方向性を考察した。本稿では既設ダムを対象に論じている。

<キーワード> ダム、貯水池、堆砂

【報文】 既存杭の再利用技術の開発

犬飼瑞郎

<抄録> 本稿は、既存構造物の部材の再利用を促進し、廃棄物抑制、環境負荷低減に資するため、検討対象を既存杭に絞って、過去の再利用事例、杭の品質調査方法、健全性調査方法、再利用時の検討手順等の概要を紹介するものである。

<キーワード> 既存杭、再利用、中性化試験、健全性試験、支持力

【報文】外部コストを考慮した路上工事工法の評価

小野寺誠一・大下武志

<抄録> 路上工事は、ライフラインの構築や安全・円滑な道路交通の確保など、大きな便益をもたらす反面、工事段階における交通渋滞や騒音等、負の影響を及ぼしている。このため、これらの影響の現状の把握とその評価方法の提案を行うとともに、施工法の改善や新技術・新工法を採用した場合の効果の試算例を紹介する。

<キーワード> 路上工事、外部コスト、施工法、新技術・新工法、交通渋滞

【報文】河道マネージメントの観点からみた氾濫原地形の変化

末次忠司・日下部隆昭・川口広司

<抄録> 今後の河道改修事業(治水目的)においては、河川構造物が被災した場合に発生が予想される流域の被害を考慮しながら河道をマネージメントしていくことが必要となる。本報文では、特に1998年の余笹川洪水における流木による橋梁閉塞と河床変動及び河岸侵食についての現地調査、模型実験、数値解析を用いた検討から得られた成果について詳細に述べている。

<キーワード> 余笹川、橋梁閉塞、河岸侵食、河床変動、水理模型実験、平面二次元数値解析


平成17年2月 報文抄録

【論説・企画趣旨】下水道における資源・エネルギーのリサイクル技術

高橋正宏

【報文】 LCA手法を用いた汚水処理システムの評価

荒谷裕介・平出亮輔・南山瑞彦・中島英一郎

<抄録> 政策立案段階(マスタープランレベル)における意志決定支援ツールとしてLCA手法を適用することを想定して、LCAによる汚水処理システム(個別処理・集合処理)の評価を実施した。茨城県内の下水道事業計画区域の中から評価対象地区を選定し、対象地区に個別処理及び集合処理を適用した場合の環境負荷量(LCミCO2、LCE)をインベントリー分析により定量化することで評価・比較検討を行った。その結果、今回選定した対象地区においては、集合処理の方が環境負荷量の小さい汚水処理システムであることが明らかになった。

<キーワード> ライフサイクルアセスメント、集合処理、個別処理

【報文】草木廃材を用いた吹付緑化資材の開発

宮本綾子・根本健児・舛田智江・高橋 徳・牧 孝憲・落 修一

<抄録> 緑地管理や土木工事により発生する大量の草木廃材、伐採材の有効な資源化利用が求められている。
 当チームでは現在、木質系の有機質廃材を対象に蒸煮爆砕により改質を施す法面緑化資材としての利用技術について共同研究を行っており、本報告ではこれまでに得られた成果をまとめ適用の可能性を示した。

<キーワード> 法面緑化、緑化資材、蒸煮爆砕、木質廃材

【報文】消化ガスで走る自動車

牧 孝憲・尾崎正明

<抄録> 下水処理場より発生している余剰消化ガスの有効利用法のひとつとして、バイオガス自動車の燃料としての利用を提案する。現在の余剰消化ガスの有効利用法、消化ガス供給可能量、燃料化までのシステム、今後の課題、エネルギー生産に向けた取組みをあげる。

<キーワード> 汚泥消化、消化ガス、バイオガス自動車、環境問題

【報文】 ディスポーザー導入時の環境評価に関する試算事例

吉田綾子・山縣弘樹

<抄録> ディスポーザー導入時の環境への影響として、厨芥減少量を北海道歌登町での調査事例から提示するとともに下水道に流入する汚濁負荷増加量を推定した。また、CO2排出量、エネルギー消費量を評価するLCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を用いて地域全体での環境への影響を評価した。

<キーワード> ディスポーザー、厨芥、汚濁負荷原単位、LCA

【報文】 曲線斜張橋に用いるスプリングダンパーに関する性能検証実験

横峯正二・運上茂樹・遠藤和男・貴志友基

<抄録> (仮称)矢部川橋では、橋全体系の耐震性向上のため、常時水平力に対して抵抗するとともに、大規模地震時にある一定以上の水平力が作用した場合に変位を許容可能なトリガー機能及び自己復元機能を有するスプリングダンパーの採用が計画されている。本デバイスは、充填材をシリンダー内部に封入し、充填材の圧縮性を利用したものである。このようなデバイスの採用事例がこれまでにない新しい構造であることから、現場での使用環境条件に応じた実験的な性能検証を実施することを目的として、模型供試体の載荷実験を行い、力学特性に関するデータを取得した。その結果、本デバイスは設定された要求性能を満足することを確認した。

<キーワード> スプリングダンパー、性能検証実験、耐震性向上、曲線斜張橋

【報文】 降水指標による地すべり警戒基準に関する調査(第1報)

鈴木将之・石井靖雄・藤澤和範

<抄録> 地すべり警戒基準雨量設定手法の提案を目的とする調査の中で、伸縮計・水位計データとアメダス降雨データを整理した結果、降雨量と地すべりの移動量との関係は必ずしも明確ではなかったが、降雨件数と地盤変位件数に着目することで、降雨量に基づく概略地すべり危険性評価が可能な地すべりがあることがわかった。

<キーワード> 地すべり警戒基準、地盤変位、降雨、頻度、実効雨量

【報文】 コンクリート中の塩化物イオン量測定の誤差について

古賀裕久・松浦誠司・渡辺博志

<抄録> 塩害の影響を受けるコンクリート構造物の定期点検などで用いられる硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオン量の測定方法について,その測定誤差を検討した。検討の結果,測定結果の変動係数は, 約100gのコア試料を用いた場合7%程度,約6gのドリル粉末を用いた場合13%程度となることなどを明らかにした。

<キーワード> コンクリート構造物、塩害、点検、塩化物イオン量、測定誤差

【報 文】 高強度材料を用いた鉄筋コンクリート橋脚の耐力・変形性能に関する実験的研究

西田秀明・運上茂樹

<抄録> コンクリート設計基準強度60N/mm2、鉄筋降伏強度685N/mm2まで適用できるRC橋脚の耐力・変形特性評価法を構築するために、高強度材料を用いたRC橋脚の正負交番載荷実験を行い、現行評価法の適用性や問題点について整理した。その結果、変形性能は横拘束鉄筋に高強度材料を用いても通常強度を用いた場合とさほど変わらないこと、現行道路橋示方書に基づく評価法により耐力は評価できること、横拘束鉄筋に高強度材料を用いた場合の終局変位は横拘束筋強度を低減し拘束効果を小さく見込むと精度が向上することがわかった。

<キーワード> 高強度鉄筋、高強度コンクリート、鉄筋コンクリート橋脚


平成17年3月 報文抄録

【論説・企画趣旨】今求められている土木分野の課題

秋常秀明

【報文】電子納品情報を活用した業務改善に関する研究

田中洋一・有冨孝一・青山憲明・上坂克巳

<抄録> 本研究は平成14年度〜平成16年度の3カ年で国土技術研究会指定課題として実施する、電子納品情報を活用した国土交通行政の業務改善の研究である。平成14年度は、日常業務の問題点、また現在実施されているCALS/EC、電子納品の問題点を明確にし、平成15年度は問題点を改善するための具体的な取り組み事例を中心とした研究を実施した。平成16年度は2箇年の取り組み成果をとりまとめ、パネルディスカッションを実施し、業務改善事例の共有と普及施策についての課題を提示した。

<キーワード> CALS/EC、電子納品、情報共有、業務改善、基準の見直し

【報文】河川事業における環境影響分析手法の高度化に関する研究

萱場祐一・大石哲也

<抄録> 本研究は、河川事業を人為的インパクトと捉え、生態系へのインパクトを予測・評価する手法を確立するため、平成14年度まで実施してきた事例研究をベースとしながら、環境影響分析方法の高度化に資する検討を行う。事業実施段階における影響を高い精度で予測する方法の開発が目標であり、本報は砂鉄川での事例研究と今年度から新たに河川調査法の研究開発についての指針を示す。

<キーワード> インパクト・レスポンス、環境影響分析、捷水路、河川調査法、RHS

【報文】河床変動の特性把握と予測に関する研究

日下部隆昭

<抄録> 平成14年度から16年度にかけて、国土技術研究会指定課題として河床変動の特性把握と予測に関する研究を実施した。本研究では、土砂動態モニタリング等の結果を河道管理に活かすために土砂動態の変化と河床変動特性との関係解明を目指すとともに、河床変動特性を表現するツールとして河床変動計算手法について検討し、上記検討によって明らかになった特性との比較検討を実施した。

<キーワード> 河床変動モニタリング、土砂動態モニタリング、河床変動計算、河道管理

【報文】漂砂系における流砂量モニタリングに関する調査

山本幸次・目黒嗣樹

<抄録> 「流砂系の総合的な土砂管理」のもとで、改正「海岸法」の理念の実現に向けた海岸保全を推進するために、国土交通省国土技術研究会の指定課題として「漂砂系における流砂量モニタリングに関する調査」を行っている。本報ではさまざまな現場条件下での土砂動態の調査・解析手法の概要を紹介する。

<キーワード> 漂砂系、流砂量、河口域、土砂動態、モニタリング

【報文】IT技術を活用した道路管理の効率化

喜安和秀

<抄録> これまで技術的に困難であった道路管理に必要な情報の収集がITの活用により実現しつつある。また、近年の光ファイバ網の整備の進捗によって、道路管理者間の情報共有による面的な道路管理が可能になりつつある。本稿では、道路管理の効率化の観点から情報の活用について検討し、その効果の評価結果を報告する。

<キーワード> ITS、道路管理、効率化、CCTV、センサ、AHS

【報文】山地流域における土砂生産予測手法の研究

笹原克夫・山越隆雄

<抄録> この報文は、平成16年度国土交通省国土技術研究会指定課題「山地流域における土砂生産予測手法の研究」における研究成果をとりまとめたものである。本研究課題の目的、研究方法について説明し、すでに開始されている調査・観測結果を紹介する。

<キーワード> 土砂生産予測、山地流域、斜面崩壊、渓床・渓岸侵食

【報文】鋼杭、鋼矢板の土中腐食性状の統計的検討

守屋 進・村瀬正次・中野啓眞

<抄録> 日本各地で実施された土木用鋼材の土中腐食結果を再整理した。平均腐食速度および最大腐食速度とも経過年数により低下する傾向が認められた。腐食速度の経年変化をY=BXAで最適フィッティングした結果、日本の平均的な土壌では平均腐食減量は、2σを考慮しても100年間で約1mmと算出された。

<キーワード> 腐食、埋設環境、鋼杭、鋼矢板、腐食減量

【報文】数値標高モデルを用いた地すべり地形抽出手法の開発

杉本宏之・森下 淳・野村康裕・石井靖雄・藤澤和範

<抄録> 移動ブロックと滑落崖の地形的特徴、形状、位置関係等に着目し、数値標高モデルを用いることで地すべり地を一定のアルゴリズムで抽出する手法を開発し、その適用性を検証した。その結果、10ha以上の地すべり地の滑落崖及び頭部の抽出、地すべりブロック内の小ブロックの抽出が可能であることが分かった。

<キーワード> 地すべり、地すべり危険箇所、クラスタリング、パターン認識、数値標高モデル

【報文】河川の高水管理における予測降雨情報の適用性

和田一範・村瀬勝彦・冨澤洋介

<抄録> 近年の気候変動から発生が懸念される計画規模を超過する洪水や渇水の多発をも視野に入れた水管理の高度化に資する技術開発にむけて、気象庁が実施している降水短時間予報の予測雨量と地上雨量の比較を行うとともに、短時間の予測雨量を用いた流出予測シミュレーションを行い、現状の降雨予測情報の高水管理への適用性について考察した。

<キーワード> 降雨予測情報、降水短期予報、数値予報、流出予測シミュレーション、河川管理


平成17年4月 報文抄録

【論説・企画趣旨】自然災害に対応する危機管理技術の現状と課題

杉浦信男

【報文】都市域での浸水現象解明のための新しい解析手法

水草浩一

<抄録> 都市域における浸水想定を行う際に適用可能な浸水解析モデルNILIMに関する、現時点で水害研究室で継続中の研究、取り組みについて紹介する。

<キーワード> 都市浸水、都市域浸水解析モデル、特定都市河川浸水被害対策法

【報文】土砂災害発生危険基準線に対する客観的な設定手法の有効性

野呂智之・倉本和正・小山内信智

<抄録> 本研究は、砂防部局・気象台が共通して運用可能な新たな基準の設定手法の開発を目的として、従来から砂防部局で用いられている土砂災害発生危険基準線(以下、CL)の設定に関する課題を明らかにするとともに、その改善方法を整理した。また、その改善方法のひとつとして提案されているRBFネットワークを用いたCLの設定手法について、その有効性を明らかにした。

<キーワード> RBFネットワーク、土砂災害発生危険基準線、土砂災害警戒情報、警戒避難

【報文】振動検知式土石流センサーの検知基準値の設定方法

武澤永純、田中秀基、山越隆雄、笹原克夫

<抄録> 土木研究所土砂管理研究グループ火山・土石流チームがこれまで振動検知式土石流センサーの検知基準値の設定方法について研究してきた結果を報告する。本報では、土石流の通過に伴い計測される地盤振動の強度をその土石流の流量の関数として表す式を提案した。

<キーワード> 振動検知式土石流センサー、土石流、地盤振動、検知基準値

【報文】平成16年(2004年)新潟県中越地震における震後対応上の教訓

鶴田 舞・真田晃宏・日下部毅明

<抄録> 平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震における震後対応について北陸地方整備局を対象に聞き取り調査を行い、本地震の特徴を反映した課題を抽出した。また、既住の地震における調査結果を含めた課題の整理を行い、解決に向けた方向性を掲示した。

<キーワード> 新潟県中越地震、震後対応、聞き取り調査

【報文】地震時の斜面崩壊危険度評価手法の検討

内田太郎・片岡正次郎・岩男忠明・松尾 修・寺田秀樹

<抄録> 1995年兵庫県南部地震による斜面崩壊分布を基に、斜面勾配、斜面の平均曲率、地震動の最大加速度を説明変数とする地震による斜面崩壊の相対的な発生危険度を評価する実務上利用可能な簡易手法を提案した。その上で、1997年鹿児島県北西部地震、2000年神津島地震に適用し、手法の汎用性を確認した。

<キーワード> 地震、斜面崩壊危険度、数値地形情報、地震動の最大加速度

【報文】振動計測による岩盤斜面不安定ブロック抽出手法の検討

浅井健一・藤澤和範・小山内信智・西本晴男

<抄録> 岩盤崩壊による災害防止のためには、不安定岩盤ブロックを抽出して対策や監視を行うことが重要である。不安定岩盤ブロックは周囲の亀裂が開口しているため振動しやすいと考えられることから、振動計測によって不安定岩盤ブロックを抽出する手法の検討を行い、不安定岩盤ブロックでは安定岩盤ブロックに比べ振幅が大きくなることが示された。

<キーワード> 岩盤斜面、岩盤崩壊、振動、常時微動

【報文】地すべりの発生場条件と移動形態の統計的関係 特集

野村康裕・森下 淳・藤澤和範

<抄録> 過去の地すべり事例におけるデータ整理を行った結果、地すべりの発生段階の素因として質的要因が大きく関与していることが示されたが、多変量解析等を実施した結果、地すべりの滑動後の移動形態にはw1、θ1、下方斜面環境等の地形的要因が大きく関わっていることが示された。

<キーワード> 地すべり、統計解析、発生場条件、移動形態、多変量解析

【報文】交通事故対策の立案と効果評価のためのマニュアル

宮下直也・村田重雄・森 望

<抄録> 本研究では、今後の交通事故抑止対策をより効率的かつ効果的に実施するため、これまでの事故多発地点における対策検討資料等を利用し、分析、検討を行い、事故の要因分析、対策立案、効果評価までの検討手順を体系化するとともに、事故分析や対策検討の事例を整理し、今後の対策検討に反映するための仕組みを構築した。

<キーワード> 事故多発、事故要因分析、事故対策検討手法、事故抑止

【報文】各種鉄筋継手の超音波による検査方法の検討

森濱和正

<抄録> ガス圧接継手、溶接継手の超音波探傷による検査方法、機械式継手のカプラへの挿入長さ測定方法について検討した。
 超音波探傷試験は、音場および人工欠陥による探傷範囲について検討し、検出精度は、細い鉄筋は現在用いられているJIS Z 3062でも高いが、太い鉄筋は表面SH波法の方が高いこと、機械式継手の挿入長さ測定方法は、継手性能を確認するために十分な精度で測定できることがわかった。

<キーワード> ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手、超音波探傷試験、挿入長さ測定


平成17年5月 報文抄録

【論説・企画趣旨】公共工事で遭遇する土壌汚染問題への対応

河野広隆

【報文】建設工事で遭遇する地盤汚染対策マニュアルと今後の課題

森 啓年・古本一司・小橋秀俊

<抄録> 建設工事において廃棄物等に起因する土壌・地下水汚染に遭遇する事例が近年増加している。一口に土壌・地下水汚染と言っても、その原因となる物質や周辺の地盤状況により必要となる対応が変わってくる。そのような状況に適切に対応するため、土木研究所では平成16年5月に「建設工事で遭遇する地盤汚染対応マニュアル(暫定版)」を出版した。 本報文では、マニュアルにおいてとりまとめられた土壌・地下水汚染に遭遇した場合の調査、影響予測、対策、モニタリングについてその概要を記述した。あわせて、今後ダイオキシン類汚染土壌や廃棄物混じり土等、土壌・地下水汚染に関する土木研究所の最新の取り組みを紹介するとともに、今後解決すべき課題について整理した。

<キーワード> 土壌汚染、地下水汚染

【報文】底質中のダイオキシン類の簡易分析手法

小森行也・鈴木 穣・田中宏明・八十島 誠・南山瑞彦・三宅祐一・加藤みか・浦野紘平

<抄録> 平成14年7月22日に環境省告示第四十六号により「水底の底質」の環境基準(基準値:150pg-TEQ/g以下)が示された。環境基準値超過が判明した場合、どこが最も汚染されていて優先的に対策を講じる必要があるかを見極める必要がある。そのためには、汚染範囲を詳細に調査することが重要であるが、公定法では、より正確な結果が得られる反面、分析費用が高額、結果を得るまでに時間が掛かる等課題も多い。本報は、河川底質中のダイオキシン類の簡易分析手法について土木研究所での検討結果をまとめたものである。

<キーワード> ダイオキシン、底質、GC/MS、ELISA、SNVOX

【報文】土壌中ダイオキシン類の簡易測定技術の開発

守屋 進

<抄録> 建設事業において、ダイオキシン類に汚染されていると思われる土壌に遭遇した場合、「ダイオキシン類に係わる土壌調査測定マニュアル」(環境庁 平成12年1月)に定められた方法(公定法)では、その判定までに長時間を要する。このため、汚染範囲の決定や対策の効果の判定などに、ダイオキシンによる汚染の有無を迅速に判定することができる迅速前処理法(抽出と精製)と簡易分析法を組み合わせた簡易測定法を開発した。

<キーワード> ダイオキシン、土壌汚染、公定法、迅速前処理法、簡易分析法、簡易測定法

【報文】底質中の有害物質に対する対策技術

天野邦彦・森 啓年・小橋秀俊

<抄録> 本稿は、河川・湖沼における底質の常時監視等により環境基準値を超えるダイオキシン類汚染底質が発見された場合に、汚染された底質の除去や封じ込め等の対策を講じることにより、ダイオキシン類の人への曝露量を低減し、人の健康を保護することを目的とするダイオキシン類汚染底質対策について概説するとともに、除去底質の新しい中間処理工法としてダイオキシン類汚染底質を封じ込めながら、脱水・減量化させるため袋詰脱水処理工法の概略について紹介するものである。

<キーワード> ダイオキシン類、汚染底質、袋詰脱水処理工法

【報文】既設ダムへの放流管増設時の堤体応力特性

佐々木 隆・金縄健一・石橋正義・山口嘉一・木藤賢一

<抄録> 重力式コンクリートダム堤体内に放流管を増設する場合、新規に建設するダムの放流管と同様な考え方で鉄筋量の設計を行っている事例が多い。しかし、既設ダムに孔開けし、放流管を設置した場合には、新設ダムと比較して、放流管周辺のコンクリート及び鉄筋の応力特性が異なることが予想される。そこで、放流管増設する際に放流管周辺の堤体コンクリートに発生する応力特性に関する検討結果を報告する。

<キーワード> 重力式コンクリートダム、放流管増設、堤体孔あけ、再開発

【報文】多変量解析を用いた魚種分布予測モデル

佐合純造

<抄録> 多変量解析を用いて、「河川水辺の国勢調査」の魚類データと河川・流域物理データから河川縦断方向に魚種分布を連続的に予測する実用的モデルを作成した。これを多摩川に適用したところ良好な結果が得られた。今回の方法は多摩川以外の河川や魚類以外の生物にも適用可能である。

<キーワード> 河川水辺の国勢調査、魚類調査、多摩川、多変量解析、重回帰分析、判別分析

【報文】ヒートアイランド現象緩和に向けた社会一体型施策の実施方策

水野太史・曽根真理・並河良治

<抄録> これからの環境問題は、利便性・快適性を重視してきた社会そのものにも根元があるため、社会経済構造の改革や生活・価値観の変革が必要であり、市民一人ひとりの行動まで含めた社会全体での施策を実施していくことが重要である。また、これらの環境問題の影響や因果関係が不明瞭な状況の中で、いかに市民・企業と一体となって取り組みを行っていくか、そのための実施方策が必要である。 そこで、ヒートアイランド現象を一例として、その影響と因果関係が不明瞭な状況の中で市民・企業と一体となって取り組みを行っていくための実施方策について検討を行った。

<キーワード> ヒートアイランド、社会一体型施策、環境配慮行動、促進方策、市民参加


平成17年6月 報文抄録

【論説・企画趣旨】大規模地震に対するダムの耐震性能照査

永山 功

【報文】ダムのレベル2地震動対策のすすめ

大町達夫

<抄録> 1995年兵庫県南部地震後に出された三次にわたる土木学会提言のうち、レベル2地震動に関する内容を要約し、一次から三次までの変容を概説している。また各種構造物の基準等におけるレベル2地震動への対応や関連分野における最近の動向を解説し、ダムのレベル2地震動対策を早急に着手する必要性を指摘している。

<キーワード> レベル2地震動、土木学会、耐震基準、ダム、耐震性能照査

【報文】『大規模地震に対するダム耐震性能照査指針(案)』の概要

安田成夫・金銅将史・山口嘉一・佐々木 隆

<抄録> 2005年3月、大規模地震による大地震動に対するダムの耐震性能の照査方法を体系的に示した「大規模地震に対するダム耐震性能照査指針(案)」が、国土交通省河川局治水課より各地方整備局等に通知された。  本報では、同指針(案)の策定経緯を紹介し、各章の要点を解説したうえで、今後の展望について記述した。

<キーワード> ダム、大規模地震、レベル2地震動、時刻歴応答解析、耐震性能照査、技術指針

【報文】ダムの耐震性能照査に用いるレベル2地震動の設定方法

安田成夫・金銅将史・佐野貴之・松本徳久

<抄録> 指針(案)では、照査にあたり考慮するレベル2地震動は、「当該ダム地点で現在から将来にわたって考えられる最大級の強さをもつ地震動」と定義されている。
 本報では、レベル2地震動設定の具体の設定手順について記述した。

<キーワード> ダム、レベル2地震動、想定地震、ダムの距離減衰式、照査用下限加速度応答スペクトル、加速度時刻歴波形

【報文】レベル2地震動に対する重力式コンクリートダムの耐震性能照査

山口嘉一・佐々木 隆・金縄健一・佐野貴之

<抄録> 本報では、「大規模地震に対するダム耐震性能照査指針(案)」で示された規定に沿って、大規模地震に対する重力式コンクリートダム本体の耐震性能のうち貯水機能維持の照査手法の考え方を示し、その具体事例を報告する。

<キーワード> レベル2地震動、重力式コンクリートダム、耐震性能照査、貯水機能、引張亀裂

【報文】レベル2地震動に対するフィルダムの耐震性能照査

山口嘉一・佐藤弘行・冨田尚樹・金銅将史

<抄録> 本報では、「大規模地震に対するダム耐震性能照査指針(案)」で示された規定に沿って、大規模地震に対する土質遮水壁型ロックフィルダム本体の耐震性能のうち貯水機能維持の照査手法の考え方を示し、その具体事例を報告する。

<キーワード> レベル2地震動、フィルダム、耐震性能照査、貯水機能維持、すべり量解析

【報文】レベル2地震動に対するダム関連構造物等の耐震性能照査

安田成夫・金銅将史・佐々木 隆・高須修二

<抄録> レベル2地震動に対してダムの貯水機能が維持されることを確認するためには、ダム本体はもとより、放流ゲートや流水を制御する各種管理設備のようなダム関連構造物の安全性を同時に照査しておく必要がある。
 本報では、ダムの関連構造物等の照査の考え方と、照査にあたっての留意点を記述した。

<キーワード> ダム関連構造物、放流ゲート、レベル2地震動、耐震性能照査、有限要素モデル、時刻歴応答解析

【報文】CFDを活用したポンプ吸込水槽の性能評価手法に関する研究

山元 弘・山本幸広

<抄録> 計画時におけるコスト縮減の為、吸込水槽における渦発生有無などの評価を、従来の模型試験に代わりCFDが代替する可能性を調査することを目的として、渦法を用いたポンプ吸込水槽内の非定常流れ解析を行い、空気吸込渦・水中渦の発生状況の予測を試みた。その結果、定格流量(Q=100%)および極端な大流量(Q=300%)の両者では渦発生によるポンプ運転可否の予測結果が解析と実験で一致した。

<キーワード> 吸込水槽、数値解析、渦法、渦、ポンプ

【報文】高強度鉄筋の曲げ加工性能に関する基礎的検討

中村英佑・古賀裕久・渡辺博志

<抄録> コンクリート構造物の設計の合理化や耐久性の向上を目的として、高強度鉄筋の導入が注目されている。本報文では、異なる曲げ内半径で加工した高強度鉄筋の材料試験を行い、この曲げ加工性能を検討した。その結果、曲げ内半径を小さくすると、引張強度の低下や曲げ部での脆性的な破断など鉄筋コンクリート用鋼材として好ましくない性状を示すことが判明した。

<キーワード> 高強度鉄筋、曲げ内半径、国際標準、引張強度、磁粉探傷試験


平成17年7月 報文抄録

【論説・企画趣旨】持続可能な道路に向けての各種技術基準の動き

大西博文

【報文】道路構造令の現状と今後の取り組み課題

桐山孝晴・塚田幸広

<抄録> 道路構造令は、道路の構造を決定するにあたって遵守しなければならない一般的技術的基準であり、昭和45年に制定された後、社会経済情勢の変化に対応して4回の一部改正が行われている。しかし、道路構造令の骨格は制定当時のままであり、車線数の決定等、今後取り組むべき課題が残されている。

<キーワード> 道路構造、車線数の決定、地域特性、サービス水準、交通容量

【報文】道路橋技術基準の現状と今後の改訂への取り組み

玉越隆史・村越 潤・渡辺博志・中谷昌一・運上茂樹

<抄録> 道路橋技術基準の中で、中心的な役割を果たしている道路橋示方書に関して、これまでの改訂経緯、次期改訂の方向性、改訂に向けて国土技術政策総合研究所、土木研究所で実施中の技術開発課題について述べる。

<キーワード> 道路橋、道路橋示方書、性能規定化

【報文】舗装技術基準の現状と高度化に向けた取り組み

伊藤正秀

<抄録> 平成13年、国土交通省から通達された「舗装の構造に関する技術基準」は性能規定に基づいている。一方、性能規定化を推進していくためには、性能評価法の一層の充実等も引き続き必要である。土木研究所が検討を進めている、技術基準の高度化に向けた各種の調査研究概要および技術基準の今後の方向性について紹介する。

<キーワード> 舗装、技術基準、性能規定、性能評価法、舗装マネジメント、アセットマネジメント、環境舗装

【報文】道路トンネルの技術基準の現状と今後の取り組み

真下英人・石村利明・砂金伸治

<抄録> 本文は、道路トンネルに関連する技術基準の変遷とトンネル構造、換気施設、非常用施設の各技術基準の現状についての主な内容を紹介するとともに、技術基準に対する今後の方向性と(独)土木研究所トンネルチームにおける研究の取り組みについて示したものである。

<キーワード> 技術基準、道路トンネル、トンネル構造、換気、照明、非常用施設

【報文】道路土工指針の高度化・体系化への取り組み

大下武志・小橋秀俊・古本一司

<抄録> 道路土工に関する技術基準として、道路土工指針シリーズがある。道路土工指針シリーズは、盛土、切土、擁壁、カルバートなどの土構造物を築造する際の建設から維持管理まで、一連の流れに沿った道路土工の基本的な考え方と技術的判断の基礎となるものを示したものである。本報文では、新しい知見の反映、新技術導入の促進と関連基準との整合性の確保、ならびに要綱の役割の明確化を目的として実施している道路土工指針の高度化・体系化に関する取り組みを紹介するものである。

<キーワード> 道路土工、新技術、技術基準

【報文】交通安全施設の技術基準の変遷と最近の話題

池原圭一・蓑島 治・岡 邦彦

<抄録> 防護柵、道路標識、道路照明施設の技術基準の変遷を紹介する。また、防護柵と道路標識については最近の話題を紹介し、道路照明については国総研で取り組んでいる照度レベルごとの視認性評価実験の結果などについて報告する。

<キーワード> 交通安全施設、設置基準、防護柵、道路標識、道路照明

【報文】遮音壁設置基準策定の方向性

並河良治

<抄録> 昨今、遮音壁を取り巻く情勢は変化しており、技術基準策定への要請が高まっている。このような背景により現在研究を進めている遮音壁の技術基準に盛り込むべき項目として、遮音性能、安全性、耐久性、リサイクル性及び技術支援を取り上げ、それぞれの項目について性能規定型の技術基準として記述する方向性を説明する。

<キーワード> 遮音壁、技術基準、性能規定、評価方法、遮音性能、安全性、耐久性、リサイクル性

【報文】道路交通のサービス水準の評価手法の検討

保久原均・桐山孝晴・塚田幸広

<抄録> 道路行政に道路利用者へのサービスの提供という視点が求められる今日、道路交通のサービスの質を評価する手法が必要とされている。本論文では、新たな評価指標の検討を行うとともに、交通量現地観測調査のデータを分析し、サービス水準を適切に評価できているかどうかの検証を行った。

<キーワード> サービス水準、評価指標、現地観測調査、旅行速度、交通容量

【報文】世界におけるFlash Floodの現状と今後の課題

西本晴男・三雲是宏・栗原淳一

<抄録> Flash Floodによる災害は、世界の山地河川で発生しており人命被害を伴う場合が多いため、地域住民の大きな脅威となっている。本稿では、このようなFlash Floodについて発生形態、対策および研究動向について報告し、今後取組んでいくべき課題について述べる。

<キーワード> Flash Flood、山地河川、発生形態


平成17年8月 報文抄録

【論説・企画趣旨】土木新事情〜社会技術としての展開と公共工事品確法〜

三木博史

【報文】路上工事期間短縮技術の効果検証

小野寺誠一・波田光敬・大下武志

<抄録> 交差点立体化工事による道路交通や周辺環境への影響を低減するために、急速施工可能な新工法について民間企業と共同研究を実施した。新工法の効果を確認するために、同一現場条件での試設計を行い、従来工法と比較して大幅に工期短縮が可能なことを確認した。また、道路交通への影響に関する試算を行い、外部コストとして定量的に評価し、影響低減の効果も確認した。

<キーワード> 交差点立体化、急速施工、路上工事、外部コスト、交通渋滞

【報文】交差点立体化事業の急速施工技術の開発

竹口昌弘・梅原 剛・福井次郎

<抄録> 都市内における交差点立体化工事の急速施工が可能となる工法の開発を目的として、民間会社6グループと共同研究を実施した。本報では、従来工法に比べ大幅な工期短縮や周辺環境への影響低減が期待できるフーチング構造及び杭頭結合構造などに関する新技術について、官民共同で実施した検証実験結果の概要を報告する。

<キーワード> 交差点立体化、急速施工、二次渋滞緩和、同時施工、フーチングの合理化

【報文】路上工事渋滞の縮減に向けた建設機械の要求性能

山元 弘・林  輝

<抄録> 道路渋滞の軽減に向け、交差点立体化が推進されている。一方、路上工事が引き起こす渋滞等の影響に対して厳しい目が向けられており、その縮減も喫緊の課題となっている。このようななか、路上工事渋滞をなるべく発生させないような交差点立体化の施工方法等を開発していく必要性が高まっている。本研究では交差点立体化工事に使用される建設機械に焦点を当て、路上工事期間の短縮や工事面積の縮小による渋滞軽減効果について検討するとともに、建設機械の改良や技術開発を促進するために、路上工事渋滞の縮減に向けた建設機械の要求性能についてとりまとめた。

<キーワード> 工事渋滞、交差点立体化、建設機械、工期縮減

【報文】工期短縮型舗装の開発

寺田 剛・伊藤正秀

<抄録> 交差点立体化における橋面舗装の工期短縮を図るために、混合物試験、試験施工、耐久性の評価、施工日数の確認及びライフサイクルコストの評価を行った。その結果、混合物性状や耐久性に優れた工期短縮型舗装として3工法を開発することができた。これにより工期の短縮及びLCCの削減に寄与する。

<キーワード> 交差点立体化、工期短縮、耐久性試験、LCC、SMA混合物

【報文】新技術活用のための入札・契約方式の試行について(交差点立体化事業における事例)

塩崎修男・堤 達也・伊藤弘之

<抄録> 国土交通省では、技術と価格を総合的に評価する総合評価落札方式を行っているが、平成16年度においては、特に新技術活用のため、設計・施工方法に関する技術提案及び本工事に要する費用の見積を受け付け、その結果を基に予定価格を作成する方式を試行している。本報文では、その事例を紹介する。

<キーワード> 総合評価落札方式、新技術活用、技術提案、予定価格

【報文】交差点立体化事業における急速施工の新技術
〜一般国道11号原田高架橋工事・現場での活用事例〜

山田栄司

<抄録> 一般国道11号坂出丸亀バイパスの原田高架橋工事について事業概要、急速施工法採用の経緯、発注方式の工夫について説明する。また採用した急速施工法の技術紹介や実施後の交通量調査に基づく検証、評価について詳細説明する。

<キーワード> 急速施工立体交差工法、総合評価落札方式、入札時VE、工期短縮

【報文】情報機器の道路交通調査への適用に関する検討

井坪慎二・塚田幸広

<抄録> 本報文では、交通量と旅行速度の計測について、情報機器(IT)の発達により可能となった高度な計測手法について、その精度・性能の面から道路交通センサスへの適用について検討を行い、さらに、今後の交通調査への情報機器の活用可能性について述べる。

<キーワード> 道路交通センサス、簡易トラカン、プローブ調査

【報文】高潮情報システムの開発

加藤史訓・福濱方哉

<抄録> 水防警報等の充実を図るため「高潮情報システム」が検討されており、その一環として国土技術政策総合研究所では浅海波浪予測モデル等を開発している。本稿では、高潮情報システムの概要と浅海波浪予測モデル開発の中間成果とともに、高潮時に住民が必要とする情報に関するアンケート調査結果を報告する。

<キーワード> 高潮、波浪推算、リアルタイム予測、浸水、海岸


平成17年9月 報文抄録

【論説・企画趣旨】持続可能な湖沼環境をめざして

佐合純造

【報文】湖沼の湖岸・沿岸帯における自然再生 ─地理学的アプローチ─

平井幸弘

<抄録> 本稿では、これまで提示された水辺での自然再生に関する重要な視点について、応用生態学、文化論・生活論、地形学・地質学、景観生態学の立場を紹介し、次に地理学の視点から湖岸・沿岸帯での自然再生では、「人と自然の関係の再生」も重要であるとし、人為的な環境変化を客観的に評価することで、「人と自然の関係」の再生をめざすことが望まれるとした。

<キーワード> 湖岸景観、土地条件、人為的環境変化、人と自然の関係の再生

【報文】貯水池周辺の環境対策の考え方とその事例

天野邦彦

<抄録> ダム事業は、周辺環境の大規模な改変を伴う可能性があるため、環境影響評価を行い、適切に周辺環境の保全が行われるよう配慮する必要がある。本稿は、ダム周辺環境保全対策について、過去からの経緯を含めて現在の状況について、事例を通して概説するものである。

<キーワード> ダム、貯水池、環境影響評価、環境保全措置

【報文】高濃度酸素水供給による貯水池の水質保全

阿部千雅・津森ジュン・鈴木 穣

<抄録> 筆者らは、貯水池において表層対策との併用が可能な底層の貧酸素対策として、気体溶解装置により強制的に酸素を溶解させた湖水を底層部へ供給する高濃度酸素水供給システムの開発を行ってきた。本システムは、水温成層を破壊することなく底層のみに溶存酸素を供給することに加え、底層の水温、溶存酸素(DO)を連続モニタリングし自動制御することにより効率的な酸素溶解が可能である。本研究では、実際の貯水池での高濃度酸素水注入実験により、水温成層を維持したまま効率的に底層へ酸素を供給することが可能なことと、それに伴いPO4-Pの溶出抑制効果があることを確認した。

<キーワード> 高濃度酸素水、溶存酸素、底質、栄養塩の溶出、連続モニタリング

【報文】湖沼沿岸帯の自然再生

中村圭吾・天野邦彦

<抄録> 湖沼沿岸帯の再生が各地で盛んになってきている。本稿では、霞ヶ浦、宍道湖、ボーデン湖など各地の再生事例から明らかになってきた湖岸再生のポイントについて検討、分析した。また、現状における技術的課題としてダイナミックな湖岸環境の再生、外来種対策などについて議論した。

<キーワード> 湖岸、復元、保全、植生帯

【報文】モデルによる過去の湖沼環境の復元 ─印旛沼の水生植物と濁度─

天野邦彦・時岡利和

<抄録> 印旛沼において、水生植物の再生事業が始まっている。この事業の実現可能性や、水質への影響について、事前に定量的に評価することが望まれている。水生植物が水質に与える影響について、風波による底泥巻き上げの抑制に注目し、現況再現と過去の状況下での計算を行い、過去の水質データと比較することで、上記の評価を試みた。

<キーワード> 印旛沼、水生植物、水質、自然再生、モデル

【報文】東北地方整備局における即時震害予測システム(SATURN)の開発

長屋和宏・日下部毅明・真田晃宏

<抄録> 東北地方整備局の大規模地震発生時における震後対応能力向上を目的に即時震害予測システムの開発を実施した。システムの構築にあたっては、近年発生した地震による課題などの整理、試験運用中のプロトタイプシステムより得られた知見の整理などを行うと共にその成果を反映させた。本稿では、開発したシステムの役割・機能と個別の予測手法について、プロトタイプシステムからの改良点を中心に紹介した。

<キーワード> SATURN、震害予測、地震動分布、宮城県沖地震

【報文】成果志向の道路行政を支援する政策マネジメント技術

荻野宏之・塚田幸広

<抄録> 成果志向の道路行政を支援することを目的として、海外の行政マネジメント手法の調査、バランスドスコアカード等の新たな手法の行政マネジメントへの導入可能性についての研究、アウトカム指標の測定と評価技術に関する研究、現場における行政マネジメントの実践支援等を実施した。

<キーワード> 政策マネジメント、バランスドスコアカード、業績連動型予算、アウトカム指標

【報文】降水指標による地すべり警戒基準に関する調査(第2報)

鈴木将之・藤澤和範

<抄録> 地すべり警戒基準雨量設定手法の提案を目的として、伸縮計・水位計データとアメダス降雨データを整理した。地盤変位件数、水位上昇件数と実効雨量ならびに降雨後の最高実効雨量との関係を調べた結果、抽出条件ごとに計算結果のばらつきはあるものの、全体としては長期間一定の観測態勢を継続すれば、初期段階の地すべり降雨警戒基準を設定しうることがわかった。

<キーワード> 地すべり警戒基準、地盤変位、降雨、頻度、実効雨量


平成17年10月 報文抄録

【論説・企画趣旨】高齢者のモビリティと交通安全

山田晴利

【報文】ITS セカンドステージへ

平井節生

【報文】都市高速道路のカーブ区間におけるAHS社会実験

牧野浩志・山崎 勲・平沢隆之

<抄録> 2005年3月から5月までの間、既に市販され普及している3メディアVICS対応カーナビを使用している一般ドライバーに前方の障害物の情報を提供することで、追突事故や側壁衝突事故の削減とヒヤリ・ハットする危険な状況を減少させる前方障害物衝突防止支援サービスの社会実験を実施した。本稿ではその結果について報告する。

<キーワード> AHS、前方障害物衝突防止支援サービス、VICS、センサー、ヒヤリ・ハット

【報文】車線利用率適正化によるサグ部交通渋滞の削減

牧野浩志・大内浩之・平沢隆之・山田康右

<抄録> AHS技術を活用した渋滞対策として検討中の“車線利用率適正化サービス”の開発に向け、代表的なサグ部渋滞箇所である東名高速大和地区を対象に交通実態等の観測・分析を行った。その結果、渋滞直前まで第1走行車線には余裕があり、車線変更可能な車間が保たれていることが判り、サービスの実現可能性を確認した。

<キーワード> AHS、サグ、渋滞、情報提供、高速道路

【報文】デジタル道路地図の高度化

関本義秀・上坂克巳

<抄録> 我が国で既に1800万台以上普及しているカーナビは、新しい安全支援サービスの共通基盤的な役割を担うと期待されており、それにともない地図への利用者ニーズも高度化している。本報文では、走行支援システムへの活用のためのデジタル地図の整備、および迅速な更新に向けた取り組み等について紹介する。

<キーワード> デジタル地図、カーナビ、走行支援システム、道路基盤データ、GIS

【報文】アップリンク情報を活用した走行支援サービス

平井節生・川名万寿雄・牧野浩志・高宗政雄

<抄録> アップリンクされた車両情報を活用することに対するニーズの調査を行い、多様なニーズがあることを明らかにした。また、走行支援サービスについて、具体的なシステムの検討を行い、今後の研究開発の方向性を示した。

<キーワード> 安全走行支援、AHS、アップリンク、車両情報、DSRC

【報文】SA・PA接続型スマートICの社会実験

大内浩之・川名万寿雄・大塚新吾・真部泰幸

<抄録> スマートICは、ETC専用のICであり、現行の設置に比べて少ない建設費で済むため、追加ICの整備を促進し、高速自動車国道の有効活用に大きく貢献すると期待されている。ITS研究室では、スマートICの社会実験における運用要件を基に、現行のETC路側機構成等の見直しを行い、SA・PA接続型スマートIC社会実験用ETC路側機器の開発を行った。本論文は、SA・PA接続型スマートIC社会実験の概要と社会実験用ETC路側機器の機能及びそれらの機器を用いたシステム検証結果を紹介する。

<キーワード> ETC、インターチェンジ、社会実験、サービスエリア、パーキングエリア

【報文】一般化時間による交通結節点の乗り換え利便性の評価手法

諸田恵士・塚田幸広・河野辰男

<抄録> 本研究は公共交通の利用促進に向けて交通結節点の乗り換え利便性の定量的な評価手法を確立することを目的としている。
 ここでは、評価手法として一般化時間を採用し、鉄道駅における階段等による乗り換え負担感を時間換算するとともに情報案内等の駅施設の形態による心理的負担をも定量化を試みた上で、乗り換え利便性の評価を行った。

<キーワード> 交通結節点、一般化時間、等価時間係数、駅前広場、評価手法

【報文】津波遡上に及ぼす護岸の効果

加藤史訓・福濱方哉

<抄録> 津波遡上に対する堤防などの海岸保全施設の効果を定量的に評価するため、2004年12月26日にスマトラ島沖で発生した地震によるインド洋での津波の再現計算を行い、津波遡上に対するモルディブ・マレ島の護岸の効果を検証した。

<キーワード> 津波、護岸、遡上計算、浸水深、流速


平成17年11月 報文抄録

【論説・企画趣旨】水資源・水管理特集によせて

栗城 稔

【報文】地球温暖化と水資源

風間 聡

<抄録> 地球温暖化が水資源に与える影響は、幅広くて深刻な問題であるが、不確実性が大きいため正確なことは未だ不明である。将来の温暖化の問題に対して調査、研究を進展させることと同時に効果的な適応策を論じることが重要である。

<キーワード> 直接的影響、間接的影響、適応策、不確実性

【報文】気象予測の水管理実務への活用

和田一範

<抄録> 気象予報の現状および国・地方自治体の洪水予報の最近の状況を紹介するとともに、内閣府総合科学技術会議「地球規模水循環変動研究イニシャティブ」の一環として実施中の「地球規模水循環変動に対応する研究」の成果の一部として降雨の予測精度および予測降雨を用いた流出予測の精度に関する検討結果を報告する。

<キーワード> 気象予報、洪水予測、水管理、降水短時間予報、予測精度

【報文】ダムの洪水調節容量に計画上の余裕が必要となる要因とその定量的評価

金銅将史・安田成夫・筋野晃司

<抄録> 洪水調節を行うダムにおいて、計画上、洪水調節容量を一定の余裕を考慮して設定することは、流入波形の不確実性等の諸要因に対し、合理的な対処法であることが改めて示されるとともに、個々のダムの洪水調節実績の分析から、洪水調節容量の余裕分に相当する容量の活用度合いはダムによって差があることが明らかになった。

<キーワード> 洪水調節容量、安全上の余裕容量、洪水ハイドログラフ、ケーススタディ

【報文】両筑平野における地下水動向把握のための調査研究

天方匡純・川豈将生・冨澤洋押

<抄録> 本報文は、筑後川水系佐田川・小石原川流域に広がる両筑平野を対象に、既存文献やヒアリング調査結果から社会的・自然的インパクトと地下水位変動との関係を定性的に整理したものである。
 調査・整理の結果、両筑平野での地下水低下傾向が確認でき、その要因は水田面積の減少によるものであると推測した。

<キーワード> 水資源有効利用、定性的地下水動向把握、地下水位低下、水田涵養、両筑平野

【報文】窒素を対象とする農地汚濁負荷量算出方法の提示と分布型モデルによる河川・地下水の水質解析

飯泉佳子・木内 豪・深見和彦

<抄録> 流域管理の観点からの水質改善を行う上で必要となる、1)既存の統計情報に基づく農地における物質収支の時空間分布定量化手法の提示と、2)農地流域に適用可能な分布型水・物質循環モデルの作成と適用結果について紹介する。なお、ここでは茨城県の牛久沼流域をケーススタディ流域とし、水質項目として無機態窒素を対象とした。

<キーワード> 分布型モデル、窒素、農地、物質循環、水循環、牛久沼

【報文】米国における道路行政マネジメントの取り組み

西尾 崇・塚田幸広

<抄録> 米国における道路行政マネジメントについて、日本における取り組みと比較して特徴的なものについて報告する。具体的には、部局毎の業績計画書の作成、日常の組織マネジメントへの利用、アカウンタビリティ向上、という三点について具体的な事例を交えて報告する。

<キーワード> 道路行政マネジメント、業績評価、業績計画書、組織マネジメント、アカウンタビリティ

【報文】フィルダムの安全管理へのGPSの利用

山口嘉一・小堀俊秀・横森源治・大野 誠

<抄録> 管理中のダム数が年々増加する一方、ダム管理に係わる費用の縮減を達成しなければならない現状において、安全管理のための計測の合理化が求められている。本報文は、既設の中央土質遮水壁型ロックフィルダムにおいて、光波測量および水準測量に基づく従来の外部変形計測とともに、GPSによる外部変形計測を行い、GPSによるフィルダム外部変形計測の可能性について考察するものである。

<キーワード> フィルダム、安全管理、GPS、外部変形計測

【報文】砂防えん堤水抜き暗渠からの土砂流出への対応

栗原淳一・山越隆雄・田方 智・若林栄一

<抄録> 全国から報告された砂防えん堤の水抜き暗渠からの土砂の突出発生事例について、発生した渓流や水抜き暗渠の形状の特徴について整理し、それらの関係について考察した。そして、対応策の事例を取りまとめ、それぞれの対応策に関する留意事項を示した。

<キーワード> 水抜き暗渠、砂防えん堤、土砂突出


平成17年12月 報文抄録

【論説・企画趣旨】最近の地震被害を踏まえた耐震技術

松尾 修

【報文】地震に起因する土砂災害対策の現状と課題

小山内信智・栗原淳一・藤澤和範・花岡正明

<抄録> 2004年に発生した中越地震を対象に、地震に起因する土砂災害対策の現状と課題について検討した。その結果、対策施設の地震に対する安定性の評価手法、地すべり発生危険箇所の予測手法、早期に河道閉塞箇所を抽出する手法に関する検討が今後必要であることが明らかとなった。

<キーワード> 中越地震、土砂災害、対策施設、地すべり、河道閉塞

【報文】道路トンネルの地震被害の概要と課題

真下英人

<抄録> 2004年10月23日に発生した新潟県中越地震においては、関越自動車道、国道17号、国道291号などの幹線道路、上越新幹線、上越線などの主要鉄道幹線に大きな被害が生じ、特に地震の被害を受けにくいと言われてきたトンネルで多くの被害が生じたのが特徴となっている。この報文は、道路トンネルにおける全般的な被害状況と比較的大きな被害が発生した5トンネルの被害の概要およびトンネルの地震対策を実施する上での技術的課題について報告するものである。

<キーワード> トンネル、地震被害、覆工コンクリート、被害発生要因

【報文】新潟県中越地震の被害から見た道路盛土の耐震技術の課題

松尾 修・杉田秀樹・佐々木哲也

<抄録> 新潟県中越地震における道路盛土の被害の特徴を述べる。つぎに、特に被害の目立った沢埋め盛土の被害について、被害メカニズムを説明するとともに、地震対策のあり方を述べる。

<キーワード> 新潟県中越地震、道路盛土、対策工

【報文】下水道管路施設の耐震対策技術

佐々木哲也・杉田秀樹・石原雅規

<抄録> 2003年十勝沖地震や2004年新潟県中越地震では下水道管路施設に液状化による被害が多発した。これらの地震による下水道施設の被害をふまえ、「地震対策の現状と既存施設の地震対策への提言」がまとめられる等、下水道施設の耐震性の向上が求められている。本報では、2003年十勝沖地震および2004年新潟県中越地震の下水道管路施設の被害を概観し、下水道管路施設の液状化被害の要因、および液状化対策手法に関する研究内容について紹介する。

<キーワード> 下水道管路施設、液状化、十勝沖地震、新潟県中越地震、動的遠心模型実験

【報文】大規模地震に対する河川堤防の耐震設計技術

石原雅規・杉田秀樹・田村敬一

<抄録> これまで河川堤防の耐震設計は、中規模地震動を考慮した設計を行ってきたが、近年、大規模地震動に対する評価が求められるようになってきている。このため、大規模地震動に対する河川堤防の耐震性能の照査やその照査において不可欠な地震時変形量推定法に関する検討を進めているところである。ここでは、検討の概要を報告する。

<キーワード> 河川堤防、大規模地震動、耐震設計、地震時変形解析

【報文】大地震時における道路橋の被災度推定手法

小林 寛・運上茂樹

<抄録> 大地震発生直後においては、被災時の復旧が容易ではない道路橋の被災度把握は最も重要な情報の1つである。地震後緊急道路ネットワークを早期に確立するためには、直ちに被災が想定される橋梁を特定し、効率的な点検が実施できるようにする技術が有効と考えられることから、既往の震災データに基づき、大地震発生時に現地の地震計情報と各橋梁の基本的情報をもとに被災度を簡便に推定する手法について検討を行った。本文では推定手法を提案し、近年の被害地震に適用し提案手法の有効性を検証した結果について述べる。

<キーワード> 橋梁、被災度推定、フローチャート、SI値、被害データ

【報文】繊維強化プラスチックの水門設備への適用性に関する検討

冨山禎仁・西崎 到

<抄録> 繊維強化プラスチック(FRP)の水門分野への適用性を確認し、普及のための課題点を整理した。その一方で、河川環境におけるFRPの長期耐久性に関する基礎資料をまとめるために、既に供用されているFRP水門の経年劣化状況を調査するとともに、実験室における水門用FRPの耐久性試験を行った。

<キーワード> 繊維強化プラスチック、水門、扉体、維持管理、耐候性、耐水性、耐食性

【報文】道路用浸透トレンチの雨水流出抑制性能

中島伸一郎・堤 祥一・大下武志

<抄録> 特定都市河川浸水被害対策法に対応した道路路面雨水処理技術として浸透トレンチに着目し、その基本的な流出抑制性能を調査するための室内模型実験と流出計算を実施した。実験の結果、土質や地下水位が浸透トレンチの浸透量に及ぼす影響を明らかにするとともに、比浸透量の考え方に基づく既存の浸透量設計式が有効であることを確認した。また、流出計算に基づいて、地盤の透水係数と浸透トレンチの流出抑制性能の関係を確認した。

<キーワード> 特定都市河川浸水被害対策法、浸透トレンチ、注水実験、流出計算、透水係数、地下水位

【報文】道路橋に見るアルカリ骨材反応の実態

河野広隆・古賀裕久

<抄録> 2003年に実施された全国の道路橋のアルカリ骨材反応(ASR)劣化実態調査の結果を報告する。直轄道路橋の約2%程度に何らかのASRの症状が出ていること、さらにその1/4が補修の検討が必要なこと、劣化構造物の分布には、竣工時期や地域による差が大きいこと、1986年のASR抑制対策実施後の構造物には劣化が見られないこと、等を明らかにした。

<キーワード> コンクリート構造物、アルカリ骨材反応、耐久性、維持管理、全国調査