既に皆様ご存知のように、なぎさ総合研究室では2011年3月11日の大津波後、各地で津波災害調査を行い、結果をホームページ(http://pwrc-nagisa.jp)に公開してきました。この中で、104箇所の海岸(2012年9月24日現在)を調査し、263枚の図と880枚の写真を示すことにより、今次津波の災害状況を明らかにしています。それらを各県別に区分すると表-1のようです。衛星画像や現地写真はパソコン上で拡大して見ていただくと津波の災害状況の理解が容易になると思います。報告の中では、2箇所の例外を除き、古くから祭られてきた多数の神社が、津波被害を免れたことなどが明らかにされています。 |
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表-1 各県別のレポートおよび図・写真の枚数(2012年9月24日現在) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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一方、海岸侵食や海浜変形などに関する研究も継続的に行ってきており、2012年4月から2012年9月までの上半期に発表した論文のリストは次のようです。土木学会論文集が1件、海洋開発が19件、著作が1件、土木技術資料が1件、日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集が7件、諸論文が3件の、合計32件です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
[土木学会論文集] |
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1) |
宇多高明・藤原博昭・宮原志帆・三波俊郎・芹沢真澄(2012):日野川河口デルタを含む弓ヶ浜半島全域の海浜地形変化の再現と予測,土木学会論文集B2(海岸工学),Vol.68,No.1,pp.35-53. |
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[海洋開発] |
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1) |
酒井和也・宇多高明・清水達也・熊田貴之・本橋修二・渡邉 徹(2012):侵食海岸を襲った2011年地震・津波による護岸の破壊 -茨城県の成田・上釜海岸の例-,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_31-I_36. |
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2) |
宇多高明・五十嵐竜行・中橋 正・保田英明・熊田貴之・酒井和也・清水達也(2012):流入小河川および海浜へのアクセス路からの津波侵入-九十九里浜の例-,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_37-I_42. |
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3) |
宇多高明・三波俊郎・星上幸良・酒井和也(2012):2011年大津波の災害と被災を免れた神社,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_43-I_48. |
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4) |
宇多高明・星上幸良・野志保仁・酒井和也(2012):2011年大津波による福島県岩間佐糠海岸における砂州の大変形と津波被害,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_192-I_197. |
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5) |
小林昭男・宇多高明・黒澤祐司・遠藤将利・遠藤 威(2012):東北地方太平洋沖地震による海食崖の崩壊とその後の変形,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_204-I_209. |
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6) |
芹沢真澄・宇多高明・宮原志保(2012):BGモデルによる細長い湖の分裂過程の数値計算,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_624-I_629. |
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7) |
宇多高明・細川順一・中西勇人・古池 鋼・石川仁憲(2012):神奈川県湯河原海岸の海浜変形予測,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_630-I_635. |
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8) |
清水達也・宇多高明・熊田貴之・中橋 正・保田英明(2012):九十九里浜北部(飯岡漁港〜片貝漁港)の長期的地形変化,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_642-I_647. |
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9) |
宇多高明・熊田貴之・清水達也・渡邉 徹(2012):大洗港の南北海岸の長期的変遷-2011年大津波の影響も含む-,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_648-I_653. |
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10) |
大貫 崇・小林昭男・宇多高明・芹沢真澄・遠藤将利・野志保仁(2012):太平洋に流入する中小河川の河口砂州の季節変動の観測,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_654-I_659. |
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11) |
宇多高明・清野聡子・三波俊郎・高瀬和博・柴ア 誠・酒井和也(2012):宮崎海岸(赤江浜)の海浜変形と侵食の実態,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_666-I_671. |
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12) |
宇多高明・野志保仁・熊田貴之・酒井和也・本橋修二・菊池泉弥(2012):茨城県阿字ヶ浦海岸の海浜変形の実態,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_672-I_677. |
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13) |
宇多高明・小澤宏樹・星上幸良・清水達也・野志保仁(2012):伊豆大島間伏海岸の海浜変形機構,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_678-I_683. |
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14) |
宇多高明・細川順一・中西史一・宮原志帆・芹沢真澄・石川仁憲(2012):神奈川県初声海岸の海浜変形機構と対策検討,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_684-I_689. |
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15) |
宇多高明・大木康弘・宮原志帆・芹沢真澄・三波俊郎・住田哲章(2012):BGモデルによる大津漁港泊地への堆砂対策検討,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_690-I_695. |
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16) |
宇多高明・引山 誠・小澤宏樹・星上幸良・清水達也・野志保仁(2012):琵琶湖近江白浜における突堤と養浜による侵食対策の効果検証,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_726-I_731. |
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17) |
芹沢真澄・宇多高明・宮原志帆(2012):海岸線急変部に設置された突堤と離岸堤の漂砂制御効果の比較,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_732-I_737. |
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18) |
清野聡子・宇多高明・伊藤良弘・南雲吉久・秋山 桂・五十嵐崇博・酒井和也(2012):海岸管理者技術教育プログラムの企画と実施 - 国土交通大学校における海岸科研修の例 -,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_1157-I_1162. |
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19) |
野志保仁・宇多高明・清水達也・熊田貴之・冨澤和雄・川瀬 栄・下木 豪(2012):一宮海岸が良好なサーフスポットとして成立している理由,土木学会論文集B3(海洋開発), Vol. 68,No. 2,p.I_1209-I_1214. |
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[著作] |
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1) |
Uda, T., M. Serizawa and S. Miyahara. 2012. BG model based on Bagnold's concept and its application to analysis of elongation of sand spit and shore - normal sand bar (Chap. 16), pp. 339-374, in 'Numerical Simulation - From Theory to Industry' Andriychuk, M. ed., INTEC.
この本は上記webページよりdown loadしていただければ無料で入手可能です。2010年に出した次の本ともども参考にしていただければと思います。 Uda, T. and M. Serizawa. 2010. Model for predicting topographic changes on coast composed of sand of mixed grain size and its applications (Chap. 16), pp. 327-358, in 'Numerical Simulations - Examples and Applications in Computational Fluid Dynamics' Angermann, L. ed., INTEC.
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[土木技術資料] |
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1) |
宇多高明・三波俊郎・星上幸良・酒井和也(2012):2011年大津波の災害と被災を免れた神社,土木技術資料,Vol.54-5,pp.58-61. |
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[日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集] |
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1) |
星上幸良・宇多高明・小林昭男・大貫 崇・小澤宏樹(2012):前浜の狭小化による緩傾斜護岸の被災と2段パラペットによる越波対策,日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集,No.25(PDF),セッション01-01. |
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2) |
宇多高明・星上幸良・酒井和也・野志保仁・遠藤将利・小澤宏樹(2012):2011年地震津波により流失した鮫川河口砂州の復元時における周辺海岸の侵食,日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集,No.25(PDF),セッション08-01. |
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3) |
宇多高明・星上幸良・小澤宏樹・酒井和也(2012):自然の原理に忠実な中小河川の河口処理法,日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集,No.25(PDF),セッション08-02. |
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4) |
遠藤将利・小林昭男・宇多高明・田中崇仁・星上幸良(2012):防波堤の遮蔽域形成と河口浚渫に起因する海浜変形,日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集,No.25(PDF),セッション08-03. |
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5) |
黒澤祐司・小林昭男・宇多高明・遠藤将利(2012):海岸線付近の土地利用の変化と海浜変形-房総半島南部の豊岡海岸の例-,日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集,No.25(PDF),セッション08-04. |
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6) |
小林昭男・宇多高明・小澤宏樹・星上幸良・遠藤将利(2012):安芸宮島の厳島神社が建立された地域の漂砂環境,日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集,No.25(PDF),セッション08-05. |
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7) |
宇多高明・酒井和也(2012):津波対策施設としての土塁(砂丘)構造についての一考察,日本沿岸域学会研究討論会2012講演概要集,No.25(PDF),セッション13-03. |
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[諸論文] |
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1) |
宇多高明・櫻井 隆(2011):茨城県涸沼に流入する若宮川河口部での植生帯復元, 霞ヶ浦研究会報, 第14号, pp.64-70. |
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2) |
宇多高明・酒井和也・星上幸良(2012):侵食海岸を襲った2011年大津波による護岸の破壊-茨城県北部神岡上海岸の事例-,水利科学,No.325,pp.15-29. |
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3) |
Uda, T., K. Sakai, Y. Hoshigami and Y. Noshi (2012): Deformation of sandy beach and inundation on Iwama-Sanuka coast in Fukushima Prefecture due to the 2011 Tohoku Earthquake Tsunami, Journal of Disaster Research, Vol. 7, No. sp, pp. 476-484. |