(一財)土木研究センター/刊行物/出版物抄録

土木技術者のためのプロフェッショナルの姿勢と視点

 

 本書は、大きく変化する社会的状況に置かれている若手・中堅の土木技術者、学生の皆さんなどが、土木あるいは自らの使命を認識し、将来の進む方向を考える際の参考になることを意図しています。
 本書は二部構成であり、第T部は土木技術者の倫理、土木のプロフェショナルとして必要な11の姿勢、第U部は土木技術者として業務を実施する際に必要な9の視点を提起するとともに、計画・設計に有益な資料を付属しています。
 本書の目次(節・項は割愛)は下記の通りですが、土木技術者の皆さんの日頃の業務において有益と思われる事項を幅広く取り上げています。例えば、第U部の「視点8のU8.2地盤の液状化の評価に関わる指標のルーツ」では、現在、普遍化している、液状化に対する抵抗率(FL)の40年前の生い立ちを紹介しています。
 さて、土木技術者は、将来の如何なる状況においても、プロフェッショナル、専門家としてのプ ライドをもって臨み、国民の付託に応えるとともに、自らの生き甲斐に繋げることが最良ですが、 本書がその一助になれば幸いです。

 

著  者 

常田賢一
 

編集・発行

一般財団法人 土木研究センター

  体  裁 B5版  237頁
  本体価格

2,000円(税抜)

  発  行

2020年6月

       
  ※賛助会員様には1冊贈呈
 

 

目次:まえがき

第T部 土木のプロフェッショナルとしての姿勢

姿勢1 土木の先人の偉業、思いを忘れない

T1.1

 

先人の偉業

T1.2

 

先人の思い

姿勢2 土木技術者が活躍する場の多様性を知る
  T2.1   公共が基本の土木
  T2.2   役割ごとに、多種、多様な活躍の場がある土木
  T2.3   土木に関わる公共事業の流れ
      T2.3.1 事業の流れ
      T2.3.2 入札・契約の流れ

姿勢3 土木技術者の行動規範・倫理規定を理解する

T3.1

 

倫理を先導する土木

T3.2

 

反倫理的な不祥事の発生

  T3.3   土木技術者と倫理の関係
  T3.4   技術者倫理と基本倫理
  T3.5   土木学会の倫理規定
  T3.6   組織の倫理的環境と土木技術者の義務

姿勢4 プロフェッショナル意識により倫理を実践する

T4.1

 

土木の基本的認識

T4.2

 

社会規範からの逸脱を認識

  T4.3   内部告発に依らない組織の自浄力

T4.4

 

倫理の実践の心構え:プロフェッショナル意識

姿勢5 不正に対するペナルティを自覚し、行動する
  T5.1   組織および個人に課せられるペナルティ
  T5.2   著作物の不正
姿勢6土木の存在感の高揚と全体最適のための産学官の連携
  T6.1   土木に関わる専門的職業の技術者集団
  T6.2   産学官の連携
姿勢7 自己の存在証明を向上し、発信する
  T7.1   アイデンティティを意識
  T7.2   CPDの意義
  T7.3   技術力の研鑽
  T7.4   組織人と企業体の評価
      T7.4.1インセンティブの付与の意義
      T7.4.2評価とインセンティブの付与の仕組み
  T7.5   土木技術者のアイデンティティ・誇りを忘れない
姿勢8 立場に応じた権限と義務を自覚し、果たす
  T8.1   組織の構成と役割
  T8.2   組織の倫理と組織人の倫理
  T8.3   組織、組織人、個人のコンプライアンス
姿勢9 土木技術者の資格の意義を知り、自己研鑽に努める
  T9.1   資格の意義
  T9.2   JABEEによる特典とその意義
姿勢10 土木の特異性、建築との差異を理解し、土木の意義を発揮する
  T10.1   土木の特異性を理解
  T10.2   建築との違いを知る意義
  T10.3   土木と建築の差異
  T10.4   土木はコスト・用・強の視点
姿勢11 土木のデザイン、プロジェクトデザイナーを意識する
  T11.1   土木にもデザイン
  T11.2   特筆できる土木のデザイン
  T11.3   プロジェクトのデザインのためのプロジェクトデザイナー
       
第U部 土木技術者としての多面的な視点
視点1 感度を磨き、災害の示唆を見逃さず、学ぶ
  U1.1   災害の示唆に気づく力
  U1.2   すべり破壊制御と縦断線形円滑化:2004年新潟県中越地震
  U1.3   人工基盤:2007年能登半島地震
  U1.4   粘り強い盛土:2011年東北地方太平洋沖地震
  U1.5   被害レベルと土石流:2014年広島豪雨
  U1.6   越流に対する粘り強さ:2015年関東・東北豪雨
  U1.7   複合構造災害:2016年熊本地震
  U1.8   道路の性能評価の具体化:2016年熊本地震
  U1.9   落石に関わる樹木:2016年島根県落石事故
視点2 定式化、モデル化の意義と意味
  U2.1   定式化の意義・意味
  U2.2   モデル化の意義・意味
視点3 個別段階から全段階の最適化と連携
  U3.1   広い視野で相互補完・連携
  U3.2   維持管理段階を考えた橋梁の設計段階
  U3.3   複数段階を連携させて最適化する入札・契約方式
  U3.4   地質・地盤リスクと複数段階を経た性能喪失リスク
  U3.5   地震断層の評価は理学段階と工学段階の連携
  U3.6   複数段階を循環するメテナンスサイクルによる最適化
視点4 視野を広げ、発想を転換
  U4.1   日頃からの問題意識
  U4.2   戦略と戦術
  U4.3   B/Cの意味
  U4.4   復元・改造
  U4.5   失敗に学び、活かす
  U4.6   想定外と言わない
  U4.7   木を見て、森も見る土木
  U4.8   ゼロ・イチでない弾力的な思考
  U4.9   実験目的の明確化と発想の転換
      U4.9.1 視点を変える
      U4.9.2 液状化状態を任意に設定できる実験
      U4.9.3 液状化地盤中で杭を牽引する実験
  U4.10   盛土の見方
      U4.10.1 盛土の粘り強さ
      U4.10.2 性能を考慮した安全率
      U4.10.3 盛土の二次すべり
  U4.11   地表地震断層に対する姿勢
視点5 デジタルとアナログ、視覚情報の理解
  U5.1   デジタルとアナログの視点の区別
  U5.2   視覚化情報に惑わされない
視点6 現状に留まらない、先を読む
  U6.1   ICT数量土工からICT品質土工へ
  U6.2   土木の本質はアナログ、AIは道具
視点7 土木施設は資源
  U7.1   土木施設の新たな価値
  U7.2   資源の視点
  U7.3   道路の多目的利用を先導する道の駅
  U7.4   インフラツーリズムによる観光資源化
視点8 既存技術を鵜呑みせず、ルーツを知り、さらに展開
  U8.1   技術のルーツを知る意義
  U8.2   地盤の液状化の評価に関わる指標のルーツ
      U8.2.1 液状化に対する抵抗率FLの意味
      U8.2.2 地震時せん断応力比の深さ方向の低減係数rdの意味
      U8.2.3 土質定数の低減係数DEの導出過程
      U8.2.4 液状化指数PLおよびその評価基準の意味
視点9 魅力と生き甲斐のある土木に変貌
  U9.1   土木を取り巻く社会的環境の変化:これまでと将来
  U9.2   土木の品質確保と生産性の向上
      U9.2.1 品質の確保
      U9.2.2 働き方改革
      U9.2.3 情報化・機械化技術を駆使
  U9.3   土木が期待される喫緊かつ将来的な課題
      U9.3.1 予防保全で老朽化を克服
      U9.3.2 国土強靱化、防災・減災は土木の宿命
あとがき
       
付属資料:計画・設計で活かせる知見
  1.   設定条件で変わる円弧すべり法の安全率
  2.   道路盛土の変形性能の評価基準
  3.   盛土の地震動増幅を考慮したニューマーク法
  4.   道路盛土の地震危険度をマクロ評価
  5.   2011年東北地方太平洋沖地震の津波からの知見
      (1) 海岸堤防の津波被害レベルの差異
      (2) 津波に対する防潮堤の性能評価の視点
      (3) 陸域の津波流の浸水深の距離減衰
      (4) 陸域の砂層堆積厚の距離減衰
      (5) 落堀の規模特性
      (6) 盛土が津波越流に粘り強い理由
      (7) 多重防御は広域と狭域の両視点
      (8) 盛土を活用した津波対策は多種多様
  6.   河川堤防の粘り強い洪水越流対策は多種多様
  7.   向き合う姿勢に応じた地表地震断層対策
索引
       
【豆知識】
  1.   江戸時代から活き続け、土木技術の手本となる山田堰
  2.   信濃川を分水して、越後平野を洪水から守る大河津分水路
  3.   築城も土木の総合技術
  4.   機能性がデザイン性を備えた稚内北防波堤ドーム
  5.   浜口梧陵による津波防御の広村堤防
  6.   川を付け替えた、利根川の東遷
  7.   盛土と立木で津波の減勢
  8.   既設ダム用地を活用して新設された夕張シューパロダム
  9.   土木を志した技術者の憧れの的であった黒部ダム
  10.   東京湾を横断する海上・海底道路、東京湾アクアライン
  11.   埋め立てによる人工島の海上24時間運用の関西国際空港
  12.   復興のシンボル、高田松原の奇跡の一本松
  13.   堤防の破堤に伴い出現する落堀
  14.   豪雨などによる道路災害に対して英知を
  15.   豪雨などによる河川災害に対して英知を

土木技術者のためのプロフェッショナルの姿勢と視点 正誤表(2020年7月6日)(pdf形式182KB)
土木技術者のためのプロフェッショナルの姿勢と視点 正誤表(2020年7月16日)(pdf形式208KB)


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