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沢地形高盛土の地震時の崩壊は、盛土内部で慣性力によるすべり崩壊が発生するパターンと盛土と地山の境界部分で滑動するパターンとの2つに大別されます。 |
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盛土内部ですべり破壊が発生するパターンでは、すべり破壊とすべり土塊の滑動量を評価できるニューマーク法の適用が有効です。また、山岳部の沢地形谷埋め高盛土は、盛土形状が複雑になり、かつ盛土高が高いことから、合理的な耐震検討を実施するためには、盛土内の複雑な加速度分布を考慮できる改良型ニューマーク法を適用する必要があります。 |
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盛土と地山の境界で滑動崩落が発生する場合には、盛土と地山の摩擦を考慮した弾塑性動的解析による変形性能照査が有効です。 |
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盛土基礎地盤となる沢部に軟弱な砂質土層が堆積している場合には、地震時液状化の検討が必要となります。液状化判定を行ったうえで、必要に応じて弾塑性動的有効応力解析や自重変形解析による変形性能照査を行います。 |
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盛土の三次元効果が大きいと判断される場合には、三次元化した改良型ニューマーク法や三次元安定解析を行います。 |
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検討対象地震動は、①設計指針で規定されたスペクトル適合波、②対象地域の地盤サイト特性を考慮して想定地震動、③類似条件下にある地域の既往地震動等から適切な手法を選択して設定します。 |
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図-3.改良型ニューマーク法の
盛土応答加速度と滑動変位量の時刻歴
図-4.地盤構造とサイト特性を考慮した地震動設定
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