(財)土木研究センター/刊行物/月刊誌土木技術資料抄録/平成14年
 
平成14年1月 報文抄録

【論説】 土木に対する学生からのメッセージ

岡原美知夫

【報 文】 砕砂を使用したコンクリートの単位水量低減手法の検討

片平 博・河野広隆

<抄録> コンクリート用細骨材に砕砂を使用した場合の問題点および対応策について検討した。この結果、砕砂を使用するとコンクリートの単位水量が増加する。対応策としては々眄能AE減水剤を使用する、∈蚤臍胴材寸法を大きくする、9材の粒度分布を調整する、の3手法を検討したが,諒法が最も効果的であった。

<キーワード> 砕砂、コンクリート、高性能AE減水剤、粗骨材最大寸法、細骨材粒度分布

【報 文】 コンクリートの急速塩分透過性試験の適用性

渡辺博志・河野広隆・田中良樹・渡辺 豊

<抄録> 電気泳動を用いてコンクリートの塩分透過性を短時間に評価する試験方法について、その妥当性について検討を行った。コンクリートの塩分透過性の判定指標として用いられている通過電流量は必ずしも塩化物イオンの透過性を直接反映したものではないこと、通過電流量よりも、通電後の供試体を用いて測定する塩分透過深さの方が、評価尺度として適切であることが明らかとなった。

<キーワード> 塩害、急速塩分透過性拭験、比抵抗、軽量コンクリート、高炉スラグ

【報 文】 電磁波レーダ法、衝撃弾性波法によるコンクリート構造物検査方法の提案 ―コンクリート強度、部材厚き、かぶり厚さの推定一

森濱和正

<抄録> コンクリート構造物の非破壊試験として、電磁波レーダ法によるかぶり厚さと部材厚さ、衝撃弾性波法による部材厚さと圧縮強度の推定方法について検討した。電磁波レーダ法は、コンクリート内部の電磁波速度の分布を求めることにより、部材厚さ、かぶり厚さを精度良く推定することができた。衝撃弾性波法も比較的精度良く部材厚さ、圧縮強度を推定できた。

<キーワード> コンクリート、含水率、電磁波レーダ、衝撃弾性波、厚さ、圧縮強度

【報 文】 補修したPC部材の曲げ強度

渡辺博志・ 河野広隆・ 田中良樹

<抄録> 断面修復の実施がPC部材の曲げ強度、ひび割れ強度およびプレストレスの損失に及ほす影響について、実験的検討を行った。この結果、断面のはつりによりPC鋼材の緊張力が低下すること、はつり作業においてPC鋼材に損傷が生した場合、PC部材の強度が低下するとともに、変形性能が大幅に低下することが明らかとなった。

<キーワード> 補修、プレストレストコンクリート、断面修復、ひび割れ幅

【報 文】 二輪車を考慮した段差舗装の設置に関する実験検討

若月 健・森 望・安藤和彦

<抄録> 段差舗装が二輪車運転者に与える影響を不快態、減速感、危険感を評価項目として走行実験により調査した。その結果二輪車を考慮すると、二輪車の制動する区間や曲線部では段差を設置しないなどの検討を行うことが、より望ましいと考えられることなどを得た。得られた結果に基づき、曲線区間や交差点手前での望ましい設置方法の考え方を導き出した。

<キーワード> 二輪車、段差舗装、薄層すベリ止め舗装、交通事故対策

【報 文】 シールドエ事のコスト縮減方策に関する研究

石村利明・真下英人

<抄録> シールドセグメントの設計法および製作につぃて、コストダウンの可能性のある縮減項目の抽出を行うとともに、縮減方策の検討を行った。その結果、本検討の全てのコスト縮減項目を採用した場合、最大で約30%弱のコスト縮減が可能となることが分かった。
また、良質地盤の作用荷重などの設計法の見直しの項目は、現段階ですぐに適用できないがコスト縮減効果ガ高いことが確認された。

<キーワード> シールドトンネル、コスト縮減、セグメント

【報 文】 涸沼川洪水観測施般における流砂観測結果の評価から明かになった流砂観測の留意点

諏訪義雄・平舘 治・谷口 丞

<抄録> 世界的にも珍しい掃流秒からウォッシュロードまで観測可能な装置による, 涸沼川洪水観測施設での流砂観測結果をもとに、[砂観測データは幅を有するものであり、年間土砂移動量の算定方法によっては、流域土秒管理を検討する上で無視できない差が生じること、年間土砂移動量を確定するためには、有効粒径集団・流秒運動形態予測等を踏まえた丁寧な検証が必要であること等を述べた。

<キーワード> 流域土砂管理、流砂観測、粒径集団、年間土砂移動量、流砂運動形態


 
平成14年2月 報文抄録

【論説】構造物の設計と理論

佐藤弘史

【報 文】 上部構造端部と橋台の衝突が橋全体の地震時挙動に及ぼす影響

運上茂樹・近藤益央・三上 卓

<抄録> 本研究は、道路橋の桁端部構造の合理化を図ることを目的とし、両端に橋台を有する道路橋を対象に桁端部の遊間を大規模地震時に生じる相対変位より小さく設定した場合の桁と橋台間の衝突が橋全体の地震時挙動に及ぼす影響について解析的に検討するとともに、衝突による衡撃力を緩和するために設置する緩衡装置の効果について検討した結果をまとめたものである。解析から、上部構造と橋台間に衝突が生じることにより効果的に地震時応答を低減可能であることが確認できた。

<キーワード> 衝突、上部構造端部、橋台、緩衛装置

【報 文】 非線形変形特性を考慮したフィルダム基礎の設計

山口嘉―・岡部 登・赤松利之

<抄録> 本報文では、フィルダム軟岩基礎のひずみや圧カレベルに依存した非線形性に焦点を当て、フィルダム基礎の合理的な設計方法について検討した。その結果、基礎の変形量予測には、非線形変形特性のみならず、基礎の弾性係数の深度方向分布を考慮することが重要であることがわかった。

<キーワード> フィルダム、軟岩、基礎設計、非線形変形特性、数値解析

【報 文】地盤定数設定の実態に関するアンケート調査

秋田直樹・福井次郎・白戸真大・松井謙二

<抄録> 最適な地盤定数を確立することを目標に、地盤調査や地盤定数の設定について、発注、調査、設計、施工に関わる技術者を対象にアンケート調査を実施した。調査の結果、現状では、地盤調査において不満足な点があると考えている人がかなり多く、発注形態や各立場の意思疎通の重要さなど、現在の地盤調査に対して改善を望む人が非常に多いこと等が判明した。

<キーワード> 地盤調査、地盤定数、基礎、アンケート調査

【報 文】 鋼製橋脚の新しい耐震設計法

中谷昌一・中洲啓太・西川和廣・村越 潤・小野 潔・高橋 実

<抄録> 鋼製橋脚の非線形動的解析に用いる復元カモデルとして、道路橋示方書・同解説V耐震設計編では、1本柱の鋼製構脚のP―δ関係に基づく復元カモデル設定例が示されている。しかしながら、橋梁全体系の非線形動的解析による耐震設計を行う場合、復元力モデルとしてより汎用性の高いM―φモデルが重要となってくると考えられる。本稿では、提案する鋼製橋脚の耐震設計法の基礎的な考え方を概説した上で、M―φ関係に基づく復元力モデルの設定例を示した。また、提案した復元力モデルを用いて解析結果と実験結果との比較を行い、提案したモデルの妥当性を検証した。

<キーワード> 鋼製橋脚、耐震設計法、非線形動的解析、M―φモデル

【報 文】 近接切土工事が既設トンネルに及ぼす影響 ―現場計測結果と数値解析の適用性について―

蒲田浩久・真下英人

<抄録> 近接切土工事にともなう既設トンネル挙動に関する現場計測事例の分析を行った。その結果、切土方向の違いによる覆工挙動の特性が明らかになった。特に、同じ上部切土でも地盤条件の違いにより挙動が大きく異なる場合あることが示された。これは、数値解析結果との比較から、変形係数の逮いだけでなく覆工と地山の接触状況の違いが影響している可能性があることが示された。

<キーワード> キーワード:近接施工、現場計測、トンネル、数値解析

【報 文】 大気汚染浄化型舗装の開発 ―木質炭化骨材の基礎的特性について―

中村俊彦・明嵐政司

<抄録> MDFを原料とした炭化骨材の舗装用骨材としての物性及びNOx除去特性を調べ、大気汚染浄化機能を有する舗装用骨材としての適用の可能性を見出した。

<キーワード> 大気汚染浄化、舗装、炭化骨材、ウッドセラミックス、NOx

【報 文】 下水処理過程からの温室効果ガスN20の排出特性

平出亮輔・鈴木 穣・川嶋幸徳

<抄録> 下水処理過程において生成するN2O(一酸化二窒素)の排出特性を明らかにするため、実験プラントを使用し、運転条件を変更しながら長期にわたり調査を行った。その結果、下水に含まれるアンモニア性窒素の硝化とN2O排出量の間に相関が見いだされ、硝化が不安定になるとN2Oの生成量が大きくなることが判明した。

<キーワード> 温室効果ガス、一酸化二窒素、下水処理、硝化

【報 文】分布物理型水循環モデルWEP MODELを用いた茨城県谷田川流域の水収支の定量化

賈 仰文・木内 豪・戸嶋光映・吉合縦一

<抄録> 分布物理型水循環モデルWEP MODELの適用性を高めるため、茨城県谷田川流域の水循環解析を実施して流量と地下水位の連続測定結果との比較を行い、良好な再現性を得た。また、流域水収支の定量化を行うとともに、常磐新線沿線の開発に伴って、浅層地下水位が2m以上低下するエリアが出現することや、洪水時の流量が20〜60%程度増加することを推定した。

<キーワード> 水循環、分布物理型モデル、WEP MODEL、谷田川流域、都市開発


平成14年3月 報文抄録

【論説】N値の世界・岩盤分類の世界

中村康夫

【報 文】 谷状地盤における地震動増幅特性の評価

片岡正次郎・田村敬一・松本俊輔

<抄録> 谷状地盤における地震動増幅を表す指標として平均増幅率を提案し、形状の異なる種々の谷状地盤のモデルについて平均増幅率を計算した。その結果から、谷状地盤の形状が平均増幅率に及ほす影響を明らかにするとともに、平均増幅率の簡単な評価式を提示した。

<キーワード> 谷状地盤、地震動、分布入射波平均増幅率、平均増幅率、境界要素法

【報 文】 地盤―基礎系模型を用いた橋梁全体系に関するハイブリッド振動実験

小林 寛・田村敬一・谷本俊輔

<抄録> 本研究では、橋梁全体系の振動挙動を解明する実験手法として、振動実験と振動応答数値解析を結びつけたハイブリッド振動実験を取り上げ、フーチング、橋脚および橋桁を数値解析モデル、振動挙動が複雑な地盤および杭基礎を実験模型として実験を行い、橋梁全体系の振動挙動を実験的に明らかにした。その結果、橋脚の塑性化程度に応じて応答加速度は変化するものの、杭基礎に作用する曲げモーメントには顕著な差異が認められず、今回の実験の範囲では、橋脚の塑性化程度が杭基礎の応答に及ぼす影響は小さいことが判明した。

<キーワード> ハイブリッド振動実験、振動台実験、橋梁基礎、数値解析、橋梁全体系

【報 文】 岩盤中の弱層を構成する粘土の鉱物化学的性質

脇坂安彦・小原雅人・原田政寿・高橋 努・田中政司・古市久士・大神昭徳

<抄録> 岩盤中の弱層の種類を判断する手法の開発を目的に、弱層に狭在される粘土の鉱物化学的性質を調べた。その結果、粘土の色彩のC*とL*との関係、Fe2O3とFeOとの関係、石英の結品度指数によって弱層の一部の種類が識別できること、壁岩の種類が同一の場合には、色彩によって各弱層を構成する粘土は識別できることがわかった。

<キーワード> 弱層、粘土、風化、熱水変質

【報 文】 ボス供試体と小径コアによるコンクリートの圧縮強度の推定実験

片平 博・森濱和正・石原雅規・河野広隆

<抄録> コンクリート構造物に与えるダメージが小さく、かつコンクリート強度を直接的に測定する手法としてボス供試体による方法と小径コアによる方法をとりあげ、これらを用いてコンクリート構造物の強度測定試験を実施した。この結果、いずれの方法でも比較的精度良く強度を推定することができた。

<キーワード> コンクリート、ボス供試体、小径コア、強度推定

【報 文】 デジタルカメラ及びビデオ画像を用いた岩盤変位の簡易な測定方法

千田容嗣・門間敬一・浅井健一

<抄録> デジタルカメラ・ビデオ画像による岩盤変位の簡易な計測方法の適用可能性を検討した。伸縮計の計測結果と比機検討した結果、cmオーダーの精度で簡易な画像計測でも崩壊に至るまでの岩盤の変状を捉えられることがわかった。また、画像を動画化することにより岩盤の変位の有無、落石等で変化した箇所や変動している範囲を視覚で認知しやすくなることがわかった。

<キーワード> 岩盤の変状、デジタルカメラ、ビデオカメラ、変位計測

【報 文】 実用化間近な二層式排水性舗装―その減音メカニズムと諸特性―

小柴 剛・上坂克己・並河良治

<抄録> 日本で実用化が近いMAP施工(二層を同時に施工する方法)の二層式排水性舗装の減音効果等を明らかにした。その際、ヨーロッパで普及している各層別々施工と比較して検討を行った。その結果、MAP施工の減音効果は一層式排水性舗装よりも5.3dB(乗用車80km/h)大きくなった。また、各層施工と比較したMAP施工の利点として次の二つを明らかにした。(1)MAP施工のDS値は7,580回/mmであり、耐流動性が大きい。(2)MAP施工は施工時間が短く共用道路の敷設も可能。

<キーワード> 二層式排水舗装、減音効果、耐流動性、MAP施工

【報 文】 樋門、樋管周辺のパイピング特性に関する大型模型実験

古本一司・恒同伸幸・三木博史・小畑敏子

<抄録> 河川堤防に設けられる樋門・樋管構造物と堤体との境界部においては、パイピング破壊の原因となる水みち等が形成されやすく、堤防の弱点筒所となる可能性がある。そこで、パイピング発生メカニズム、遮水工の効果及び設計法を校証するために大型模型実験を行い、空洞が存在することによる安全性の低下、および遮水工の効果が確認された。さらに遮水工の設計法に関する知見を得た。

<キーワード> 河床変動、モニタリング、特性把握、予測計算

【報 文】 道路事業における生態系の環境影響評価手法の提案

角湯克典・川上篤史・並河良治

<抄録> 本稿では、ケーススタディによる調査研究結果に基づき道路事業における「生態系」の環境影響評価手法について提案した。具体には、生態系の環境影響評価手法として、評価対象とする生態系から注目される生物種または生物群集を複数選び、これらに関する調査・予測を行うことによって生態系に対する影響の程度を把握する手法を提案した。

<キーワード> 環境影響辞価、生態系、注目種・群集、道路事業


平成14年4月 報文抄録

【論 説】これからの土木研究所について考えること

北川 明

【報 文】 流砂系一貫の土砂管理による海岸保全計画に関する調査

鳥居謙一・山本幸次

<抄録> 平成13年度において、国上交通省技術研究会の1テーマとして「流砂系一貫の土砂管理による海岸保全計画に関する調査」を行った。調査は、海岸の特性としての海浜断面形状や堆積物の粒径などの基礎的なデータを収集・整理する「海岸特性調査」、代表海岸の土砂動態と海岸保全計画(案)に関する「土砂動態調査」、河川流出土砂量の河口部海浜への影響を検討する。「河口部土砂動態調査」、および海岸における土砂動態の調査手法を確立するための「土砂動態調査手法」からなる。本報告ではそれらの成果を要約して、全国侵食実態図(2001年版)、加越海岸における土砂動態、安倍川からの流出土秒量の変遷と静岡清水海岸の侵食実態の関係について述べる。

<キーワード> 流砂系、土砂管理、海岸保全計画、全国侵食実態図

【報 文】 水系―貫土砂管理に向けた河川における土砂観測、土砂動態マップの作成及びモニター体制構築に関する研究

諏訪義雄

<抄録> 土砂管理上の課題を抱える全国21河川を対象に、流砂観測等水系土砂管理を念頭に置いた土砂動態調査を試みた。その結果、土砂動態調査の計画・立案、結果とりまとめの具体的手順・手法と各河川で今後実施すべき調査内容を整理できた。新たに開発した汎用性のある浮遊砂観測手法が現地で適用可能なことがわかった。

<キーワード> 水系土砂管理、流砂観測、粒径集団、土砂動態調査、流砂運動形態

【報 文】 流砂系における土砂移動実態に関する研究

寺田秀樹・水野秀明

<抄録> この報文は、国土交通省国土技術研究会指定課題「流砂系における土砂移動実態に関する研究」(平成11〜13年度)の結果をとりまとめたものである。平成11〜13年度において姫川および安倍川で行った土砂移動モニタリング結果より推定した粒径別土砂移動マップ、ならびに黒部川水系祖母谷に設置された透過型砂防堰堤の効果について既往資料の解析等を行った事例を報告する。

<キーワード> 流砂系、土砂移動実態、モニタリング、透過型砂防堰堤

【報 文】災害対策用機械配備の考え方

荒井 猛

<抄録> これまでの災害対策用機械の配備計画では、地方整備局毎にその種類や台数などを定めているがより効果的な災害対策を行うため、的確な配備の手法が求められている。本稿は近年の災害の特徴及び災害対策用機械配備状況を整理した上で、災害用機械配備の基本(共通)の考え方について整理し、各地方整備局がそれぞれの地域特性を考慮して行う災害対策用機械配備計画立案にための方向性を示したものである。

<キーワード> 災害対策用機械、災害対策、防災業務計画、配備計画

【報 文】 光ファイバセンサによる道路斜面崩壊モニタリングに関する検討

加藤俊二・三木博史・恒岡伸幸・田中 衛・小川鉄平

<抄録> 光ファイバセンサを活用した道路斜面表層崩壊モニタリングシステムの構築を目指し、全国6カ所でフィールド試験方式でその適用性の検討を行っている。そのうちの1カ所で事前通行規制解除後の崩壊を検知し、道路管理への有効性が確認された。また、崩壊の前兆らしき変位も捉えており、崩壊予測につながるような貴重なデータが得られた。

<キーワード> 光ファイバセンサ、斜面表層崩壊モニタリング、フィールド試験、崩壊検知事例

【報 文】フィルタ材料の許容最大細粒分含有率に関する実験的検討

山口嘉一

<抄録> フィルダムのフィルタ材料は非粘着性であることが要求される。現在、そのための基準として、粒経0.074mm以下の細粒分含有率が5%以下であることを規定しているが、細粒分合有率が5%以上であっても非粘着性で、かつ十分な排水性能を有していることが確認できれば、フィルタ材料として有効使用できる。本報文では、Vaughanが提案したSand Castle試験を取り上げ、この試験による非粘着性の判定方法や、フィルタ材料の許容最大細粒分含有率について検討した。

<キーワード> フィルダム、フィルタ基準、非粘着性、Sand Castle試験

【報 文】 性能評価に基づく道路施設の耐震性水準の設定手法に関する一検討

村越 潤・大谷康史・大住道生・吉澤勇一郎

<抄録> 道路を構成する要素施設に対して各施設に共通の耐震性能評価指標を提案するとともに、その指標を用いることにより、各施設の耐震性水準を道路ネットワーク全体としての耐震性能に関連付けて横断的に比較可能な形で表現する方法を示した。さらに、橋梁と盛土を対象に、試設計を通じて耐震性水準を試算し、比較を行った。

<キーワード> 性能設計、耐震性水準、横断的整合、道路施設、橋梁、盛土

【報 文】 熱間押抜法によるガス圧接継手鉄筋の検査の精度に関する検討

森濱和正

<抄録> 鉄筋のガス圧接継手の検査の信頼性向上のため、目視で全数検査が可能な熱間押抜法について、押抜径を大きくした場合の検査精度や強度特性の検討を行なった。これまでの押抜径に比べ大きくすると、圧接ふくらみ部の外周付近に欠陥があるような場合は、検査の信頼性、継手部の強度、衝撃特性も改善できる可能性があることが明らかになった。

<キーワード> 鉄筋、ガス圧接継手、熱間押抜法、押抜径、目視、全数検査、強度特性


平成14年5月 報文抄録

【論 税】 土質・基礎分野における最近の動向と土木研究所の役割

三木博史

【報 文】 マイクロパイルを用いた既設基礎の耐震補強に関する実験

井谷雅司・河村敏伸・小野寺誠一・市村靖光

<抄録> 兵庫県南部地震以後、既設構造物の耐震補強の必要性が高まっており、フーチング以下の基礎部の補強が不可欠である。そこで、桁下空間や近接構造物の影響が少ない小口径杭(マイクロパイル)による既設基礎の耐震補強法の開発を目的として研究を行った。その結果、マイクロパイルによる杭基礎の補強効果と負の群杭効果の影響について、また斜杭の効果を確認することが出来た。

<キーワード> マイクロパイル、耐震補強、群杭効果、インティグリテイ試験、施工事例

【報 文】 マイクロパイルにより補強した杭基礎における群杭効果

渡辺達哉・福井次郎・西谷雅弘・梅原 剛

<抄録> マイクロパイル(以下、MPと略す)により補強した杭基礎における群杭効果を明らかにし、補強設計法を検討するため、静的水平載荷試験およびシュミレーション解析を実施した。その結果、MPの補強効果があること、MPを斜杭にすることによって鉛直杭として用いる場合よりも補強効果が大きいこと、MPによって既設基礎を補強する場合でも現行の設計法の適用が可能であること、等が明らかになった。

<キーワード> マイクロパイル、群杭効果、荷重分担、地震時保有水平耐力法、補強効果

【報 文】 表層安定処理を併用したフローティング式深層混合処理工法に関する実験的検討

大野真希・三木博史・恒岡伸幸・古本一司

<抄録> 深層混合処理工法について工期・工費の削減を図るために、表層安定処理を併用したフローティング式深層混合処理工法(以下、本工法という)に着目し、沈下抑制効果を確認するための模型実験を行った。実験の結果、本工法の沈下抑制効果、盛土荷重の深部への伝達効果等が確認できた。

<キーワード> 軟弱地盤、深層混合処理工法、表層安定処理工法、フローティング、沈下量、間隙水圧

【報 文】 抗の地震時鉛直支持力特性に関する実験

大塚雅裕・福井次郎・秋田直樹・喜多直之

<抄録> 杭の鉛直載荷試験法の特性を把握し、動的な載荷試験の結果を直接動的解析に反映させる手法を開発することを目的に、小規模な模型杭を用いた各種載荷方法による鉛直載荷実験を行った。実験の結果、交番載荷を受ける杭の周面抵抗力は、一般的に行われている一方向の載荷試験で発揮される抵抗力よりも下回る結果等が得られた。

<キーワード> 杭、杭の鉛直載荷試験、動的支持力特性、模型実験、鉛直交番載荷拭験

【報 文】安定対策工を施工した軟弱地盤上盛土の動態観測について

橋本 聖・大平久和・大下武志

<抄録> 本報告は、地下水の阻害緩和を目的に改良幅を低減したDJMの施工箇所において、盛土施工時の地震挙動と2次元弾塑性圧密変形解析(以後、解析とする)での予測結果を比較した。その結果、改良体水平変位量は、実際の改良体強度を用いた解析とほぼ一致した。また改良体杭頭部の鉛直土圧は、一時的に解析値を上回った。

<キーワード> 深層混合処理工法、動態観測、2次元弾塑性圧密変形解析、土圧

【報 文】 袋詰脱水処理工法による汚染底質封じ込め

森 啓年・恒岡伸幸・三木博史

<抄録> 袋詰脱水処理工法による汚染底質の封じ込め工法として袋詰脱水処理工法の適用性について実験を行った。実験の結果、以下の成果が得られた。(1)注入した汚染底質および排出水中に含まれる有害物質量を計算した結果、袋内に99.8%以上の有害物質が残存する。(2)汚染濃度に関わりなくほぼ一定の封じ込め効果を発揮する。(3)有害物質を比較的多く含む細粒ビンを凝集させることで袋材による細粒分の効率的なろ過が可能になるため、凝集剤の添加により封じ込め効果は向上する。(4)袋の縫い目が表面積に占める割合が小さくなることから、袋の大きさが大きいほど対じ込め効果は向上する。

<キーワード> 袋詰脱水処理工法、汚染底質、封じ込め、重金属類、PCB、ダイオキシン類

【報 文】 空気注入圧送管路における下水中有機物の変質ならびに硫化物生成

能勢正樹・檜物良―・森 ―夫・森田弘昭

<抄録> 下水道管路における下水中有機物ならびに硫化物の変質を、実験と生物学的プロセスに関する理論からモデル化とした。本モデルを用いることで嫌気的あるいは好気的な下水道管路における下水性状変化をシミュレーション可能であることが確認できた。

<キーワード> 下水道圧送管路、易分解基質、硫化物、空気注入、水質シミュレーション

【報 文】 土砂地山におけるロックボルトの効果に関する基礎的研究

蒲田浩久・真下英人

<抄録> 低土被りの土砂地山でのロックボルトの支保効果を確認し、その適切な長さ、配置などを調べるため遠心載荷模型実験および数値解析を実施した。その結果、天端部に打設されたロックボルトの方が、側壁部に打設されたロックボルトより、天端安定効果に対して大きく寄与していることが明らかになった。

<キーワード> NATM、ロックボルト、遠心載荷模型実験、数値解析


平成14年6月 報文抄録

【論 説】 雪国にて想うこと

武士俊也

【報 文】 衛星画像から見た2001年桃芝台風による台湾中部山岳地帯の土砂移動現象発生状況

山越隆雄・渡 正昭

<抄録> 衛星画像の目視判読によって、2001年7月の桃芝台風に伴う豪雨により台湾中部山岳地帯で発生した土砂移動現象の発生状況を調査した。その結果、桃芝台風によって土砂移動現象の発生が著しいと判断された範囲が、降雨の集中域と符合していた。衛星画像の目視判読によって、土砂移動現象の発生が相対的に著しい範囲を抽出することができたと考えられる。また、1996年の賀伯台風に比べて降雨が少なかったにしては土砂移動現象の発生状況が著しく、1999年に台湾中部で発生した集集地震の影響が示唆された。

<キーワード> 桃芝台風、集集地震、賀伯台風、台湾、土砂移動現象、衛星画像

【報 文】 3Dレーザースキャナの地すべり計測への適用性

淺野広樹・石井靖雄・網木亮介・小山内信智

<抄録> 地すべりの移動量計測、滑動状況の面的な把握が可能な3Dスキャナの地すべり計測への適用性を明らかにするため、地すべり移動量計測時に生じる誤差とその原因について検討を行った。その結果、レーザーの照射方向に対して比較的平担な地形を呈している場所では誤計測となり、大きな計測誤差を生じやすいこと、計測誤差は、一部を除いて、計測距離に応してレーザーの拡幅により生じる理論上の誤差の範囲内にあったこと等が明らかとなった。

<キーワード> 地すベリ、三次元地形計測、地表変動観測、地すべり観測

【報 文】 透水係数が浸透流解析による残留間隙水圧推定に及ぼす影響

石井靖雄・網木亮介・小山内信智

<抄録> 貯水池周辺地すべりにおける対策工合理化を目的とし、浸透流解析を用いて残留間隙水圧を推定する手法を検討するため、貯水池周辺の地すべり地において得られた現場透水試験値と浸透流解析により求めた透水係数の逆算値を比較し、現場透水試験値の浸透流解析への適用性について検討を行った。その結果、単孔式現場透水試験値と浸透流解析による逆算値では地すべり土塊の透水係数が概ね1〜2オーダー程度異なることが明らかとなった。

<キーワード> 地すべり、貯水池、地下水、浸透流解析、透水係数

【報 文】連続するスリット砂防堰堤の土砂調節効果に与える降雨波形の影響

水野秀明・寺田秀樹

<抄録> 本研究では連続するスリット砂防堰堤の土砂調節効果を流出解析と河床変動計算から推定する場合において、降雨波形の違いがその推定値に与える影響を検討した。その結果、最大時間雨量の生起時刻が降雨波形の後半にあるほど、洪水期間中の最大推積量と最終推積量は少なくなるという傾向等が見られた。

<キーワード> 連続するスリット砂防堰堤、土砂調節効果、流出解析、河床変動計算、降雨波形

【報 文】 せん断変形量に基づく地中構造物横断方向の耐震計算法

西岡 勉・運上茂樹

<抄録> 地中構造物横断面の地震時の変形は、構造全体としてせん断変形が卓越する。本研究は、構造物深度の自然地盤のせん断ひずみに対する構造物全体を短形要素とみなしたときのせん断ひずみの比、ひずみ伝達率の特性を明らかにした。得られたひずみ伝達特性をもとに、せん断変形量に基づく地中構造物横断方向の耐震計算法を提案した。

<キーワード> 地中構造物、横断方向、せん断変形重、ひずみ伝達特性、耐震計算法

【報 文】 外部コストを考慮した都市トンネル建設工法の評価

石村利明・真下英人

<抄録> 都市トンネルの建設工法(NATM、シールド工法、開削工法)の選定において、周辺環境に与える様々な影響を「外部コスト」として考慮した場合の各工法の総コストの検討を行った。その結果、都市トンネル施工に伴う外部コストは地上部の交通規制に伴う渋滞が最も影響が大きい。土被りが浅い場合は工事費では開削工法が最も経済的であるが、外部コストを考慮するとトンネル延長、土被りに関係なくNATMが最も安いことが分かった。

<キーワード> 都市トンネル、外部不経済、外部コスト

【報 文】 都市廃熱を利用した道路消融雪技術の研究

平下浩史・土屋慶恭・吉田 正

<抄録> 道路融雪設備はコストが高く、必要な区域に整備できていない。そこで、環境負荷及び維持管理コスト低減の観点から都市廃熱を利用した消融雪設備の開発を進めている。さらに、時間帯で熱量が変動する都市廃熱の安定化と総コストの低減の観点から蓄熱技術の適用と、具体化のための要素技術として蓄熱槽建設技術と熱運用技術を考察する。

<キーワード> 未利用エネルギー、都市廃熱、下水熱、融雪設備、蓄熱槽

【報 文】 ダム基礎グラウチングに用いるグラウトの流動特性に関する実験的検討

安田裕―・佐藤弘行・佐々木隆・山口嘉一

<抄録> 本報文では、二次元細管網模型に対して増粘剤水溶液を疑似グラウトとして注入し、濃度及び注入圧力がグラウトの流動特性に及ほす影響について実験的検討を行った。その結果、流れが乱流になりやすい薄い配合より、流れが層流に近づく濃い配合の方が、単位時間あたりのセメント注入量が多くなる結果となった。

<キーワード> 地中構造物、横断方向、せん断変形量、ひずみ伝達特性、耐震計算法

平成14年7月 報文抄録

【論 説】これからのリスクマネージメントのあリ方

高橋正宏

【報 文】 遺伝子組み換え酵母法による下水中のエストロゲン様活性の測定―3種類の組み換え酵母法の比較―

宮本宣博・斎藤正義・玉本博之・田中宏明

<抄録> エストログン様物質の包括的な測定方法として、3種類の組み換え酵母法を用いて各測定法の特性把握と、下水試料への適用を検討した。その結果、測定法の違いによってエストログン様活性の結果に相違が見られた。またSumpter株は他株に比べ、下水中に合まれる毒性物質の影響を受けにくく、下水試料の評価に適していることが確認された。

<キーワード> 環境ホルモン、エストロゲン様活性、遺伝子組み換え酵母、バイオアッセイ、下水

【報 文】 下水処理水が魚類の雌性化に及ぼす影響

東谷 忠・玉本博之・田中宏明

<抄録> 下水処理本に雄コイを曝露し,エストログン作用の影響指標である血中ビテロジェニンを測定した。その結果,早春期の調査では雄コイのビテロジェニンは経時的に上昇したが,その他の季節ではその結果を再現することはできなかった。処理水のエストログン作用のほかに, ビテロジェニン生成に関わる形響要因があると考えられた。

<キーワード> 下水処理水,エストロゲン作用, コイ、 ビテロジェニン

【報 文】 多摩川における水生生物への環境ホルモンの移行

高橋明宏・玉本博之・東谷 忠・田中宏明

<抄録> 環境ホルモンが魚類に移行する経路を把握するため、魚が生息している環境である水、および底生生物や付着藻類といった食物(水生生物)を対象として、環境ホルモン(ノニンフェノール、ビスフェノールA、17β―エストラジオール)の蓄積量を比較した。その結果、付着藻類、底生生物ともに河川水の濃度よりもかなり高く、これらの環境ホルモンが水生生物に多く蓄積していることが分かった。また、底生生物は藻類よりも低い蓄積量であったことから、NP、BPAおよびE2は底生生物の体内で代謝分解されていることが示唆された。今回の調査結果より魚類は藻類や底生生物を餌とする蓄積経路は、水からの直接的な経路同様にNP、BPA及びE2が移行する重要な経路であると考えられた。

<キーワード> 内分泌攪乱化学物質、環境ホルモン、生物濃縮、エストロゲン、多摩川

【報 文】 底質中のダイオキシン類の抽出手法

南山瑞彦・落 修―・鈴木 穣

<抄録> 近年、極微量でも高い毒性を持つとされているダイオキシン類による汚染が全国的に大きな問題となっており、建設事業に対応した、簡易で迅速に結果が得られる底質中のダイオキシン類の分析手法の検討、開発が求められている。本検討では、乾燥・抽出工程の迅速化に関する比較検討を行った。その結果、高速溶媒抽出法(PFE法)での抽出条件の検討により、一般に数日を要する乾燥・抽出工程を40分程度に短縮することが可能であることが明らかとなった。

<キーワード> ダイオキシン類、底質、分析方法、乾燥、抽出、迅速化

【報 文】リアルタイムPCR法によるクリプトスポリジウムオーシストの定量検出法の開発

北村友一・鈴木 穣

<抄録> 本稿は、 リアルタイムPCR法によるクリプトスポリジウムオーシストの定量検出を検討したものである。リアルタイムPCR法によるクリプトスポリジウムの検出では、ハイブリダイゼーションプローブ法を用いることにより特異性の高い検出が可能となるもとがわかった。その精度は、オーシスト数20個以上からの検出可能であり、100個以上で定量可能となることがわかった。またmRNAを標的とすることにより生きているオーシストの検出も可能ととなることがわかった。

<キーワード> クリプトスポリジウム、リアルタイムPCR、DNA、生死判定、mRNA

【報 文】 強度の空間的なばらつきを考慮したフィルダム基礎地盤の掘削管理

山口嘉―・佐藤弘行

<抄録> 本報では、フィルダム基礎掘削の合理化を目的に、アースダムの基礎となる粘性土層に対して実施された強度試験結果を用いて、その空間分布に着目した掘削基準の検討を行った。まず初めに相対的な弱層の抽出を行い、試験対象領域全体および抽出した相対的弱層内において強度の統計処理を行い、合理的な基礎掘削管理基準についての提案を行った。

<キーワード> フィルダム、基礎掘削、強度、ばらつき

【報 文】 ダム放流音に関する現地観測―天ヶ瀬ダム(アーチ式ダム)の放流音特性―

小野雅人・柏井条介

<抄録> 現地観測結果を用いて、天ヶ瀬ダムコンジットの放流音の推定を行い、本平水叩き式減勢工の放流音特性との比較を行った。その結果、天ヶ瀬ダムでは、音のエネルギーヘの変換率は水平水叩き式減勢工の場合よりも大きいこと、音源のパワースペクトル比は概ね流況に依らない固有の分布形状をもつことが分かった。

<キーワード> 空中放流、現地観測、低周波音、点音源、変換率

【報 文】 下水処理水が水生生物に与える影響の評価

宮本宣博・玉本博之・田中宏明

<抄録> 生態系に配慮した下水処理水の水質を検討するため、下水処理水の放流に伴う水生生物群集と水質の関係について検討を行なった。調査の結果、消毒工程の変更によって生物群集が大きく変化することが確認された。また放流先河川での生物群集の変化、アンモニアと生物の出現分布について検討した。

<キーワード> 下水処理水、水生生物、底生生物、付着藻類、生物多様性、水質

平成14年8月 報文抄録

【論 説】 都市の脆弱性とまちづくり

中野泰雄

【報 文】 米国における危機管理について

國友 優

<抄録> 米国の危機管理システムのうち、大規模災害時に連邦緊急事態管理庁を中心とした連邦政府が州政府に対して提供する支援活動について、連邦対応計画及びそれを補足するための運用マニュアルを調査し、効果的な災害対応を行うために構築されている体制の構造及び実施手続きを整理した。

<キーワード> 危機管理、連邦緊急事態管理庁、スタッフォード法、連邦対応計画、緊急事態対応チーム

【報 文】 平成12年(2000年)鳥取県西部地震で得られた災害対応上の教訓

真田晃宏・日下部毅明・村越 潤

<抄録> 鳥取県西部地震における道路管理者の対応上の課題等について、災害対応に携わった職員へのヒアリング調査等をもとに整理した。災害対策体制の立ち上げの遅れ、情報連絡の不徹底等が課題として挙げられる。その一方で訓練の有効性も確認できた。

<キーワード> 鳥取県西部地震、災害対応、課題

【報 文】 大垣市における内水を考慮した,氾濫解析と選難行動解析

武富一秀・舘健一郎・金木 誠

<抄録> 都市部の集中豪雨等による内水氾濫及び中小河川からの氾濫に際して、住民の避難行動解析及び行政の危機管理対応を支援するツールとして、内水氾濫を合めた詳細な氾濫モデルを構築して大垣市に適用し、有効性を検証した。さらに、局所的な浸水を考慮した住民の避難行動解析モデルを構築した。

<キーワード> 氾濫解析、避雄行動解析、内水氾濫、GIS、危機管理

【報 文】 地震ハザードマップの作成手法の開発

中尾吉宏・日下部毅明・村越 潤・田村敬―

<抄録> 本報文では、過去の地震記録、活断層及びプレート境界地震を同時に考慮できる地震ハザードマップの作成手法として、これまでに開発した手法の紹介をするとともに、開発した手法に基づき全国を対象として地震ハザードマップを試算した結果を示す。

<キーワード> 地震ハザードマップ活断属、プレート境界地震、地震発生確率、耐震設計、地震防災計画

【報文】ELISA法による、水中の17βエストラジオール測定の課題と改良

岡安祐司

<抄録> 環境水や下水などの水中に含まれる内分泌攪乱物質のうち、エストロゲン様作用がもっとも強い17βエストラジオール(女性ホルモン)を簡易に検出・定量するための、抗原抗体反応を利用したELISA法の適用性、およびその課題について整理・検討した。検討の結果、前処理手法のプロトコルを一部改良することで、一定の定量性の改善が図られることが分かった。

<キーワード> 内分泌攪乱物質、環境ホルモン、エストロゲン、17βエストラジオール、女性ホルモン、簡易測定、抗原抗体反応、ELISA

【報 文】 下水処理場における内分泌かく乱物質の処理

斎野秀幸・北中 敦・中島英一郎

<抄録> 近年、水環境中における内分泌かく乱物質の影響が懸念されているため、下水処理場における内分泌かく乱物質の挙動及び効果的な除去方法について検討した。その結果、通常の下水処理によって内分泌かく乱物質はほぼ除去できていること、SRT制御や物理化学的処理によりさらに除去できる可能性があることが分かった。

<キーワード> 内分泌かく乱物質、17βエストラジオール、ノニルフェノール、下水処理、SRT、物理化学的処理

【報 文】 米国ACT―ACF流域におけるビジョン共有を前提とした計画策定

村瀬勝彦

<抄録> ビジョン共有を前提とした計画策定(Shared Vision Planning : SVP)を検証するため、米国南東部のACT−ACF流域における事例研究を行った。SVPは参加型意思決定プロセスの1つとして、水利用の関係をモデル化して表示し、そのモデルの操作に関係者を直接参加させることにより、関係者の対立を避けて合意に達することが期待できるが、実際の運用には多くの課題があることが明らかになった。

<キーワード> ACT―ACF流域、ビジョン共有を前提とした計画策定、水利用、モデル、合意形成

【報 文】 CSGの繰返し三軸試験による変形特性

豊田光雄

<抄録> CSGは、現地発生材に少量のセメントを混合したものである。CSGの変形特性(等価せん断剛性率、履歴減衰率)に着目し、繰り返し三軸試験を行ない、等価せん断剛性率において単位セメント量および密度の影響が大きいことがわかった。また、原位置状態では、室内に比べ変形特性がかなり異なる性質を示した。

<キーワード> 変形特性、線り返し三軸試験、CSG、セメント改良土

平成14年9月 報文抄録

【論説】今後の交通安全対策について

中村俊行

【企画趣旨】安全・快適な道路交通環境をめざして

森 望

【報文】効果的な交通安全対策に向けて―事故多発地点対策の検討方法― 

池田裕二・森 望

<抄録> 平成7年に選定された3,196箇所の事故多発地点における対策を通じて培われた各所の情報をとりまとめ、今後の事故多発地点における効果的・効率的な対策立案に役立てるため、事故多発地点対策マニュアル及び事故多発地点に関する情報の電子化・オンライン化に関する研究を行っており、次期の交通事故多発地点対策にあわせた運用開始を目標として検討を進めている。

<キーワード> 事故多発、交通安全、マニュアル、データベース

【報 文】 道路利用者からみた道路の安全性に関する検討

田村 央・森 望・鹿野島秀行

<抄録> 交通事故が多く発生する前に有効な安全対策が実施できるようにすることが重要である。交通事故前の「ヒヤリ」「ハッ」とした経験を歩行者や自動車運転者等の道路利用者に指摘してもらう調査を行った。その結果、いくつかの箇所において道路構造の潜在的な危険性を評価することができた。

<キーワード> 交通事故、道路の安全性、 ヒヤリ地図、道路構造、交通安全対策

【報 文】効果的な交通安全対策の実施に向けて―専門家の意見を活用する仕組み―

田村 央・森 望・鹿野島秀行

<抄録> 交通事故の発生要因は複雑でありその詳細な分析は容易でない。道路の安全性の向上のアプローチとして、交通安全に精通している第三者が監査を行いよりよい設計案を実現する道路安全監査が英国等で実施されており、その仕組みや我が国の類似的な取り組み事例を紹介する。

<キーワード> 交通事故、交通安全対策、道路安全監査、道路の安全性

【報 文】 支差点・カーブにおける高齢ドライバーの運転特性

若月 健・森 望・高宮 進

<抄録> 高齢ドライバーが苦手とする、短時間に判断行動を繰り返す交通場面として、交差点での右折やカーブを取り上げ、高齢ドライバーの運転特性に関する実験を行った。その結果、高齢ドライバーは、交差点において対向車の速度よりも距離から右折の判断をしている、カーブにおいて走行軌跡のぶれが大きいなどの特徴を得た。

<キーワード> 高齢ドライバー、交差点、カーブ、運転特性

【報 文】 歩行者交通流からみた歩道幅員に関する一考案

高宮 進・森 望

<抄録> 平成13年4月の道路構造令改正により、歩行者の通行状況等に応じて歩道幅員が決定されることとなった。本報では、歩道幅員の決定に関わる各種要素を整理するとともに、そのうち歩行者交通流に着目して、歩道幅員算定の考え方、手順、及び、最新の調査結果に基づく関連データをまとめた。

<キーワード> 歩行者交通、歩道幅員、サービスレベル、歩行者密度、ピーク率

【報 文】コミュニティ・ゾーンの計画と実践

高宮 進・森 望

<抄録> コミュニティ・ゾーンを計画し、実際に形成していくためには、コミュニティ・ゾーンの計画・設計の考え方、合意形成手法、効果などについて十分に理解する必要がある。本報では、コミュニティ・ゾーンの概要を紹介するとともに、これら特に重要なポイントについて取りまとめた。

<キーワード> コミュニティ・ゾーン、交通安全、非幹線道路、計画、効果

【報 文】バリアフリ一対応の歩行者用照明

林堅太郎・森 望・安藤和彦

<抄録> 道路のバリアフリ一対策の一環として設置される歩行者用照明について視覚障害者と車椅子使用者にアンケート調査や視認性評価実験を行った。その結果、歩行者用照明の設置要望が高いことおよび高めの照度設定が必要であることがわかった。調査結果をもとに身体障害者などの身体特性を考慮した照明施設の要件、照明設計の考え方や設置計画、照明器具の選定方法などについて紹介する。

<キーワード> 身体障害者、視覚障害者、車椅子使用者、歩行者用照明、バリアフリ一

【報 文】歩行者ITSの研究開発―モニター実験の結果について―

池田裕二・森 望

<抄録> 平成12年度から13年度にかけて国総研と民間企業と共同で歩行者ITSの研究を進め、国総研構内でモニター実験による検証を行った。その結果、位置特定精度の再検討、位置特定の安定性の向上、提供する情報の再検討が必要であることがわかった。実験後のヒアリング調査からは、身障者の方々の歩行者ITSの利用意向が非常に高く、実用化を期待されていることが明らかとなった。

<キーワード> ITS、バリアフリ一、身体障害者、歩行者、情報提供

【報 文】道路空間再構築に関する欧州事例報告

高宮 進・大西博文

<抄録> 本報では、今後道路空間再構築の考え方をとりまとめていく材料として、欧州で既に取組まれている事例を調査した。その結果、.丱ぅ僖浩鞍にあわせて旧道を歩行者等の利用を考慮して改築した例や、都市中心部の大規模交差点をロータリー化して交通静穏化を図った例などを得た。

<キーワード> 道路空間再構築、欧州、事例、現地閲査、ヒアリング

【報 文】 放流管空中放流水脈の跳水条件

柏井条介・田村洋満

<抄録> 放流能力増強にため、既設重力式コンクリートダム洪水吐き横に新設される放流管について、既設減勢池内に空中放流する場合の跳水条件を検討した。検討は、水理実験及び運動量式による解析により実施し、跳水に必要な下流水深と跳水長を示した。

<キーワード> 減勢池、跳水、放流管、重力式コンクリートダム

平成14年10月 報文抄録

【論 説】 川の思い出

佐合純造

【企画趣旨】自然共生研究センターの特集にあたって

尾澤卓思

【報 文】 自然共生研究センターにおける研究活動の概要

萱場祐一・中村圭吾・傳田正利・尾澤卓思

<抄録> 自然共生研究センターの施設概要と研究活動の概要について報告した。施設概要については既往の研究に基づき大規模実験施設の特性を整理し、実験河川・池における適切な研究手法について述べた。また、当初五箇年で実施予定の研究課題と概要、共生センターにおける地域との連携の状況、情報発信の状況等について述べた。

<キーワード> 実験河川、実験池、ハビタット、流量変動、環境展示、魚類、河原固有植物

【報 文】 実験河川における魚類の分布と生息環境の間係

河口洋一,・萱場祐一・水野 徹・尾澤卓思

<抄録> 魚類の分布は生物的そして非生物的な要因によって大きく規定されている。特に河川では、河川内の物理環境特性が魚類の分布を強く規定することが知られている。本報では、直線や蛇行といった河川の平面形状の違いと魚類の分布、そして河川の縦断や横断方向における物理環境の変化と魚類の分布に関して、異なる平面形状や縦断・横断方向の環境変化をもつ河川で、魚類調査と物理環境調査を行い、それらの対応関係を調べた。河道の平面形状の違いや河川の縦断・横断方向によって、河川内の水深や流速の分布パターンが変化し、最終的に魚類の分布に影響を及ぼすことが示された。

<キーワード> 河道の平面形状、物理環境特性、縦断変化、横断変化、河川性魚類

【報 文】 流量変動が河川環境に果たす役割と実験的検討 ―流量増加に伴う河床付着物の掃流と魚類の遡上について―

皆川朋子・河口洋一・萱場祐―・尾澤卓思

<抄録> 本研究は、今後の,河川流量管理に資するため、流量コントロールが可能な実験河川を用いて、流量と河川生物や物質動態との関係を明らかにすることを目的としている。本報では、出水とハビタット及び生物との関係を示すとともに、自然共生研究センターで実施している流量増加に伴う河床付着物の掃流と魚類の遡上に関する実験について報告するものである。

<キーワード> 流量変動、河床付着物、魚類、遡上、自然共生研究センター

【報 文】 実験河川における横断形状の違いが水理特性に与える影響 ―継続時間の短い洪水に着目して―

水野 徹・鈴木茂正・小谷敏明

<抄録> 河道横断形状の違いが水理特性に与える影響を明らかにすることを目的に、特に継続時間の短い洪水に着目して、出水実験を基にした数値モデルによる検証をおこなった。その結果、河道容量を同一としても洪水継統時間が短い場合には、流下空間と貯留空間の比率によって異なる水理現象が生じることが明らかになった。

<キーワード> 実験河川、横断形状、ピーク流量低減、数値モデル、非定常流

【報 文】 河川における展示手法に関する研究 ―自然共生研究センターを事例としてー

吉富友恭・萱場祐―・尾澤卓思

<抄録> 本報では、河川の情報を効果的に伝達するため展示の考え方と手法について言及する。最初に、展示の対象として見た河川の特徴と情報の捉え方について整理する。次に、自然共生研究センターに整備されたパネルを例に、河川の情報を効果的に伝達する表現手法を提案するとともに、河川における展示の展望について述べる。

<キーワード> 展示、河川環境、情報伝達、展示開発、意織調査、評価・検証

【報 文】 河川に侵入した外来植物の駆除・管理

西廣 淳・皆川朋子

<抄録> 外来種の駆除や管理は、良好な河川環境の保全をしていく上で重要な課題である。本報は、自然共生研究センターを例に、土壌シードバンク中に多くの外来種の種子が含まれていることを示すとともに、河川における外来植物の駆除・管理の考え方を示した。
 また、駆除対策として、外来種の選択的な抜き取りに着目し、その効果を実験的に検証した。さらに重機を用いた除去についても紹介した。

<キーワード> 河川、外来植物、土壌シードバンク、選択的除去、自然共生研究センター

【報 文】 寄生虫を指標とした魚類の移動状況

浦部美佐子 ・萱場祐―

<抄録> 実験河川の生息魚類からは約30種類の寄生性蟯虫が発見され、その中の7種類は木曽川本川に生息する魚類を前段階の宿主とするものであった。本研究ではこれを生物タグとして利用し、木曽川と実験河川間の魚類の移動特性について調査した。フナ類の場合、標準体長50〜110mmで、タモロコの場合は29,7 mmで木曽川からの移入と推定される個体が発見された。この結果は、実験河川のフナ類とタモロコの幼魚が実験河川内に定常しているのではなく木曽川を含む広い範囲を移動しながら生活していることを示唆するものである。

<キーワード> 寄生虫、実験河川、生物夕グ、移動、宿主

【報 文】 レーザースキャナーデータを利用した中小河川河道横断形状データの作成

川本一喜・舘健―郎・武富―秀・金木 誠・崎本英二

<抄録> 中小河川を対象とした氾濫解析を行うため、地形標高や河道断面のデータを安価・迅速に整備するための手法が必要とされている。そこで、レーザースキャナーで取得した細密な標高データを利用して、河道の水位・流量計算のための河道横断形状データを簡易に作成する手法を検討した。その結果、作成された横断形状データの特性に関する知見が得られた。

<キーワード> レーザースキャナー、中小河川、河道横断形状データ、氾濫解析

【報 文】 大水深基礎に作用するサクションの効果

大塚雅裕・福井次郎・喜多直之

<抄録> 海中基礎の地震時の挙動に対するサクションの影響を調べるために模型実験を行ない、水深が大きいほど基礎の浮上がりに対し抵抗力が発揮されることを確認した。この効果を最大限に活用し、設計の合理化を図るために、基礎浮上がり時の底面下へ本の回り込みを遮断する構造を提案した。

<キーワード> 長大橋、大水深、基礎、サクション、応答特性

平成14年11月 報文抄録

【論説・企画趣旨】 民間技術を活用する多様な入札・契約方式の取組み

佐藤 浩

【報 文】 最適な入札・契約制度の選定ガイドラインの策定

大槻英治・井筒克美・山口慎司

<抄録> 発注者責任を履行するための一つの方策として、工事内容及び特注に応じて最適な入札・契約方式を選択するための支援ツールとしてのガイドライン(案)を策定した。本稿では、このガイドラインが対象とする入札時VE方式、設計・施工一括発注方式等、7つの入札・契約方について解説した。また、ガイドラインを試行適用した結果、その妥当性が検証されるとともに、その改善に向けて主要工種毎に工事特性のデータ蓄積を図ること等の必要性が明らかとなった。

<キーワード> 入札・契約方式、入札時VE、性能規定発注、設計・施工ー括発注、工事特注

【報 文】 総合評価落札方式の普及に向けた支援策の検討

大槻英治・井筒克美・山口慎司

<抄録> 公共工事の発注者には、国民の多様なニーズに対応して最適な調達を図ることが求められており、国土交通省では価格以外の性能の向上等に対する技術提案を考慮した「総合評価落札方式」の導入を進めている。本稿では、同方式の試行事例をもとに、導入の効果等を検証した。その結果、優れた技術提案の採用が図られる効果や評価項目の拡充等の課題が把握された。今後の普及に向けて、手引き・事例集の充実などが必要である。

<キーワード> 総合評価落札方式、評価項目、技術提案

【報 文】マネジメント技術活用方式の導入の意義とその試行事例調査

大槻英治・井筒克美・山口慎司・佐藤 浩

<抄録> 発注者責任を果たす上で各発注機関が抱えている種々の課題に対応するため、「受発注者双方が行ってきたマネジメント業務の一部分を、別の主体で行わせる契約方式」であるマネジメント技術活用方式について、様々なパターン毎の効果と課題を分析するとともに、現在試行している事例での調査内容を途中段階ではあるが、例示的に紹介している。

<キーワード> マネジメント技術、発注者束任、発注者支援

【報 文】 公共工事における出来高部分払方式の試行を通じた考案

谷口拓也・溝口宏樹・齋藤 守

<抄録> 短い間隔で出来高に応じた部分払や設計変更協議を実施し、円滑かつ速やかな工事代金の流通を確保することによって、より双務性及び質の高い施工体制の確保を目指す。「出来高部分払方式」について、平成13年度に実施された2件の試行工事(第一次)のモニタリングや諸外国の実態調査を行った。その結果、より双務性の高い設計変更等の効果が検証され、また、事務量の増加等の課題が抽出された。
 今後、一層効果的、効率的な実施に向けた試行の拡充が望まれる。

<キーワード> 出来高部分払、設計変更、前払、海外公共工事、建設契約

【報 文】 公共工事におけるグリーン調達の取組み

石神孝之・溝口宏樹

<抄録> 平成13年度に施行されたグリーン購入法に基づき、環境負荷の低減に資する公共工事が特定調達品目として位置づけられ、その調達推進が開始された。本報文では、今後の普及の促進が見込まれることなどの公共工事でのグリーン調達の考え方、環境負荷低減効果や品質確保・コスト等、品目選定にあたっての評価の視点等について報告する。

<キーワード> 公共工事、グリーン購入法、グリーン調達、環境物品、環境負荷低減

【報 文】新しい建設コンサルタント契約方式における試行事例の分析

西野 仁・山口真司・高橋 修

<抄録> 建設コンサルタント業務における入札・契約制度の改善に向けて、国土交通省等で試行されているアドバイザー方式、即日プロポーザル方式及びVEプロポーザル方式について解説し、各方式の試行事例の分析及び課題等の抽出を行った。

<キーワード> 建設コンサルタント、入札・契約制度、発注者支援、プロポーザル方式、VE

【報 文】 せん断変形量に基づく共同簿の耐震性能の簡易判定法

西岡 勉・運上茂樹

<抄録> 地中構造物横断面の地震時の変形は、周辺地盤の変形に大きく影響を受け、構造全体としてせん断変形が卓越する。本研究では、標準的な短形断面の共同溝5タイプを対象に、地盤・地中構造物間のせん断ひずみの伝達特性を用いてせん断変形量に基づく共同溝の耐震性能の簡易判定法を提案した。

<キーワード> 共同溝、せん断変形量、耐震性能、簡易判定法

【報 文】 下水道へのディスポーザー導入社会実験

森田弘昭

<抄録> 国土交通省、北海道、歌登町は、平成12年から4年間の予定で、歌登町内の住宅の一部にディスポーザーを実験的に設置し、下水道システムへやゴミ処理システムの影響、町民生活へのメリット・デメリットなどを調査しており、現在までのところ下水道システムヘの影響は明確ではなく、生ゴミ量の減量、町民生活の快適性の向上等の効果が明らかとなった。

<キーワード> ディスポーザー、下水道、生ゴミ、LCA、費用便益分析

平成14年12月 報文抄録

【論説・企画趣旨】イノベーションと日本経済

安居邦夫

【報 文】 交通量とプローブカ―走行速度に着目した都市内一般道路の交通特性分析

田宮佳代子・長谷川金二・瀬尾卓也―

<抄録> プローブカ―の走行速度テータと交通量常時観測調査データを用いて、いわゆる中断のある交通流である一般道路のQ(交通量)−V(速度)特性の把握を試みた。その結果、本手法により、一般道路のQ−V特性はプローブカ―の旅行速度を用いて区間速度で把握可能であり、道路交通センサス調査区間程度の延長で比較的安定したQ−V相関が得られることが明らかになった。

<キーワード> 交通流、Q―V特性、プローブカー、データ収集

【報 文】 夜間雨天時における区画線の視認性向上対策

安藤和彦・森 望

<抄録> 本研究は、夜間雨天時における区画線の視認性を向上させる経済的な方法として、既に設置されている通常の区画線に高視認性区画線と同様の凸部構造を付加する方法を検討した。検討方法としては、湿潤状態にした実験路面内に高視認性区画線の一般仕様と同等の凸部を設置し、凸部の設置間隔や高さを変えて、車両に乗ったモニターが視認性、振動特性を評価するとともに、騒音・路面・振動の計測を行った。実験の結果では、凸部の仕様として高さ4mm、幅15cm、設置間隔50cmあれば視認性、振動感による踏み越え等の認知が十分可能となることがわかった。

<キーワード> 凸部、区画線、夜間、雨天、視認性向上

【報 文】 トンネル覆工の耐荷力に及ぼす鋼繊維補強コンクリー卜の効果

砂金伸治・真下英人

<抄録> 近年の道路交通の発展に伴い、道路トンネルの建設が増加する傾向にあり、今後のトンネルの維持管理に要する負担を軽減するためには、トンネル構造の耐荷力や耐久性を向上させることが不可欠である。本研究はトンネル覆工の耐荷力を向上させる方策の一つとして、鋼繊維をトンネル覆工コンクリー卜に混入した場合の効果を実大規模の載荷実験およびひび割れを考慮した数値解析により明らかにしたものである。
 その結果、トンネル覆工に鋼繊維を混入した場合の効果として、曲げモーメントが卓越してトンネル構造が不安定となっている耐荷力が決定されるような荷重が作用される場合は、耐荷力を向上させる効果があり、圧縮力により断面耐力に達して耐荷力が決定されるような荷重が作用する場合は、コンクリート塊の剥落を防止する効果が期待できること、また、鋼繊維補強コンクリートを用いたトンネル覆工の耐荷力を評価するためには、解析手法としてひび割れの進展を考慮した有限要素法が適していることがわかった。

<キーワード> トンネル、覆工、載荷実験、鋼繊維補強コンクリート、ひび割れ、耐荷力

【報 文】 既設トンネル断面拡大時の支保構造一ロックボルトに着目して一

蒲田浩久・真下英人・森本 智

<抄録> 既設トンネル断面拡大時のロックボルトの効果について、遠心載荷模型実験および落戸模型数値解析を実施した。その結果、天瑞部に斜めにロックボルト打設した斜めボルトでも配置によっては十分な支保効果があること、ゆるみ域がある場合の支保効果および必要長さなどが明らかになった。

<キーワード> リニューアル、ゆるみ域、ロックボルト、遠心力載荷模型実験、落戸模型実験

【報 文】 交通振動の軽減に寄与する新しい様装の開発

梁 英二・新田弘之・吉田 武・大石哲也・新井恵一

<抄録> 道路周辺において、交通騒音や大気汚染などと同様に交通振動の発生による環境悪化が懸念されている。振動軽減対策としては」表層の打換えや路床の強化があるが、効果持続性や施工期間等の問題がある。そこで工事が比較的短時間で、振動軽減効果の持続性の高い舗装の開発を行った。また、これと同時に振動軽減舗装の開発に有効となる、材料物性を考慮した振動予測法の確立を目指した。その結果、表・基層を打換えという短期間で施工可能な舗装の開発ができ、振動軽減効果として振動レベル最大値で2〜7dB程度軽減できた。また材料物性を考慮した振動予測においては、3次元FEMによる解析がある程度有効であることがわかった。

<キーワード> 交通振動、振動軽減型舗装、振動レベル、振動予測、3次元FEM解析

【報 文】 微生物を活用した脱硝装置の開発の現状と展望

大城 温・山本昌弘・松下雅行・並河良治

<抄録> 大都市の大気汚染は依然として厳しい状況にあり、自動車排出ガスを浄化するいくつかの技術が開発されている。多くの大気汚染地域では、浄化装置の設置場所の制約が大きい場合が多い。そのような条件を克服するための技術として、道路空間等を利用し微生物を活用した大気汚染浄化装置の開発を行った。本稿では、装置の概要と浄化効果について、沿道における実験結果をもとに紹介するとともに今後の展望について記述する。

<キーワード> 大気汚染対策、窒素酸化物、浮遊粒子状物質、微生物、脱硝装置

【報 文】 道路斜面災害のリスク評価法について

田中 衛・恒岡伸幸・三木博史

<抄録> リスクカーブは、道路管理者が効率的かつ効果的な斜面防災管理を行うための支援ツールとして注目されている。事例による検討の結果、降雨履歴、災害履歴、防災点検の結果等のデータを用いることにより、ハザードのフラジリティカーブを求め、リスクカーブの作成できることが確認された。

<キーワード> 道路斜面災害、フラジリティカーブ、数量化粁燹▲螢好、リスクカーブ

【報 文】 合流式下水道の現状と新しい改善方策

那須 基・森田弘昭

<抄録> 国土交通省では平成13年6月に「合流式下水道改善対策検討委員会」を設置し、改善目標や改善対策のあり方について検討を行ってきた。本稿では、この委員会の提言を通じて、今後の合流式下水道改善対策の方向性についてとりまとめるとともに、特に提言に盛り込まれた新しい考え方である雨天時放流水の管理指標について研究した結果を報告する。

<キーワード> 合流式下水道改善対策、雨天時放流水、改善目標、モニタリング、水質管理指標

【報 文】 橋探を用いた車両重量計測システムの開発

中谷昌一・玉越隆史・中洲啓太・石尾真理

<抄録> 橋梁研究室では、橋梁を用いて簡易に車両重量を計測するシステムを開発している。このたび、大型車の連行、並走状態に対しても精度良く測定できるようシステムの改良を行い、システムの検証試験を実施した。その結果、連行、並走状態に対し比較的精度良く車両重量を測定できることがわかった。ここでは、本システムの概要と検証試験の結果について述べる。

<キーワード> 橋梁、車両重量計測、活荷重、Weigh―in―Motion