建設工事で遭遇する地盤汚染対策

合理的な地盤汚染対策工事のコスト縮減

建設工事で遭遇する地盤汚染の技術的課題
 近年、公共工事において、地盤中から廃棄物が見つかることや、重金属やダイオキシン類の汚染などの有害物質により複合的な汚染に遭遇することが増えています。 土木研究センターでは、調査及び適正な対応の検討、試験工事により、工事の進捗を妨げることなく、コストも考慮した適切な提案をいたします。
<技術的な課題>
   搬出土砂の適正処理はもとより、建設工事を行うことにより、周辺地域へ汚染が拡散しないことが重要であり、かつコストを考慮した対応が必要になります。
   ● 複合的な汚染の適正な調査
  (複数の重金属例:水銀,鉛,砒素,ふっ素,ほう素)
 ● 搬出廃棄物や汚染土壌の適正処理によるコスト増
 ● 建設工事による汚染の拡散
 

建設工事で遭遇する地盤汚染

 
 
   

検討の流れ
廃棄物混じり土と有害物質の対策事例
廃棄物混じり土と有害物質の対策事例
廃棄物混じり土遭遇 ⇒ 行政機関と協議し対応検討
(1) 廃棄物の由来・適用基準の整理 遭遇した廃棄物を確認、由来及び法律上の取扱等を整理
(2) 汚染状況調査
  既存資料の取りまとめ、追加調査の必要性の検討。追加調査が必要な場合は,調査計画を立案
  既存調査結果ならびに追加調査結果を整理、汚染の状況を把握
(3) 利用方法の検討
  廃棄物混じり土の分布、汚染の状況を把握し、適切な対策範囲を設定
  廃棄物混じり土から廃棄物を分別し、分別土の有効利用を検討し分別した廃棄物もリサイクルによる利用の検討
(4) 建設工事に関わる課題の整理
  利用時の遵守事項の整理
  生活保全方法の選定
  施工指針案の策定
(5) 分別土等の有効利用
  関係機関と協議を行い、分別土等の有効利用を提案
(6) モニタリング
  施工中の作業環境や周辺のモニタリングおよび施工後の周辺環境モニタリングについて項目や頻度の提案

鉄鋼スラグ混じり土の対策例
  遭遇状況/当初計画 対応策
概念図 汚染の模式図

鉄鋼スラグ混じりの土砂とその下部に
有害物質を含む土砂1万m3に遭遇
構造物内への封じ込め 不透水層までケーシングを施工
工法 [場外処分]3万m3  [場外処分]   4,500m3
 [場内封じ込め] 5,500m3
コスト比率
(直工費)
1.00 0.40 (縮減率60%)
(10年間のモニタリング費用込み)

石炭がら混じり土の対策例
  遭遇状況/当初計画 対応策
概念図 明治時代の石炭の燃え殻混じり土砂に遭遇
明治時代の石炭の燃え殻混じり土砂に遭遇
不溶化埋め戻しの概念図 
不溶化埋め戻しの概念図
工法 [搬出処分]3万m3  [搬出処分]   2千m3
 [現場内盛土] 2万8千m3
 燃殻と土の混合物の不溶化処理(不溶化材)(高炉セメントB)
コスト比率
(直工費)
1.00 0.15 (縮減率85%)

ダイオキシン類混じり底質の対策例
  遭遇状況/当初計画 対応策
概念図 ダイオキシン類 脱水前の底質  脱水ろ過後の排水 袋詰の状況
工法 セメント安定処理 袋詰脱水処理工法
コスト比率
(直工費)
1.00 0.2 (縮減率80%)
問題と解決  ・処理量の増加
 ・処分場の沈下変形への追随困難
 ・将来の掘削困難
 ・脱水による減容化
 ・処分場の沈下変形に追随可能
 ・将来の掘削可能 → 無害化処理

点線 

連絡先:

一般財団法人 土木研究センター 技術研究所 地盤・施工研究部
   〒300-2624 茨城県つくば市西沢2-2

  TEL 029-864-2521 FAX 029-864-2515
    E-mail:kenkyu3@pwrc.or.jp

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