平成21年度上期における「なぎさ総研」の研究成果

 

 「なぎさ総研」では、今期も積極的な研究活動を進めました。日本国内はもちろんPortugalでの干潟・海岸調査や、Tuvalu でのサンゴ礁調査を行うとともに、技術アドバイザーとしての仕事を多く進めました。また、多くの問題について技術レポートを作成し、少しでも現場の役に立つよう努力しました。
 2009年4月から2009年9月までの上半期に発表した論文のリストは次のようです。海洋開発論文集が16件、Jour. Coastal Res.が3件、Coastal Dynamicsが6件、地形が1件、日本沿岸域学会の講演集が5件、海洋工学シンポジウムが1件、雑誌海岸が1件、土木技術資料が2件、年次学術講演会での講演論文が1件、の合計36件です。
 なお、2004年に山海堂から発刊した「海岸侵食の実態と解決策」については山海堂の倒産に伴い絶版となっていましたが、このたびそれを英文化するとともに最新情報も加えてWorld Scientific Publishing社より

「Japan's Beach Erosion: Reality and Future Measures」
として出版することになりました。現在第一校を終了したところですが、まもなく出版されますのでご期待ください。
   

[海洋開発論文集]

1)

南岡大介・小林昭男・宇多高明・野志保仁・清水達也(2009):ヨシの生育評価のためのHSIモデルの提案-夷隅川河口左岸を例として-, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.353-358.

2)

宇多高明・土子浩之・阿部 良・松浦健郎・大木康弘・豊田圭太(2009):粗粒材養浜がチョウセンハマグリの生息へ及ぼす影響調査, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.425-430.

3)

清野聡子・宇多高明・鶴岡春美・星上幸良・神田広信(2009):九十九里浜における海上養浜に伴う貝類の生息環境への影響調査, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.437-442.

4)

成澤達也・小林昭男・宇多高明・星上幸良(2009):千倉・前原海岸における海岸の利用・防護に関するアンケート調査, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.783-788.

5)

宇多高明・住谷廸夫・長山英樹・熊田貴之(2009):日立市沿岸における海蝕洞の統計的性質, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.963-968.

6)

古谷真広・小林昭男・宇多高明・野志保仁・清水達也・遠藤将利(2009):礫浜における細砂中砂の挙動に関する実験的研究, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1113-1118.

7)

松浦健郎・宇多高明・諏訪義雄・山田浩次・福本崇嗣(2009):砂浜の海岸保全施設指定に向けた粗粒材養浜の有効性の検討, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1119-1124.

8)

小林昭男・宇多高明・遠藤将利・野志保仁・酒井和也・清水達也(2009):カラーサンドの追跡による粒径毎の漂砂量特性調査, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1125-1130.

9)

野志保仁・小林昭男・宇多高明・熊田貴之・芹沢真澄(2009):滑らかな縦断形を予測可能な地形・粒径変化予測モデルによる養浜効果検討, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1149-1154.

10)

芹沢真澄・宇多高明・三波俊郎・古池 鋼・石川仁憲(2009):河口砂州復元の3次元予測モデル, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1155-1160.

11)

三宅健一・松原雄平・中山哲嚴・羽田野袈裟義・宇多高明・岡田新市(2009):山口県光市室積海岸における海浜変形, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1179-1184.

12)

菅原裕介・小林昭男・宇多高明・酒井和也・黒澤祐司(2009):人為改変による砂浜消失-千葉県船形漁港周辺海岸の例-, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1185-1190.

13)

宇多高明・高尾治海・秋田和枝・三波俊郎・石川仁憲(2009):埋立地造成に伴う湯河原海岸の海浜変形, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1191-1196.

14)

北村真一・小林昭男・宇多高明・星上幸良・野志保仁・清水達也(2009):東条・前原海岸における近年の海浜変形の実態, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1203-1208.

15)

小山 史・小林昭男・宇多高明・野志保仁・清水達也・岩瀬光平(2009):直立護岸前面における前浜の季節変動の現地観測, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1209-1214.

16)

宇多高明・高尾治海・秋田和枝・三波俊郎・石川仁憲(2009):関東地震時の大規模土石流と根府川海岸の侵食の関係, 海洋開発論文集, 第25巻, pp.1245-1250.

 

[Jour. Coastal Res.]

1)

Noshi, Y., A. Kobayashi and T. Uda (2009): Model for predicting bathymetric and grain size changes considering equilibrium beach slopes corresponding to composition of grain size and each grain size, Jour. Coastal Res., SI 56 (Proceedings of the 10th International Coastal Symposium), Portugal, pp.108-112.

2)

Uda, T. T. Kumada and M. Serizawa (2009): Large-scale circulation of littoral drift on coast with seasonal changes in wave direction and amplitude, Jour. Coastal Res., SI 56 (Proceedings of the 10th International Coastal Symposium), Portugal, pp.143-147.

3)

Serizawa, M., T. Uda, T. San-nami, K. Furuike and T. Ishikawa (2009): Prediction of topographic changes of sand spit using BG model, Jour. Coastal Res., SI 56 (Proceedings of the 10th International Coastal Symposium), Portugal, pp.1060-1064.

 

[Coastal Dynamics]

1)

Uda, T. 2009. Beach erosion arising from anthropogenic factors, Proc. Coastal Dynamics 2009, Keynote 1, pp. 1-17.

2)

Fukuhama, M., T. Uda, K. Yamada, M. Serizawa, T. San-nami and T. Ishikawa. 2009. Prediction of development of sand body and movement of fine sand offshore of detached breakwaters, Proc. Coastal Dynamics 2009, Paper No. 39, pp. 1-12.

3)

Uda, T., M. Takamura, K. Fujimoto, F. Nakanishi, S. Iki and T. Ishikawa. 2009. Shoreline rotation on pocket beaches caused by anthropogenic factors, Proc. Coastal Dynamics 2009, Paper No. 70, pp. 1-11.

4)

Ishikawa, T., T. Uda, T. San-nami, G. Aoshima and A. Yoshioka. 2009. Comprehensive management of sand considering grain size on Shonan coast, Proc. Coastal Dynamics 2009, Paper No. 71, pp. 1-12.

5)

Kumada, T., T. Uda and T. Ishikawa. 2009. Theory and field test of beach nourishment using coarse sand and gravel, Proc. Coastal Dynamics 2009, Paper No. 75, pp. 1-11.

6)

Serizawa, M., T. Uda, K. Suzuki, S. Maruyama, H. Takano, T. San-nami and T. Ishikawa. 2009. Numerical simulation of rapid erosion of Seisho coast triggered by storm waves during Typhoon 0709, Proc. Coastal Dynamics 2009, Paper No. 93, pp. 1-14.

 

[地形]

1)

K. Furuike, Uda, T., M. Serizawa and T. San-nami (2009): Conceptual model for predicting topographic changes of river-mouth bar, Trans., Japan. Geomorpho. Union, 30-3, pp. 201-217.

 

[日本沿岸域学会研究討論会講演集]

1)

鶴岡春美・宇多高明・清野聡子・星上幸良・小澤宏樹(2009):南九十九里浜養浜計画に対する住民の意識調査, 日本沿岸域学会研究討論会2009講演概要集,No.22, pp.81-84.

2)

星上幸良・宇多高明・酒井和也・岩瀬光平(2009):石巻湾に位置する野蒜海岸の海浜形成過程, 日本沿岸域学会研究討論会2009講演概要集,No.22, pp.85-88.

3)

宇多高明・星上幸良・小澤宏樹・酒井和也・下山陽平(2009):波の遮蔽域形成に伴う侵食問題-館山市下原漁港の例-, 日本沿岸域学会研究討論会2009講演概要集,No.22, pp.89-93.

4)

宇多高明・小林昭男・篠原大起・野志保仁・遠藤将利(2009):秋谷海岸における磯養浜の追跡調査, 日本沿岸域学会研究討論会2009講演概要集,No.22, pp.95-98.

5)

加藤史訓・諏訪義雄・宇多高明・神田康嗣・石川仁憲(2009):新型消波施設の消波機能および漂砂制御機能の評価, 日本沿岸域学会研究討論会2009講演概要集,No.22, pp.143-146.

 

[海洋工学シンポジウム]

1)

岩瀬光平・小林昭男・宇多高明・芹沢真澄・野志保仁(2009):辰巳水門付近におけるShell Beach の形成機構, 第21回海洋工学シンポジウム,OES21-161, pp.1-5.

 

[雑誌海岸]

1)

宇多高明(2009):わが国における海岸保全技術の確立-ヘッドランドの設計思想の変遷-, 海岸, Vol.48, No.2, pp.7-11.

 

[土木技術資料]

1)

宇多高明・石川仁憲(2009):数値シミュレーションがすべてか?砂浜復元の場合, 土木技術資料, Vol.51-4, pp.56-59.

2)

宇多高明・石川仁憲・酒井和也(2009):粗粒材養浜による安定な砂浜の復元, 土木技術資料, Vol.51-7, pp.58-61.

[年次講演会]

1)

宇多高明・田代洋一・梶原幸治(2009):セル型グラベルマットを用いた人工リーフの沈下変形対策,第64回年次学術講演会講演概要集,pp.239-240.


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