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補強土壁を構成する材料は、補強材、壁面材、盛土材に分類できます。この内、工場製品である補強材および壁面材については、 表−1,2に示す各評価項目について、試験及び調査を行って十分な特性を有していることを検証しています。 補強材には、鋼製補強材(帯状鋼材、アンカープレート付き鋼棒など)や合成高分子材料を素材とするジオテキスタイル等が用いられており、 素材によって検証すべき評価項目は異なります。また、土との引抜き抵抗力が摩擦や支圧等の異なる発現機構を有する場合は、 適切な試験方法を選定して評価します。 壁面材には、コンクリート製または鋼製のパネルやコンクリートブロック等の剛な壁面材や、鋼製枠等の柔な壁面材が用いられており、各々の評価項目について検証を行っています。 |
表-1 補強材の特性評価 |
表-2 壁面材の特性評価 |
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補強材の各評価項目における試験内容を以下に示す。
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壁面材の各評価項目における試験内容を以下に示す。 |
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補強土壁が所要の機能を果たすには、建設に先立っての十分な調査を行うとともに、供用期間中は、常に良好な状態に保つための維持管理が重要です。一般に補強土壁は、降雨による影響を受けやすく、路面排水や表面排水等の排水施設が機能しないと、長期にわたる水の浸入により、裏込め土のせん断強度の低下や背面土圧の増加等による変状が生じ、大規模な災害に至る場合があります。さらに、各種の部材から構成される補強土壁は、周辺環境の影響による経年的な劣化に対しても調査を行う必要があります。 このように補強土壁が所要の機能を果たすためには、変状の要因をできるだけ早期に見出し、必要な維持補修を行っていくことが大切です。 |
表-1 補強土壁の日常の点検項目と着眼点 |
補強土壁は,コンクリート擁壁に比べ変形を生じやすい土工 構造物です。適切な設計・施工がなされた場合は、安定や外観 に支障はなくとも,不用意な補強土壁の適用,不適切な調査・ 設計・施工が行われた場合には,以下のような (a)壁面の倒 れ,(b)局所的なはらみ出し,(c)壁面工の開きやズレ等の変状 が生じ,放置すると場合によっては崩壊に至る場合もあります。 |
当センターでは,供用時または変状後の補強土壁の健全度を、表-1の日常点検に加え、補強土壁の変状原因、使用材料の安全性、補強土壁の安定性について、以下のような調査・試験・解析などを通じて評価します。 |
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