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撥水性を有する浸透性コンクリート保護材性能試験

性能基準に適合した製品名
 

1.はじめに

 

 本試験は、土木研究所資料第4186号「コンクリート表面保護工の施工環境と耐久性に関する研究−浸透性コンクリート保護材の性能持続性の検証と性能評価方法の提案−」に規定された「浸透性コンクリート保護材の性能基準(暫定案)」に基づく性能試験です。

       
  〇「撥水性を有する浸透性コンクリート保護材(シラン系等の表面含浸材)」の性能
     「撥水性を有する浸透性コンクリート保護材」(以下、「浸透材」という。)の性能は、100×100×100mmコンクリート試験体の2面に浸透材を塗布した場合の水中浸漬日数28日の質量変化率で判断します。性能判定を行う試験体すべての質量変化率が0.30%以下の場合、性能基準に適合していると判断します。
     


     写真−1 100×100×100mmコンクリート試験体の2面に浸透材塗布の状況

写真−1   100×100×100mmコンクリート
    試験体の2面に浸透材塗布の状況

2.試験の実施スケジュール

 

 性能試験は、2013年度は、3回実施する予定です。

  (1) 浸透材塗布予定日
    第1回 5月22日(水)(実施済)
    第2回 7月10日(水)
    第3回 9月11日(水)
     試験実施の具体的スケジュールは、受付後、依頼担当者に直接ご連絡差し上げます。
 1回に募集する試料数は、最大10試料です。各回の申込み試料数が10試料に達しましたら、締め切らせていただきます。また、申込み試料数が2試料以下のときには、その回は試験を実施せず、申込みのあった試料の試験は次回に繰り越します。
 なお、応募が多数の場合には、別途追加募集を予定します。
 

(2) 水中浸漬開始予定日 浸透材塗布日から2週間後

 

(3) 質量変化率測定日 水中浸漬開始から28日(4週)後


3.試験依頼書の提出

   試験を依頼する場合には、必要書類に必要事項を記入して受付窓口に提出してください。なお、依頼書に書かれた内容は、土木研究センター内の関係委員会および担当者以外には開示しません。
   
(1) 必要書類
   ① 試験依頼書(様式−1)
   ② 施工管理マニュアル
 
 

(2) 問合せ先、受付窓口

    一般財団法人 土木研究センター
 企画・審査部 コンクリート研究室  担当:五島、柴田
〒110-0016 東京都台東区台東1-6-4
 TEL 03-3835-3609 FAX 03-3832-7397
 Mail:kikaku@pwrc.or.jp
 
(3) 受付期限
    第1回:5月10日(金)(終了)
    第2回:6月28日(金)
    第3回:8月30日(金)
     (各回の申込み試料数が10試料に達しましたら、締め切らせていただきます。応募が多数の場合には、別途追加募集を予定します。)
 
 

(4) 試験依頼書(様式−1)

   

「撥水性を有する浸透性コンクリート保護材」試験依頼書(様式−1)


4.実施内容

 

(1)コンクリート試験体

     試験に使用するコンクリート試験体は、100×100×100mmの大きさに切断したものを使用します。
 試験面である2面以外の4面をエポキシ樹脂シール材であらかじめコーティングしたものを用意します。試験体は1試料につき6個準備します。そのうち、5個で水中浸漬試験、1個で浸透材の浸透深さ試験を実施します。
 コンクリートの種類は普通コンクリートとし、スランプは12cm±2.5cm、粗骨材最大寸法は20mmとします。また、水セメント比(W/C)は55%、空気量は4.5%±1.5%とします。
       
  (2)浸透材の塗布
     浸透材の試験体への塗布は、指定日に依頼者に試験所に来ていただき、土木研究センターの担当者が立会のもと、依頼者が実施します。依頼者には、依頼書に記載した通りに用意したコンクリート試験体の2面に浸透材を塗布していただきます。その際に立会者は、依頼書に記載された通りに塗布されていることを確認します。
 依頼者は、塗布に必要な器具(ハケ、ローラー、容器、洗浄具など)を用意してください。土木研究センターは、その他の用具(はかり、机、台座、マスキングテープ、記録用紙など)を用意します。
     
  (3)性能評価試験(水中浸漬試験)
     試験は、以下の方法で実施します。
   
(1) 浸透材塗布後の試験体を、恒温恒湿室(20℃、60%RH)で2週間乾燥させます。
(2) 試験体の浸漬前質量を測定します。質量は、0.01gまで測定します。
(3) 質量測定後、20℃の恒温水槽に浸透材を塗布した面が側面になるように完全に浸漬します。使用する水は水道水とします。また、水中浸漬中は試験体上面から水面までの距離を20mmの一定に保つように管理します。
(4) 浸漬日数28日後、水槽から取り出し、付着している水分を拭き取り、直ちに浸漬後質量を測定します。
       
 

(4)色差計による外観評価(参考)

   

 浸透材塗布後の試験体を、恒温恒湿室(20℃、60%RH)で2週間乾燥させた後、水中浸漬試験を実施する前に、色差計による外観評価を行います。本試験は、浸透材を塗布することによる外観の変化を確認するもので、性能確認の参考にするものです。
 水中浸漬前の5体の試験体について、浸透材塗布面中心部を色差計で測定します。色差の基準とするコンクリートは、同じコンクリートで作成した無塗布の供試体とします。

 
 

(5)浸透深さ試験(参考)

   

 浸透深さ試験は、浸透材を塗布した試験体の、浸透材の浸透深さを確認するために実施するもので、性能確認の参考にするものです。
 試験は浸透深さ測定用試験体1体について実施します。試験体を2つに割裂した後、分割した試験体の片方に墨汁を塗布し、浸透材が浸透した部分は着色されず、浸透していない部分は着色されることにより浸透深さを求めます。浸透材を塗布した2面について、それぞれ5箇所を0.1mm単位で測定し、計10箇所の平均を0.1mm単位に丸めて求めた値を浸透深さとします。

 

5.性能判定基準

 

 浸透材の性能は、浸漬日数28日の質量変化率が、性能判定を行う試験体すべてで0.30%以下の場合、性能基準に適合していると判断します。ここで、性能判定を行う試験体は、水中浸漬試験を行った試験体5個のうち質量変化率が最大のもの、および最小のものを除く3個とします。
 質量変化率は、浸漬日数28日の試験体質量を0.01gまで測定し、次式により算出します。質量変化率は、小数点3桁目を四捨五入し、小数点2桁に丸めて求めます。

       
      W=[(w28−w0)/w0]×100
       
    ここで、 W:浸漬日数28日後の質量変化率(%)
      28:浸漬日数28日後の試験体の質量(g)
      w0:浸漬前の試験体の質量(g)
 

6.性能判定委員会

 

 性能判定委員会は、大学、土木研究所、土木研究センター等のメンバー7名で構成します。委員会では、試験の実施方法および判定方法について審議します。
 なお、内容に疑義がある場合には、委員会の判断を仰ぐこととします。

 

7.費用

 

 本性能試験に要する費用は、1試料(製品)あたり525,000円(税込)とします。

 

8.有効期限

 

 本性能試験の有効期間は、証明書発行日から5年間とします。

 

9.その他

  (1) 1回に1社で申込みできる試料数は、3試料以下とします。
  (2) コンクリートの水セメント比(W/C)、粗骨材種類等、異なった仕様での試験実施を希望される場合については別途ご相談に応じます(実施時期、方法、費用等)。
     
【性能基準に適合した製品名】
 
No. 土研セ企
撥証番号
依頼者 製品名、型番 系統 分類 タイプ 塗布量
(g/m2)
塗布回数 証明年月日 有効期限
1 1201 カジマリノベイト(株) マジカルリペラー 水系 シラン・シロキサン系 クリーム状 200 1回 H24.11.15 H29.11.14
2 1202 ショーボンド建設(株) ショーボンド ニュースパンガード 溶剤系 シラン系 ジェル状 200 1回 H24.11.15 H29.11.14
3 1203 (株)美和テック MC-T 2018 溶剤系 シラン・シロキサン系 液体状 300 2回 H24.11.15 H29.11.14
4 1204 コニシ(株) ボンドWB3000 水系 シラン系 ジェル状 300
(150×2回)
2回 H24.11.15 H29.11.14
   
 

【試験結果のお問い合わせについて】
試験結果のお問合せについては、次のいずれにも該当する場合に限り応じます。
(1)発注者、施工者等の方が、上記表中の材料を使用する場合、あるいは使用を検討する場合。
(2)試験成績書の写しをE-mail(PDFファイル添付)またはFAXにて、下記の問合せ先まで送付した場合。
 なお、お答えする内容は、(2)で送付された試験成績書の写しに書かれた内容が正しいかどうかについてのみとなります。

 問合せ先:企画・審査部コンクリート研究室 担当:柴田
(E-mail:kikaku@pwrc.or.jp、TEL:03-3835-3609、FAX:03-3832-7397)



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